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金貨の種類はいくつある?おすすめの金貨と高価買取のコツを解説

金貨の種類はいくつある?おすすめの金貨と高価買取のコツを解説

金貨には投資商品、記念品、コレクションなど、さまざまな種類があります。そして日本だけではなく、海外にも多くの金貨が発行されています。こちらでは、国内外のおすすめの金貨と高価買取のコツを解説します。

金貨の3つの種類

金貨を収集されている方ならご存じかもしれませんが、金貨は大きく分けると3種類になります。それが、「地金型金貨」「収集型金貨」「通貨型金貨」です。こちらでは、特徴が異なる3つの金貨についてご紹介します。

投資用に発行された「地金型金貨」

地金型金貨とは、投資用に発行されている金貨です。もちろん「金貨」ですので、法定通貨としても使用することができます。地金型金貨の特徴は、金価格よりも法定通貨の額面のほうが低く設定されていることです。

例えば、純金製のメイプルリーフ金貨の場合は、1oz(オンス)あたりの重さは約28.3gですが、法定通貨の価値は50カナダドル(=日本円で約6,000円)になります。

2023年6月現在、純金の価格は1g 12,000円を超えています。そのため、単純計算すると1ozのメイプルリーフ金貨は、約38万円の価値があります。地金型金貨は金価格で価格が変動するので、金相場が安いときに購入できれば、売却時に差額分で利益を得られます。

記念金貨として発行された「収集型金貨」

収集型金貨とは、記念金貨として発行される金貨です。金貨の額面や地金価格よりも高額で取引される場合が多いです。また、地金型金貨との一番の違いは発行枚数です。記念金貨として発行されるため、発行枚数が非常に少なく、コレクション性が高いことが特徴です。

そのため、収集目的だけではなく、投資として購入する人もいます。これは、地金価格の高騰だけではなく、プレミア価値がつくことを見越しての購入となります。

プレミア価値がつけば、地金型金貨よりも利益を得られることがありますので、投資商品にもなります。コレクションしながらも投資として運用したいという方は、収集型金貨を購入するのも良いでしょう。

お金としても利用できる「通貨型金貨」

通貨型金貨とは、金融機関で額面通りに発行される金貨です。日本で発行されている通貨型金貨の場合、金貨自体の額面は、地金価格より高い価格で設定されていました。

例えば、日本の通貨型金貨には「天皇陛下即位の10万円金貨」があります。これは、10万円で購入して10万円として使うことができますが、当時の金価格から考えると法定通貨の額面のほうが高額です。

また、地金型金貨と同様に購入時期の金相場が安ければ、売却時に高騰することもあります。そして、コレクション性も高いので、プレミア価値がつくこともあります。

おすすめの地金型金貨の種類

地金型金貨は、基本的に金の品位によって価値が決まりますが、品位は必ずしもK24の純金ではなく、保存のためにK22にしている金貨もあります。こちらでは、世界的にも有名な地金型金貨を8種類ご紹介します。

クルーガーランド金貨

発行元 南アフリカ共和国造幣局
発行年 1967年
品位 K22(純度91.67%)
質量(1oz) 約33.9g
量目 1oz、1/2oz、1/4oz、1/10oz
サイズ 約32.7mm、約27mm、約22mm、約16.6mm
額面 ---
参考価格(1oz) 381,790円

※記載は参考価格となります。買取金額を保証するものではありません。

クルーガーランド金貨は、南アフリカ共和国により、1967年から発行されている地金型金貨です。50年以上前から存在するこの金貨は、主に取引されている金貨の中で最も長い歴史を誇ります。

表面にはポール・クルーガー元大統領の肖像が、裏面には南アフリカに生息するウシ科の動物スプリングボックがレリーフされています。

昔は日本でもたくさん流通していましたが、現在は日本での流通量が少なくなっており、製造販売されている数量のみが市場に出回っています。

メイプルリーフ金貨

発行元 カナダ王室造幣局
発行年 1979年
品位 K24(純度99.99%)
質量(1oz) 約31.1g
量目 1oz、1/2oz、1/4oz、1/10oz、1/20oz
サイズ 約30mm、約25mm、約20mm、約16mm、約13.9mm
額面(カナダドル) 50、20、10、5、1
参考価格(1oz) 398,450円

※記載は参考価格となります。買取金額を保証するものではありません。

メイプルリーフ金貨は、カナダ王室造幣局により、1979年から発行されている純金製の地金型金貨です。世界一の流通量を誇り、国際的にも信頼されているため、将来にわたって安心して所持できる金貨です。そのため、投資にも適した金貨といえるでしょう。

表面にはエリザベス2世の肖像が、裏面にはカナダの国旗にも描かれているサトウカエデの葉がデザインされています。

また、メイプルリーフ金貨は法定通貨として使用することもできますが、1ozあたりの額面は50カナダドル(約6,000円相当)です。したがって、買取市場のほうが高額で取引される可能性があります。

パンダ金貨

発行元 中国造幣公司
発行年 1982年
品位 K24(純度99.99%)
質量(1oz) 約31.1g
量目 1oz、1/2oz、1/4oz、1/10oz、1/20oz
サイズ 約32mm、約27mm、約22mm、約18mm、約14.5mm
額面(元) 500、200、100、50、20
参考価格(1oz) 398,450円

※記載は参考価格となります。買取金額を保証するものではありません。

パンダ金貨(熊猫金幣)は、中華人民共和国により、1982年から発行されている地金型金貨です。表面にはジャイアントパンダ、裏面には北京天壇がデザインされています。ジャイアントパンダのデザインは毎年変わります。

パンダ金貨は種類が豊富で、収集家から人気があります。特に発行枚数の少ないものには、プレミア価値がつくこともあります。

また、主に上記の5種類の量目が出回っていますが、5oz、12oz、1kgなどの大型サイズや、1/25ozなどの小型サイズも発行されています。

カンガルー金貨

発行元 パース造幣局
発行年 1986年
品位 K24(純度99.99%)
質量(1oz) 約31.1g
量目 1oz、1/2oz、1/4oz、1/10oz
サイズ 約32mm、約25.1mm、約20.1mm、約16.1mm
額面(オーストリアドル) 100、50、20、10
参考価格(1oz) 398,450円

※記載は参考価格となります。買取金額を保証するものではありません。

カンガルー金貨は、オーストラリアのパース造幣局により、1986年から発行されている地金型金貨です。日本での知名度は特に高く、メイプルリーフ金貨やウィーン金貨と並び、「世界三大金貨」の1つとされています。

表面にはエリザベス女王2世の肖像が描かれ、裏面には毎年変わるカンガルーのデザインが特徴です。また、以前は金塊がデザインされていたため、海外では今でもナゲット金貨として知られています。

年代によってカンガルーのデザインや発行枚数が異なるため、プレミア価値がつくものもあります。そのため、パンダ金貨と同様に、収集家から人気のある金貨として知られています。

イーグル金貨

発行元 アメリカ合衆国造幣局
発行年 1986年
品位 K22(純度91.67%)
質量(1oz) 約33.9g
量目 1oz、1/2oz、1/4oz、1/10oz
サイズ 約32.7mm、約27mm、約22mm、約16.5mm
額面(アメリカドル) 50、25、10、5
参考価格(1oz) 381,790円

※記載は参考価格となります。買取金額を保証するものではありません。

イーグル金貨は、1795年から発行されていたK22の10ドル金貨が前身となる金貨です。現在は、1986年からアメリカ合衆国が発行している地金型金貨のことを指します。品位はK22(91.67%)で、安定して流通しています。

表面にはアメリカを象徴する自由の女神が、裏面にはアメリカ合衆国の国鳥である鷲(イーグル)がレリーフされており、アメリカらしいモチーフがデザインされているのが特徴です。

ブリタニア金貨

発行元 イギリス王立造幣局
発行年 1987年
品位 K22(純度91.67%)・K24(純度99.99%)
質量(1oz) 約33.9g
量目 5oz、1oz、1/2oz、1/4oz、1/10oz、1/20oz、1/40oz
サイズ 約50mm、約32.7mm、約27mm、約22mm、約16.5mm、約12mm、約8mm
額面(ポンド) 500、100、50、25、10、1、50ペンス
参考価格(1oz) 388,960円

※記載は参考価格となります。買取金額を保証するものではありません。

ブリタニア金貨は、英国王立造幣局により、1987年から毎年発行されている地金金貨です。表面にはエリザベス女王2世の横顔、裏面にはイギリスを擬人化した「ブリタニア女神」がデザインされています。

また、ブリタニア金貨は1987年の発行から2012年までは、金の純度が91.7%(K22)で、量目は4種類でした。しかし、2013年以降は純金(K24)となり、2024年6月現在では7種類の量目が発行されています。

ウィーン金貨

発行元 オーストリア造幣局
発行年 1989年
品位 K24(純度99.99%)
質量(1oz) 約31.1g
量目 1oz、1/2oz、1/4oz、1/10oz、1/25oz
サイズ 約37mm、約28mm、約22mm、約16mm、約13mm
額面(ユーロ) 100、50、25、10、4
参考価格(1oz) 396,740円

※記載は参考価格となります。買取金額を保証するものではありません。

ウィーン金貨は、オーストリア造幣局が発行する地金型金貨で、「ウィーン金貨ハーモニー」とも呼ばれることもあります。

表面には楽友協会ホールのパイプオルガンが、裏面にはウィーンホルン、ハープ、チェロ、ビオラ、バイオリン、ファゴットなど、演奏会で使われる6種類の管弦楽器がデザインされています。

また、ウィーン金貨はメイプルリーフ金貨やカンガルー金貨と並び、「世界三大金貨」として評価されるほど高い人気を誇る金貨でもあります。

バッファロー金貨

発行元 アメリカ合衆国造幣局
発行年 2006年
品位 K24(純度99.99%)
質量(1oz) 約31.1g
量目 1oz、1/2oz、1/4oz、1/10oz
サイズ 約32.7mm、約26.5mm、約22mm、約16.5mm
額面(アメリカドル) 50、25、10、5
参考価格(1oz) 388,960円

※記載は2024年6月現在の参考価格となります。買取金額を保証するものではありません。

バッファロー金貨は、アメリカ合衆国で初めて発行された純金製の地金型金貨です。2006年から発行されており、表面にはアメリカ先住民のインディアン、裏面にはアメリカバイソン(=バッファロー)がデザインされています。

アメリカ合衆国ではK22のイーグル金貨が主流でしたが、海外で発行された純金の金貨(メイプルリーフ金貨、カンガルー金貨、ウィーン金貨など)と比較すると、信用性は高くはありませんでした。

また、純金の金貨と比べても人気がなかったため、新たに発行されたのがバッファロー金貨です。

おすすめの収集型金貨の種類

収集型金貨は発行枚数が限られているため、金価格に加えて希少価値が上乗せされる特徴があります。中には、もともと地金型金貨でしたが、発行廃止となったことでプレミア価値が上がっているものもあります。こちらでは、世界を代表する6種類の収集型金貨とその特徴をご紹介します。

インディアン金貨

発行元 アメリカ合衆国造幣局
発行年 1907年~1933年
品位 K21.6(純度90.00%)
質量(10ドル) 約16.7g
量目 10ドル、5ドル、2.5ドル
サイズ 約27mm、約21.6mm、約18mm
額面(アメリカドル) 10、5、2.5
参考価格(10ドル) 178,960円

※記載は参考価格となります。買取金額を保証するものではありません。

インディアン金貨は、20世紀初頭にアメリカ合衆国で発行されていた地金型金貨です。表面にはアメリカ合衆国の原住民であるインディアン、裏面にはイーグルがデザインされているのが特徴です。

また、インディアン金貨という名前は通称であり、正確には「イーグル金貨」といいます。イーグル金貨の中でも、1907年から1933年に発行されたもので、裏面にインディアンがデザインされているものを指します。

バブル時代の日本でもペンダントとして流行しましたが、偽物も流通していました。そのため、若干価値が下がりました。しかし、発行枚数が少ない金貨であるため、現在では希少価値が高くなっています。

キャット金貨

発行元 イギリス王室属領のマン島自治政府
発行年 1988年~2012年
品位 K24(純度99.99%)
質量(1oz) 約31.1g
量目 1oz、1/2oz、1/5oz、1/10oz
サイズ 約32.7mm、約30mm、約22mm、約18mm
額面(クラウン) 1、1/2、1/5、1/10、1/25
参考価格(1oz) 388,960円

※記載は2024年6月現在の参考価格となります。買取金額を保証するものではありません。

キャット金貨は、イギリス王室領のマン島自治政府により、1988年から2012年まで発行されていた金貨です。表面にはエリザベス女王2世が描かれ、裏面の猫のデザインは毎年変わるため、大変人気があります。

初年度の1988年は、マン島特産の尻尾のない猫「マンクス」から始まり、最後の2012年もマンクスのデザインでした。いずれの年代もかわいい猫の絵柄が特徴です。

ネコ好きであれば、マン島のキャット金貨を集めてみるのも良いかもしれません。

ソブリン金貨

発行元 英国王立造幣局
発行年 1817年
品位 K22(純度91.67%)
質量(5ポンド) 約39.9g
量目 5ポンド、2ポンド、1ポンド、1/2ポンド
サイズ 約36.2mm、約29.3mm、約22.2mm、約19.3mm
額面(ポンド) 5、2、1、1/2
参考価格(5ポンド) 445,950円

※記載は参考価格となります。買取金額を保証するものではありません。

ソブリン金貨は、英国造幣局により、1817年から現代まで発行されている法定貨幣です。時代によってデザインは異なりますが、表面には国王の肖像、裏面にはセントジョージが竜を退治している絵柄が代表的です。

イギリスの金本位制度が確立した後の1817年に発行された金貨であり、すでに200年以上の歴史があります。

そのため、発行数が少ないものや人気があるものは、買取市場で高額で取引されることがあります。もし収集型金貨で投資を考えているのであれば、ソブリン金貨から始めてみるのも良いかもしれません。

ナポレオン金貨

発行元 フランス
発行年 1852年~1970年
品位 K21.6(純度90.00%)
質量(20フラン) 約6.45g
量目 20フラン
サイズ 約21.1mm
額面(20フラン) 20
参考価格(20フラン) 69,040円

※記載は参考価格となります。買取金額を保証するものではありません。

ナポレオン金貨は、広義には19世紀初頭から20世紀初頭にかけて流通していた金貨を指しますが、一般的には1852年から1870年に発行された、ナポレオン3世がデザインされている20フラン金貨を指します。

また、フラン金貨には20フランのほかにも、5フラン、10フラン、40フラン、50フラン、100フランがあります。これらは大量に流通していたため希少価値が低く、収集型金貨というよりも地金型金貨に分類されることがあります。

カナダ野生動物金貨

発行元 カナダ王室造幣局
発行年 2011年
品位 K24(純度99.999%)
質量(1oz) 約31.1g
量目 1oz
サイズ 約30mm
額面(カナダドル) 200
参考価格(1oz) 425,183円

※記載は参考価格となります。買取金額を保証するものではありません。

カナダ野生動物金貨は、2011年から発行されている記念金貨です。メイプルリーフ金貨と同様に、カナダ王室造幣局で発行されているため、世界的に高い信頼性があります。

表面にはエリザベス2世、裏面には動物が描かれています。この動物のデザインは毎年変わるため、コレクション性が高く、収集家の間で需要のある金貨の1つです。

また、品位の高さもこの金貨の特徴です。通常の純金金貨は99.99%(フォーナイン)で作られますが、カナダ野生動物金貨は99.999%(ファイブナイン)で発行されており、非常に希少価値の高い金貨です。

中国十二支金貨

発行元 中華人民共和国
発行年 1981年
品位 K24(純度99.999%)、K22(純度91.67%)
質量(150元) 約8g
量目 100元、150元、200元、500元、1000元
サイズ(150元) 約23mm
額面(元) 100、150、200、500、1000
参考価格(150元) 90,060円

※記載は参考価格となります。買取金額を保証するものではありません。

中国十二支金貨は、中華人民共和国により、1981年から現在まで発行されている記念金貨です。毎年変わる十二支のデザインだけでなく、金貨の形も円形だけでなく、花形や扇形、長方形など多様です。

毎年の発行枚数や額面、金の純度が決まっていないため、非常に自由度の高い金貨です。干支にちなんだデザインは縁起物としても人気があり、コレクターも多くいます。

日本のおすすめ通貨型金貨の種類

通貨型金貨はその名のとおり、額面通りの金額で利用することができます。ただし、当時の金価格から考えると、額面は非常に高額に設定されていました。現在は歴史的な金価格の高騰により、当時の額面の数倍の価格になっています。こちらでは、日本を代表する2種類の通貨型金貨をご紹介します。

天皇陛下御在位六十年記念金貨

発行元 日本造幣局
発行年 1986年、1987年
品位 K24(純度99.99%)
質量(10万円) 約20g
量目 10万円金貨
サイズ 約30mm
額面(円) 100,000
参考価格(10万円) 240,630円

※記載は参考価格となります。買取金額を保証するものではありません。

天皇陛下御在位六十年記念金貨は、昭和天皇の在位60年を記念して、1986年と翌年1987年に日本国で初めて発行された記念金貨です。表面には平和を象徴する鳩と水、裏面には皇室の象徴である菊花紋章がデザインされています。

1986年には1000万枚、1987年には100万枚が発行されました。そのうち1010万枚が市場に販売され、残りの90万枚は地金に戻されました。

流通量が非常に多いため、希少価値は高くはありませんが、日本で初めて発行された記念金貨ということで、海外でも人気のある金貨です。

天皇陛下御即位記念10万円金貨

発行元 日本造幣局
発行年 1990年
品位 K24(純度99.99%)
質量(10万円) 約30g
量目 10万円金貨
サイズ 約33mm
額面(円) 100,000
参考価格(10万円) 355,800円

※記載は参考価格となります。買取金額を保証するものではありません。

天皇陛下御即位記念10万円金貨は、1990年に上皇陛下が天皇にご即位された際に、日本造幣局より発行された記念金貨です。表面には鳳凰、裏面には菊の紋章が美しく刻印され、偽造防止のための認証番号が記載されています。

また、初めて発行された天皇陛下御在位六十年記念金貨と比べると、10gほど重たくなっています。

そのため、2024年6月現在の金価格を考慮しても、天皇陛下御在位六十年記念金貨と比べて、10万円以上の価格差がついています。

プルーフ金貨とは?

金貨を収集している方であれば、もしかしたら「プルーフ金貨」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。通常の金貨にプルーフ加工を施すことで、見栄えが良くなり、価値が上がることがあります。こちらでは、プルーフ金貨の意味と3つの加工方法についてご紹介します。

表面を鏡のように磨いた金貨

プルーフ加工を施すことで、金貨の表面が鏡のように磨かれ、美しさがさらに引き立ちます。そのため、通常の金貨と比べて価値が上がることがあります。また、見栄えも良くなるため、コレクターからの需要も高まります。

基本的には流通を目的とした金貨は通常の貨幣として製造されますが、コレクター向けにはプルーフ加工が施されることが多いです。しかし、中南米貨幣のようにほとんどがプルーフタイプである稀なケースもあります。

プルーフ加工の種類

プルーフ加工には「フロステッド・プルーフ」「ブリリアント・プルーフ」「マット・プルーフ」の3種類の方法があります。

・フロステッド・プルーフ

フロステッド・プルーフは、デザインの盛り上がった部分をすりガラスのような質感にし、平らな部分を鏡面に仕上げます。日本ではこのコーティングが採用され、湿度による錆などを防止するために使用されることもあります。

・ブリリアント・プルーフ

ブリリアント・プルーフは、フロステッド・プルーフと異なり、デザインの盛り上がった部分にも光沢を出す仕上げです。金貨全体が滑らかで光沢を際立たせることができます。アメリカや中南米の多くがこの加工方法を採用しています。

・マット・プルーフ

マット・プルーフは、ブリリアント・プルーフとは対照的に、マット加工(つや消し)を施します。この加工を施した金貨は希少価値が高く、落ち着いた重厚感のある金貨としてコレクターに支持されています。

代表的な作品にはイギリスのエドワード7世戴冠記念コインセットがあります。

プルーフ金貨の相場

プルーフ金貨の買取価格相場は、当然ながら一概にはいえません。金貨の種類や純金の量、希少価値などが影響し、相場が変動します。

例えば、1995年に発行された「ロシアバレリーナコインプラチナプルーフセット」は、発行数が非常に少なく希少価値が高い金貨です。

日本でも「天皇陛下御即位記念」や「東京2020オリンピック記念」は、金価格の高騰により、発売当初の価格より数倍高くなっています。

古金貨とは?

古金貨とは、その名の通り古い金貨のことで、コレクターの間でも非常に人気があります。

例えば、古代リディアのアケメネス朝ペルシャで流通していたダリック金貨や、古代ローマ帝国時代の初代皇帝アウグストゥス帝の時代に鋳造されたアウレウス金貨などが代表的な古金貨です。

そして、海外だけでなく日本にも古金貨が存在します。明治時代に本位貨幣として発行された旧20円金貨や新20円金貨などの古銭も、コレクターの間で人気があります。ものによっては、1000万円以上の価値がつく場合もあります。

世界一美しいコイン「ウナライオン金貨」

ウナライオン金貨とは、1839年にわずか400枚が発行された5ポンドの記念金貨です。その美しさから「世界で最も美しい」と称されるほどで、表面には若き美しいヴィクトリア女王の肖像が彫られています。

裏面にはイギリスを象徴するライオンが描かれ、「ウナ」という女王がイギリスを世界の覇権へと導くデザインです。

発行枚数がわずかなため、非常に希少価値が高く評価されています。2015年には、イギリスの首都「ロンドン」で開催されたオークションで、ウナライオン金貨が含まれる記念金貨フルセットが1億円以上で落札されたことがあります。

日本と金貨の歴史

日本の歴史上で初めて「黄金」という言葉が登場したのは「鎌倉時代」です。その後、「戦後時代」「江戸時代」では大判小判が使用され、お金の単位が円となったのは「明治時代」でした。こちらでは、日本の金貨とその歴史についてご紹介します。

マルコポーロの時代

マルコ・ポーロが『東方見聞録』で日本を「黄金の国ジパング」と紹介したことは、歴史上有名な話です。

当時の日本は、日宋貿易において中国と金を使った取引を行っており、イスラム社会では倭国の黄金伝説とされる「ワクワク伝説」が伝えられていました。

ただし、マルコ・ポーロ自身は日本を訪れたことがなく、実際にジパングが日本であるかについては議論があります。

また、この時代の日本は鎌倉時代であり、金貨はまだ存在せず、取引には砂金が使用されていました。室町時代に入っても、金貨はほとんど鋳造されていませんでした。

戦国時代

戦国時代に入ると、外国との交易が活発になり、金属精錬技術も導入されました。その結果、日本では鋳造貨幣が発行されるようになりました。代表的なものが時代劇にも登場する大判と小判です。

豊臣秀吉の命により天正16年(1588年)に鋳造された「天正大判」が、最も古いものとして知られています。その後、「天保大判」や「享保大判」などが鋳造され、広く流通しました。

大判は、延金(のしきん/のべきん)と呼ばれる金塊を槌やローラーで薄く広げた中でも、楕円形で大きなものを指します。「黄金」とも呼ばれることがあります。一方、小判は単に「金」と呼ばれ、その定義には決まりがありません。

江戸時代

江戸時代に入ると、日本全国で貨幣制度が統一されました。これにより、貨幣を使った経済活動が活発になり、金貨の流通も増加しました。その結果、貧富の差も拡大していきました。

また、大判と小判の価値は時代によって大きく異なります。江戸時代には、小判(金貨)1枚が現代の約29万円相当の価値があったとされています。大判は小判の10倍の価値があるとされており、約290万円の価値に相当します。

明治時代

明治4年に新貨条例が発布され、日本は金本位体制を採用しました。これにより、江戸時代の「両・分・朱」の単位から「円」に変わりました。

この制度下で、純度90%の本位金貨である二十円金貨、五円金貨、十円金貨、一円金貨などが造幣され、現代でも高値で取引されています。

また、自由鋳造が認められ、金貨を鋳造したい者は金地金を貨幣局に納めることで、法定通貨として交付されるようになりました。

金貨を高価買取してもらうためのコツ

金貨を高価買取してもらうためのコツは主に3つあります。それは「相場が良いタイミングで買取に出す」「付属品を揃えて綺麗な状態で買取に出す」「金の買取専門店に買取に出す」です。こちらではこの3つのコツについてご紹介します。

相場が良いタイミングで買取に出す

金貨を高値で買い取ってもらうためには、金相場の良いタイミングで買取に出すことが重要です。金相場が上がれば買取額も高くなりますが、下がれば安くなります。そのため、日々の相場チェックは欠かせません。

また、持っている金貨の品位に応じて相場を確認することが重要です。例えば、K24の金貨ならばK24の相場を確認し、K22ならK22の相場を確認します。

相場チェックは、売るタイミングを見極めるだけでなく、購入時にも役立ちますので、毎日の相場確認を意識しましょう。

付属品を揃えて綺麗な状態で買取に出す

収集型金貨を買取に出す場合は、金貨が綺麗で箱や保証書などの付属品が揃っていることが評価のポイントになります。状態が良好であれば、買取店は完品として再販することもできるため、高額査定の可能性も高まります。

また、地金型金貨であっても、インディアン金貨のように将来的に収集価値が高まる可能性があります。現在発行されている金貨も、100年後にはアンティーク金貨としての価値が上がるかもしれませんので、きちんとケースで保管しておくことをお勧めします。

金の買取専門店に買取に出す

金貨を高く売却するには、金の買取専門店に査定を依頼しましょう。専門の査定士が在籍しており、金貨や貴金属の買取参考価格が豊富な店舗なら安心です。

一方、総合買取店やリサイクルショップでは、貴金属を正しく査定できる専門のスタッフが在籍していないことが多いです。知識が不十分なスタッフが査定すると、査定額が低くなる可能性もあります。

そのため、金貨を売る際には、専門の査定士がいる金の買取専門店に査定を依頼するのがおすすめです。

金貨の買取方法別のメリットとデメリット

金貨の買取方法には、主に「店頭買取」「出張買取」「郵送買取」の3つがあります。こちらでは、この3つの買取方法のメリット・デメリットについてご紹介します。

店頭買取

店頭買取とは、ご自分で商品を持ち込み、その場で査定してもらう方法です。この方法ではその時の相場で買取してもらえるという大きなメリットがあります。

一方で、デメリットもあります。まず、お店まで行かなければならないという点です。お近くに買取専門店がない場合は、行き来が少し大変かもしれません。また、必ずしも自分が期待する査定額になるとは限りませんので、注意が必要です。

出張買取

出張買取とは、自宅にスタッフを招き、そこで査定や買取をしてもらう方法です。自宅に来てもらえるので、店舗に行く手間が省けるのは大きなメリットです。

ただし、トラブルが多く報告されていることや、対応している店舗が限られていることがデメリットです。一部の店舗ではこのサービスが提供されていない場合もあります。

また、「呼んでしまったら断りにくい」という気持ちもありますが、査定額に納得できない場合は無理に売却しないように注意しましょう。

郵送買取

郵送買取とは、商品をお店やセンターに郵送して買取してもらう方法です。メリットは、お近くに店舗がない方や地方在住の方でも、東京や大阪などの激戦区の店舗に売却依頼ができることです。

地方よりも激戦区の買取専門店の方が、価格競争が激しいため高額で買取してもらえる可能性があります。

しかし、郵送のため数日ほどかかる場合があるのはデメリットです。金相場は突然大きく下落することはなかなか考えられませんが、その点を考慮して発送するようにしましょう。また、入金にも時間がかかることがありますので、即金対応できないのもデメリットかもしれません。

まとめ

金貨の種類と買取方法についてご紹介しました。地金の価値に影響する地金型金貨やプレミア価値が上乗せされる収集型金貨など、自分の目的に合わせて選ぶとよいでしょう。そして売却する際には、金の買取専門店であれば、公平な価格で査定をしてもらえるので安心です。

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