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金よりも希少とされるプラチナの価値について

金よりも希少とされるプラチナの価値について

コロナ禍以降、金、プラチナをはじめとする希少金属の価格高騰が続いています。プラチナの価格も高水準を回復しており、今後プラチナの価格がどうなるか気になるところです。そこで今回は金と比べてプラチナの希少価値や今後の相場、資産としてどうなのかを紐解いていきましょう。

金・プラチナどちらのほうが希少価値がある?

産出量・金

・産出量:現在まで17万トン採掘

・地球上に眠っている残り金の量:7万トン程度

産出量・プラチナ

・産出量:現在まで5千トン採掘

・地球上に眠っている残りプラチナの量:1万6千トン程度

希少価値の高い貴金属

プラチナの約7割は南アフリカで採掘されています。 そのため、南アフリカの不安定な経済情勢や社会情勢がプラチナ価格の値動きに表れてきます。リーマンショック直前に見られたプラチナ価格の急騰は、現地鉱山会社の電力不足による生産停止によるものでした。

また、ストライキも価格を押し上げる直接的な要因になっています。上記の事から希少性では金に勝ります。しかし景気動向に敏感で、世界で古くから通貨の役割を担ってきた金や銀とは異なり、通貨としては性格の弱いのです。

プラチナは、金と比べても生産量は圧倒的に少なく、希少価値の高い貴金属です。

金の使用用途

金は通貨、宝飾品以外にも幅広く使われています。

・宝飾品:指輪、ネックレス、ピアス

・宗教的な建造物:仏壇

・投資:貯蓄、資産運用

・工業用品:携帯、パソコン

・医療用品:金歯

・食品:金箔を用いた製品

・通貨:金貨

金は古くから、その希少性を理由に世界中で資産として扱われ、紙幣の登場までは広く通貨として利用されてきました。また、金は権力の象徴、富の象徴として尊重されてきました。

それは21世紀となった現代でも同じこと。2008年に起きたリーマンショックでは、それまで高い価値を持っていた大企業の株式や債券、さらに不動産までもが一瞬にしてその価値を失ってしまいました。通貨も経済情勢や社会情勢により、その価値が大きく変動する可能性があります。

一方、「有事の金」という言葉があるように、金がその価値をもっとも発揮するのは、戦争や経済危機、自然災害などが起きた「万一」のときです。普遍的な価値を持つ金は、無価値になることがないのです。

プラチナの使用用途

プラチナの大部分が自動車の部品など工業用品に使われています。

工業用品:パソコンなどのハードディスク

自動車の部品:排気装置、触媒マフラー

医療系:歯

宝飾品:指輪やネックレス、ピアス

需要の約4割が自動車用

ジュエリー素材としてよく知られるプラチナですが、実際は宝飾品としての需要が約3割程度で、約6割は工業用としての需要です。最も多いのはディーゼル車の排ガス触媒(排気ガスに含まれる有害物質を無害化するための物質)としての需要です。

そのため、プラチナ相場は自動車の売れ行きや世界の経済情勢に強く影響されます。端的な例が2008年のリーマンショック時のプラチナ価格の急落です。また、2015年に発覚した独大手自動車メーカーの排出ガス不正問題でも、売り注文が増え価格が下落しました。

ディーゼル車が普及するヨーロッパや宝飾品需要の大部分を占める中国の動向も、プラチナの値動きを知る上で注目すべき要素です。

プラチナ価格上昇の要因

NYプラチナ先物価格1トロイオンス1250ドル前後と約6年ぶりの高水準を回復し、金価格の約7割まで持ち直しています。昨年春以降、プラチナ価格上昇を促した要因としては、「経済活動の再開に伴う世界経済の回復」による自動車向け需要等の回復と、「世界的な脱炭素機運の高まり」を背景とした燃料電池用の需要拡大期待が挙げられます。

特に脱炭素の一環として、主要国ではガソリン車やディーゼル車の販売禁止方針が相次いで打ち出されていることから、その代替として大量のプラチナを使用するFCV(燃料電池車)が普及することで、プラチナ需要が大きく拡大することが期待されています。

先行きに目を転じた場合、今後もプラチナ価格への追い風は続き、上昇に向かう可能性が高いとみています。今後も世界でワクチンの普及が進むことで経済活動が正常化に向かい、自動車向け需要の回復が続くとみられるためです。また、プラチナの約7割は南アフリカで採掘されています。

そのため、南アフリカの不安定な経済情勢や社会情勢がプラチナ価格の値動きに表れてきます。リーマンショック直前に見られたプラチナ価格の急騰は、現地鉱山会社の電力不足による生産停止によるものでした。また、ストライキも価格を押し上げる直接的な要因になっています。

プラチナ価格の今後

今後は水素に絡むプラチナ需要の拡大も期待されます。ですが、この実現性については不確実性の高さが否めません。脱炭素機運の後退などの政治的リスクが残るほか、プラチナの供給量が限られていることがFCV普及を妨げる可能性があるためです。FCV普及のためにはプラチナ使用量の効率化が求められますが、劇的に効率化されたり、高性能な代替材料が開発されたりする場合には、プラチナ需要の拡大に寄与しなくなってしまいます。

以上の通り、プラチナ価格には追い風が吹いており、FCVの普及如何で将来的に価格が大きく上昇する可能性もあります。しかし、政治的・技術的要因によって普及が頓挫してしまえば価格が下落するリスクもあり、不確実性が高いです。投資に当たっては、「脱炭素→水素需要増→プラチナ需要増」という単純な連想に過度に引きずられることなく、各国政府や関連業界の動向を慎重に見定める必要がありそうです。

プラチナの投資

特徴を理解し、リスク分散を意識した投資をしましょう。

信用不安やインフレリスクに強く、株式と反対の値動きをする傾向がある金。一方、景気の影響を受けて株式と似た値動きをする傾向があるプラチナ。そして基本的には金と連動して動くが、プラチナのように景気に敏感な側面があり、有事には金と対照的に値を下げやすいのが銀です。
このことから、安定性があり長期保有に適する金に比べ、プラチナや銀はハイリスク・ハイリターンで投機色の強い貴金属と言えます。短期運用ならインゴットを購入しましょう。

短期運用のメリットは、最短即日で価格が動くので利益獲得重視の方に向いている運用方法になります。ただ、プラチナの現物投資は基本的にインゴット買いとなるので、1g当たり約3~4,000円×100gで最低でも300,000円くらい用意が必要です。

資産家はキロバーといわれる1kgのインゴットで取引しているので、儲かったときの差額がかなり大きくなります。100gと1kgでは金額も10倍以上変わってくるため、この重さが大きければ大きいほど短期投資はメリットが大きくなっていきます。

長期運用と比べて短期運用はハイリスク・ハイリターンなので、短期間で結果を出すにはとてもピッタリです。ただ、その値動きを常に確認しておかなければならないので、注意が必要です。なお、短期投資でプラチナを購入しても、貴金属の価値がゼロになることはほぼありません。

もし、下落してしまっても売らずに取っておいて、長期的に保有しておく方法もあります。なので、短期から長期への切り替えを柔軟に行うのが一番の運用方法かもしれません。

まとめ

現在はプラチナよりも金の価格が高い状態です。しかし今後、新型コロナがワクチン普及とともに感染者数が激変し世界経済が活性化した場合、金よりもプラチナ相場が高くなる可能性があります。経済や政府の動向注目してまいりましょう。

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