「金貨」とは? 価値が高いのが特徴

金貨とは、金を主成分として鋳造された貨幣であり、素材そのものが価値を支える点が大きな魅力です。金は腐食しにくく、長期保管に向く金属として古くから信頼を集めてきました。
そのため、各国で通貨や蓄財の手段として用いられてきた歴史があります。ただし、純金はやわらかいため、実際の金貨では銀や銅を加えて耐久性を高める設計が一般的です。
価格は金相場と重量を基準に算出され、含有率や保存状態によって評価が変わります。この点が、金貨を資産として捉える際の重要な視点となります。
金貨の現在の資産価値
金貨の価格は金相場の動向に左右されるため、一定の金額を示すのは容易ではありません。2026年1月29日時点では、金1グラムあたりの小売価格が29,815円(税込)、買取価格が29,568円(税込)と、いずれも高水準にあります。
■金の価格推移(買取価格・小売価格)

2026年1月に金1グラムあたり30,000円台へ到達し、この驚異の急騰はから金相場は落ち着く兆しを見せません。このような環境下では、金貨の評価も相場の影響を強く受ける局面にあるといえます。
そのため、他の金貨や金地金と比べても、資産価値を割り出すのは難しくなります。もし、資産形成のために金貨の現金化を考えている場合は、その日の金相場をチェックするようにしましょう。
金貨の3つの種類

金貨は、大きく3つの系統に分けて整理できます。『地金型金貨』、『収集型金貨』、『通貨型金貨』がその代表例です。では、それぞれがどのような性質を持ち、価値にどのような違いが生まれるのかに触れていきましょう。
地金型金貨
地金型金貨は、金の純度や重量を重視して発行される金貨です。デザインは比較的シンプルで、流通量も多い傾向があります。金相場に基づいて価値が形成されるため、評価基準が明確です。
主に保有や取引を目的として発行され、額面は地金としての価格を下回る設定となっています。
鋳造は各国の造幣局が担い、品位と重量は政府によって保証されます。取引価格には、発行時の地金価格に製造や流通に伴う「プレミアム(コスト)」が加わります。この仕組みが、国際的な信用を支えているのです。
| 地金型金貨 | 金の純度と重量が重視され、価格は金相場の影響を受けやすい |
収集型金貨
収集型金貨とは、記念発行や限定枚数で製造される金貨です。意匠性やテーマ性が強く、保存状態も重視されます。オリンピックなど国家的行事を記念して発行されるため、流通を目的としません。
収集家のニーズが高く、基本的に金価格以上で取引されることが多くなっています。
数量限定で発行されることもあり、希少性やコレクション性からプレミアがつく場合もあります。ただし、日本の記念金貨は希少価値が高いものは少なく、ほとんどは地金価格をもとに取引されています。
| 収集型金貨 | 限定発行が多く、希少性やデザインによって価値が決まる |
通貨型金貨
通貨型金貨とは、法定通貨としての額面を持つ金貨です。現在も発行されているものが多く、国が品質を保証しています。金融機関で発行されるため、額面通りの金額として支払ったり、銀行で換金することが可能です。
日本で発行される通貨型金貨は、地金価格を上回る額面が設定されているのも特徴です。また、収集型金貨のように希少性が高く、金の買取専門店で高額で買い取ってもらえる場合もあります。
| 通貨型金貨 | 額面を持つ金貨で、国の保証があり流通しやすい |
日本で発行された金貨の種類と価値
日本国内で発行された金貨には、発行背景や位置づけの異なる系統が見られます。皇室に関わるものや、ワールドカップなど国際行事を記念したものなど、その成り立ちは一様ではありません。
ここでは、評価の高い金貨を中心に取り上げています。なお、記載している価格は2026年1月29日時点の買取参考価格で、実際の取引額とは異なる場合があります。
天皇陛下御即位記念10万円金貨

| 天皇陛下御即位記念10万円金貨 / 買取参考価格 | 892,800円 |
「天皇陛下御即位記念10万円金貨」は、1990年に上皇陛下(明仁上皇)が天皇にご即位されたことを記念して、日本造幣局により発行された純金製の金貨です。
表面には鳳凰と瑞雲、裏面には菊花紋章と桐、唐草がデザインされているのが特徴です。また、関連する金貨には「天皇陛下御在位10年」「天皇陛下御在位20年」「天皇陛下御在位30年」「天皇陛下御在位60年」などがあります。
皇太子殿下御成婚記念5万円金貨

| 皇太子殿下御成婚記念5万円金貨 / 買取参考価格 | 535,700円 |
「皇太子殿下御成婚記念5万円金貨」は、1993年に徳仁天皇と雅子皇后の御成婚を記念して、日本造幣局により発行された純金製の金貨です。
表面には婚約を詠う和歌にちなんだ瑞鳥の鶴2羽と波、裏面には菊花紋章と梓がデザインされているのが特徴です。
東日本大震災復興事業記念1万円金貨

| 東日本大震災復興事業記念1万円金貨 / 買取参考価格 | 464,200円 |
「東日本大震災復興事業記念1万円金貨」は、東日本大震災復興事業を記念して発行されました。2015年から2016年にかけて、第1次から第4次まで発行された純金製の記念金貨です。
個人向け復興応援国債を一定額以上保有する人に贈呈されるほか、日本造幣局でも一般販売が行われました。
各次の表面デザインは異なりますが、裏面は「奇跡の一本松」と「ハト」のデザインで統一されており、この金貨の特徴となっています。
長野五輪冬季大会記念1万円金貨

| 長野五輪冬季大会記念1万円金貨 / 買取参考価格 | 464,200円 |
「長野五輪冬季大会記念1万円金貨」は、1998年に開催された第18回オリンピック冬季競技大会を記念して、1997年~1998年の間に第1次~第4次まで発行されていた純金製の記念金貨です。
第1次~第3次の発行時期によってもデザインは異なりますが、表面はすべて長野オリンピックの大会競技をモチーフとしています。そして、裏面には共通して長野県花としても有名な「りんどう」が描かれています。
2002FIFAワールドカップ記念1万円金貨

| 2002FIFAワールドカップ記念1万円金貨 / 買取参考価格 | 464,200円 |
「2002FIFAワールドカップ記念1万円金貨」は、2002年に日本と韓国で開催された「FIFAワールドカップ」を記念して、日本造幣局により、発行された純金製の1万円金貨です。
表面には、ドリブルする選手とそれを阻む選手が躍動感あふれる姿で描かれています。裏面の中央には大会エンブレムが配され、その周囲には桜、虹、サッカーボールがあしらわれ、大会の熱気と華やかさを象徴しています。
日本国際博覧会記念1万円金貨(2005年)

| 日本国際博覧会記念1万円金貨(2005) / 買取参考価格 | 464,200円 |
「日本国際博覧会記念1万円金貨」は、2005年「愛・地球博(EXPO 2005 AICHI JAPAN)」の開催を記念して発行された純金製の金貨です。
表面には、愛知県のシンボルであるコノハズクの親子が寄り添う姿が描かれています。その背景には、地球や太陽、星、雲など、「愛・地球博」のテーマである『自然の叡智』を感じさせるポップなイラストが広がっています。
裏面には円形のシンボルマークと、大地をイメージした5本のストライプが配されており、表面の華やかさとは対照的に、シンプルで洗練されたデザインに仕上がっています。
旧20円金貨

| 旧20円金貨 / 買取参考価格 | ASK |
「旧20円金貨」は、明治時代初期に発行されていた金貨です。表面には、天皇を象徴する龍と「大日本・二十圓・明治三年」の文字が浮き彫りされています。
裏面の中央に八稜鏡が描かれており、その周りには、菊の花や錦の御旗(天皇の軍の旗)、日章など豪華な絵柄がレリーフされています。華やかで大型な金貨のため「日本近代金貨の王様」とも言われています。
また年代も古く、発行枚数も少ないため、買取市場では高額で取引されることも多いです。
新20円金貨

| 新20円金貨 / 買取参考価格 | ASK |
「新20円金貨」は、日本の新たな貨幣法に伴い、明治後期から昭和初期まで発行されていた金貨です。
表面には皇室を象徴する菊の紋章と菊の枝、中央には「二十圓」の文字が描かれたシンプルなデザインです。
裏面の中央には、旧20円金貨を踏襲した八稜鏡の意匠が配され、周囲には額面の「二十圓」、国名の「大日本」、製造年が整然と刻まれています。
また、新20円金貨の発行枚数は、約5,000枚と言われていますが、年代によっては発行枚数が非常に少なく、買取市場では高額で取引されることがあります。
海外で発行された金貨の種類と価値
海外では、歴史や発行目的の異なる金貨が数多く存在します。古くから評価を受けてきたものもあれば、意匠を変えながら継続的に発行されているものも見られます。
そこで、海外で発行された金貨を種類ごとにまとめました。なお、記載している価格は2026年1月29日時点の買取参考価格あり、実際の取引額とは異なる場合があります。
メイプルリーフ金貨

| メイプルリーフ金貨 / 買取参考価格 | 933,000円 |
「メイプルリーフ金貨」は、カナダ王室造幣局により、1979年から毎年発行されている純金製の地金型金貨です。カナダ政府が保証する法定貨幣でもありますので、国際的に信頼が高く、世界一の流通量を誇ります。
金貨の表面にはエリザベス2世の肖像、裏面にはカナダ国旗にもなっているサトウカエデの葉がデザインされています。また、1オンス、1/2オンス、1/4オンス、1/10オンス、1/20オンスの5種類の量目で発行されています。
ウィーン金貨ハーモニー

| ウィーン金貨ハーモニー / 買取参考価格 | 933,000円 |
「ウィーン金貨ハーモニー」は、1989年にヨーロッパ唯一の純金の地金型金貨として誕生しました。オーストリア造幣局が発行する、世界的に人気のある法定貨幣です。
表面には、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地である楽友協会「黄金の間」のパイプオルガンが描かれています。そして裏面には、バイオリン、ビオラ、チェロ、ファゴット、ハープ、ウィンナホルンといった管弦楽器が表現されています。
イーグル金貨

| イーグル金貨(1oz)/ 買取参考価格 | 864,750円 |
「イーグル金貨」は、もともとはアメリカ合衆国政府が発行する10ドル金貨でしたが、現在は1986年から毎年発行されている地金型金貨の名称を指します。
デザインは自由の女神とイーグルの組み合わせた、アメリカらしいモチーフです。そして、1オンス、1/2オンス、1/4オンス、1/10オンスの5種類の量目で発行されています。
ブリタニア金貨

| ブリタニア金貨(1oz)/ 買取参考価格 | 933,000円 |
「ブリタニア金貨」は、イギリスの王立造幣局により、1987年から毎年発行されている地金型金貨です。表面にはエリザベス女王の肖像、裏面のブリタニア女神のデザインは、発行された年によっても異なるのが特徴です。
また、ブリタニア金貨は最初の発行から2012年まで、金の純度は91.7%(K22)でしたが、2013年以降は純金(K24)を使用して製造されています。
現在は、5オンス、1オンス、1/2オンス、1/4オンス、1/10オンス、1/20オンス、1/40オンスの7種類の量目で発行されています。
パンダ金貨

| パンダ金貨(1oz)/ 買取参考価格 | 933,000円 |
「パンダ金貨」は、中国造幣公司により、1982年から毎年発行されている純金製の地金型金貨です。表面にはジャイアントパンダ、裏面には北京天壇がデザインされおり、表面のパンダのデザインは毎年変わります。
発行年度によっては、デザインや発行枚数が異なります。初年度の1982年に発行されたパンダ金貨の発行枚数は少なく、この年に発行されたものは高額で取引されることがあります。
一般的には、1オンス、1/2オンス、1/4オンス、1/10オンス、1/20オンスの5種類の両目です。
カンガルー金貨

| カンガルー金貨(1oz)/ 買取参考価格 | 902,460円 |
「カンガルー金貨」は、オーストラリアのパース造幣局により、1986年から毎年発行されている純金製の地金型金貨です。表面のデザインはエリザベス2世の肖像、裏面はカンガルーが描かれているのが特徴です。
地金型金貨である一方、毎年カンガルーのデザインが変わることから、収集型金貨としても人気を集めています。
一般的には、1オンス、1/2オンス、1/4オンス、1/10オンス、1/20オンスの5種類の両目ですが、1kgや0.5gなど特殊なものも追加されています。
クルーガーランド金貨

| クルーガーランド金貨(1oz)/ 買取参考価格 | 905,600円 |
「クルーガーランド金貨」は、南アフリカ共和国造幣局により、1967年から発行されている地金型金貨です。これは、世界的にも有名な金貨の1種と言われます。
表面にはポール・クルーガー元大統領の肖像、裏面にはスプリングボックというウシ科の動物がデザインされているのが特徴です。
品位はK22で、他の地金型金貨と比べても純度が低いです。そのため、純金の金貨よりも硬度が高く扱いやすくなっています。
バッファロー金貨

| バッファロー金貨(1oz)/ 買取参考価格 | 902,460円 |
「バッファロー金貨」は、アメリカ合衆国造幣局により、2006年にアメリカで初めて発行された純金製の地金型金貨です。表面にはアメリカの先住民インディアン、裏にはバッファローがレリーフされているのが特徴です。
そして、1オンス、1/2オンス、1/4オンス、1/10オンスの4種類の量目で発行されています。
ダカット金貨

| 4ダカット金貨 / 買取参考価格 | 335,060円 |
「ダカット金貨」は、1284年にイタリアのヴェネチアで誕生しました。国際貿易の基軸通貨として広く用いられ、後にイタリア以外の西ヨーロッパ諸国でも発行されるようになります。
オーストリア、ビザンツ帝国、クロアチア、デンマーク、スイス、スコットランド、ハンガリー、オランダをはじめ、30以上の国と地域に広がりました。
長い歴史の中で、国ごとに絵柄や品位、価値が異なることから、収集家の間では高い人気を誇ります。単なる通貨としての役割にとどまらず、各国の文化や歴史を映す象徴としても魅力的な金貨です。
ソブリン金貨

| 1957-1968 ソブリン金貨 エリザベス 2世(1/2ポンド) / 買取参考価格 | 101,640円 |
「ソブリン金貨」は、1817年から現在まで発行され続けるイギリスの法定貨幣です。買取価格は数万円程度のものが多いものの、金貨の状態やポンド数、年代によって価値は大きく異なります。
発行年代ごとに特徴が異なるため、一部の年代は希少性が高く、収集家の間で特に人気があります。
| 1489~1604年 | 旧ソブリン金貨(アンティーク金貨) |
| 1817~1973年 | 新ソブリン金貨 |
| 1974年以降 | 地金型ソブリン金貨 |
ナゲット金貨

| ナゲット金貨(1oz) / 買取参考価格 | 902,460円 |
「ナゲット金貨」は、オーストラリア・パース造幣局により、1986年から1989年まで発行されていた地金型金貨です。表面にはエリザベス二世の肖像、裏面には金塊がレリーフされているのが特徴です。
裏面の金塊のデザインは発行年数ごとに変更されていき、1989年にオーストラリアのカンガルーにデザインが変更されたことにより、以降はカンガルー金貨として発行されることとなります。
フラン金貨

| フラン金貨(20フラン) / 買取参考価格 | 157,090円 |
「フラン金貨」は、フランス革命時代にパリ造幣局で発行された金貨です。年代ごとに人物や意匠が異なり、それぞれのデザインに歴史の趣を感じられます。
200年以上にわたり流通してきたことから、発行年の古いものほど単なる金貨としてだけでなく、歴史的価値をも併せ持つ存在となっています。
ペソ金貨

| ペソ金貨(50ペソ) / 買取参考価格 | 1,012,950円 |
「ペソ金貨」は、1921年に初めて発行され、北米で最も古い金貨の一つとされています。2ペソ、2.5ペソ、5ペソ、10ペソ、20ペソ、50ペソの6種類があり、それぞれデザインに特徴があります。
2ペソ金貨には鷲と「DOS PESOS」の文字があしらわれ、2.5ペソから10ペソ金貨にはメキシコ独立の父ミゲル・イダルゴと鷲が描かれています。20ペソ金貨にはアステカの暦石と鷲が配されました。
50ペソ金貨は1921年の独立100周年記念として発行され、表面には独立記念塔の「勝利の女神」、裏面には鷲が配されています。
すべての種類がK21.6の純度で統一されており、この均質な品質もペソ金貨ならではの魅力です。
ナポレオン金貨

| ナポレオン金貨(20フラン) / 買取参考価格 | 157,050円 |
「ナポレオン金貨」は、1852年から1970年にかけてフランスで発行された収集型金貨です。
一般的にはナポレオン3世の肖像が描かれた20フラン金貨を指し、純度は90.0%(K21.6)とほかの金貨に比べやや低めです。それでも希少性が高く、収集家の間ではプレミア価格が付くこともあります。
マン島キャット金貨

| マン島キャット金貨(1oz)/ 買取参考価格 | 933,000円 |
「マン島キャット金貨」は、イギリス王室領マン島自治政府により1988年から2012年まで毎年発行された純金製の収集型金貨です。表面にはエリザベス女王2世の肖像が配され、裏面には毎年変わる猫の意匠があしらわれています。
初年度の1988年はマン島特産の尻尾のない猫「マンクス」が描かれ、最終年度の2012年にも同じマンクスが登場しました。毎年趣向を凝らした猫の絵柄が楽しめることが、この金貨の大きな魅力です。
まとめ
金貨は、地金型、収集型、通貨型と種類ごとに特色があり、価値の捉え方も異なります。投資か収集か、目的に応じて金貨を選ぶことが重要です。
売却を考える際は、金の相場や市場動向を踏まえ、適切なタイミングで判断するとよいでしょう。


