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金投資とは?メリット・デメリットや投資方法を初心者向けに解説

金投資とは?メリット・デメリットや投資方法を初心者向けに解説

金は「守りの資産」ともいわれています。世界情勢や経済に対する不安などの影響で注目が集まる傾向にあります。また価格の変動も比較的に緩やかで扱いやすい点も魅力です。メリットやデメリットも踏まえた上で、賢く金投資を行っていきましょう。

金投資とは?

そもそも金投資にはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは、投資対象としてみたときの金の特徴や価格変動の特徴について詳しく見ていきましょう。

金の投資対象としての特徴

古くから世界中でその価値を認められ、さまざまな宝飾品など特別なものに使われてきた金は、日本では江戸時代の大判小判にも使われていました。国の貨幣価値が金によって裏付けられていた金本位制という制度は1816年のイギリスに始まり、19〜20世紀初頭にかけて多くの国で採用されていました。世界各国で換金できることや、信頼性があることから金は投資の対象として注目されています。

金投資はその言葉通り「金」に投資することですが、金貨やインゴットなどの現物を購入する方法から純金積立などさまざまな方法で金投資をすることができます。また、安定性が高く安全資産とも言われる金は、資産を守る手堅い手段として投資家からも人気の高い投資対象なのです。

金の価格変動の特徴

金の価格はロンドンやニューヨークにおける金取引が指標となり、世界各国で金の取引価格が決められており、各国で金の価格に大きな差が生まれることはありません。

一般的な取引市場は需要と供給のバランスによって価格が決まりますが、金は希少性の高い有限資源でありその供給量が大きく変わることは少ないため、主に需要の変動によって価格が変動する傾向があります。

ここでは、嗜好品としての金相場と工業用としての金相場に注目して金の価格変動の特徴を見ていきましょう。

嗜好品としての金相場は景気に左右される

金は高価であることから主に嗜好品として扱われますが、嗜好品としての金相場は景気によって左右されることが多いと言われています。

物価の上昇が見られる時は金の価格の上昇も顕著であり、反対に物価が下落している時は金の価格も下落しやすい特徴があります。

工業用としての金相場は技術進歩に左右される

工業用としての金相場は、景気の影響以外に技術の進歩にも左右されることが多いと言われています。

金は熱や電気の伝導性が高く、パソコンやスマートフォンなどの多くの電子機器に使われています。技術の進歩によって金を使う製品の幅が広がったり、新しい金の使い方が発見されると需要が高まり、金の価格が上昇する可能性も十分考えられます。

反対に金の代わりとなるような金属が発見されれば、金の価格が下降する可能性もあるのです。

金投資のメリット

金投資の特徴についてわかったところで、気になるのは金投資をするメリットですよね。ここでは、金投資をするメリットを5つ紹介します。

世界共通価値で換金しやすい

金は世界各国でその価値が認められているため、どこの国でも換金しやすいというメリットがあります。国や企業が発行元となる株式や債券などと違い、金は地球上からの採掘によって得られる有限資源の一つです。希少性の高さから、今後も無価値になる可能性は低いと言えます。

世界中で共通の価値を持つ資源は多くないため、価値が安定しておりどこの国でも換金しやすい金は投資家にも注目されています。

資産価値が0になるリスクがほとんどない

世界各国でその価値が認められている金は、資産価値が0になるリスクがほとんどないというメリットがあります。

株式や債券などのいわゆるペーパー資産は、発行元の国や企業の信用が価値の裏付けとなっています。そのため、発行元の国や企業が破綻した途端に資産価値を失ってしまうリスクがあります。

一方で金の場合、金自体に価値がある実物資産なので、取引の安全性と信頼性の高い投資先と言えます。実物資産ではありますが、経年劣化もしにくく錆びにくいため、長期保有によって価値が失われることがない点もメリットの一つと言えます。

インフレ時に強い

インフレによって物価水準が上昇すると、通貨の価値は下がりますが金はその影響を受けにくいと言われています。

景気が不安定になると株式や債券などのいわゆるペーパー資産の価値が暴落することも少なくありませんが、そのような時でも金の価値は変わらないどころか価値が上がりやすいです。

金の価格変動は比較的緩やかなため、インフレ時のペーパー資産に対するリスクヘッジとして金への投資も合わせて行うのも良いでしょう。

分散投資で投資リスクを減らせる

分散投資は投資のリスクを減らす上で大切な投資方法です。投資と言っても株式、国債などの債券、金、暗号資産、不動産など実にさまざまな種類がありますが、一つに絞って集中投資をしてしまうとその商品価値が下落した際に大きな損失になる可能性が高いです。

しかし、投資先を分散させることでその損失をほかで補うことができます。金の場合、一般的に株価と逆の価格変動が起こると言われており、株価が下がると金の価格が上がる傾向が見られます。

こういった特徴を踏まえてバランス良く投資を行うことで、投資リスクを減らすことができます。

税制優遇を受けれる

最後の金投資のメリットは、税制優遇が受けることができる点です。

金は不動産と同じ実物資産ですが、金の場合は保有していても固定資産税がかかりません。また、金を売却したときに生まれた利益は、年間50万円まで控除を受けることができます。ただし50万円を超えた分の利益については「譲渡所得」にあたり、ほかの所得と合わせて「総合課税」の対象となる点には注意が必要です。

金投資のデメリット

メリットが豊富な金投資ですが、その反面デメリットも存在します。ここでは、金投資を始める前に理解しておきたい金投資のデメリットを5つ紹介します。

インカムゲインを得られない

金投資のデメリットとして一番最初に挙げられるのは、金そのものは利益を生み出すことはなく、インカムゲインを得られないという点です。インカムゲインとは、資産を保有していることで得られる利益を示します。

一般的に銀行に預金をすると、預金している間は利息が発生します。また、株式や債券の場合は配当金や利息が期待され、株式によっては株主優待サービスを受けることができる場合もあります。これらは、預けた資金や投資資金の運用によって発生しています。

金投資の場合、後述する金鉱株以外の投資方法は金の時価で現金と交換しているだけで、取引先がその資金を運用するわけではないため、金を保有しても利息や配当といったインカムゲインは発生しないのです。

盗難・紛失などの保管リスクがある

近年、強盗など凶悪な犯罪も発生しているため、金そのものを自宅で保管するのに不安を覚える方も多いかもしれません。

また、保管場所がわからなくなったり紛失する可能性も十分考えられます。不安な方は金庫を用意したり、警備システムを利用する方法もありますが、銀行の貸金庫などを利用するのも良いでしょう。しかし、手数料がかかる点はあらかじめ留意しておきましょう。

手数料が高い

金投資は売買の際に手数料などの費用が発生することが多いです。主な費用は以下の通りです。

投資方法 主にかかる費用
金貨や金地金の現物購入 500g以下の金を購入する場合の手数料(バーチャージ)
金の投資信託 購入手数料、信託報酬、信託財産留保額
金ETF 売買手数料、信託報酬
純金積立 購入手数料(販売元によって金額は異なる)
金先物・CFD投資  取引手数料
金鉱株 売買手数料

金貨や金地金の現物購入の場合、貸金庫などを利用する場合は利用料が追加でかかります。

信託報酬とは、運用管理費のことです。投資信託の場合は運用や管理を銀行や証券会社などに任せる形になるため、その際にかかる費用になります。

信託財産留保額とは、投資信託を途中で換金する際にかかる費用です。投資信託は運用する上でさまざまな費用がかかりますが、短期売買を頻繁に行われてしまうと長期保有している人にだけ負担がかかってしまうため、換金する人にもそういった費用を負担してもらう制度です。

どの投資方法を選んでも何らかの手数料が発生することを覚えておきましょう。

安定資産でも下落リスクは十分ある

安全資産で安定性の高い資産の一つを言われる金ですが、そうは言っても価格が下落するリスクがゼロではありません。

金の価格は長期的に見るとほぼ横ばい、2020年から2024年現在までは上昇傾向にあります。しかし、短期的に見ると数ヶ月で1,000円近くの下落が見られる場合もあります。たとえ金であっても、下落のリスクがあることに留意しておきましょう。

技術の進歩が金価格に影響を与える可能性がある

技術の進歩が金投資にとってはデメリットになる可能性も捨てきれません。技術の進歩と聞くと、生活が便利になったり社会にとって良いことが起きるように感じるかもしれませんが、すべてが金の価格にとってプラスになるでしょうか。

たとえば、金の代わりになるような金属が発見された場合や、金そのものを安価で大量に作れるようになるといった技術が生まれた場合、金の需要や価値が下落し価格も暴落するでしょう。

将来的にこのような技術が生まれる可能性がないとは言えないため、金投資を始めたらこういった技術革新のニュースなどにも目を向けてみると良いでしょう。

金投資のやり方

初めて金投資をしようと考えている方にぜひチェックしてほしいのが、金投資のやり方です。金投資のやり方は主に6種類の方法があります。自分にはどのやり方がぴったりなのか探してみましょう。

金貨や金地金の現物購入

金貨や金地金の現物購入とは、その言葉通り金貨や金地金(インゴット)の現物を購入し手元で保有するという金投資の方法です。購入できる場所は宝飾店や貴金属店、地金商などになります。

金貨の場合、発行元や国などによってさまざまなデザインがあり、金地金よりも割高なものが多くあります。

金地金の場合、500g未満の取引だとバーチャージと呼ばれる手数料がかかる点に注意が必要です。金額は業者によって異なるため、取引前に確認しておきましょう。

現物購入のメリットはわかりやすい取引方法と換金のしやすさです。金の現物そのものを売買するので、投資に詳しくない方にも取引方法がわかりやすいです。また、自分が売却したいタイミングで現金化することができるため、いざという時に頼りになる資産です。

しかし、盗難や紛失の可能性もあります。自宅で保管するのが不安という方は銀行の貸金庫などを利用すると良いですが、出し入れできる時間や曜日が決まっていたり、手数料がかかる点には注意が必要です。

金の投資信託

「投資信託(ファンド)」という言葉は、最近CMなどでもよく耳にしますよね。投資信託とは、銀行や証券会社などが投資家から資金を預かり、専門家であるファンドマネージャーがさまざまな資産に分散投資を行う金融商品です。株式や国債などの債券に投資するタイプが一般的ですが、金をメインとした投資信託もあります。

投資信託は、投資家が希望する投資信託を選んで投資したあとは、運用を任せることができるため、投資に詳しくない方でも始めやすい金投資の一つと言えるでしょう。

また、少額から始められる点も魅力です。さらに、クレジットカード投資を選ぶとカード会社によってはポイントが付与されるため、投資をしながらポイントを貯めることもできます。

金の投資信託は金の現物そのものを保有しないため、警備や金庫を準備する必要がなく、近年大きな事件にもなっている盗難の心配がありません。万が一、口座を開設した銀行や証券会社が破綻したとしても資産は守られる点も安心です。

しかし、運用を任せる以上手数料は発生するため、その点は留意しておきましょう。

金ETF

ETFとは「Exchange Traded Fund」の頭文字を取ったもので、上場投資信託のことです。ETFは投資信託の一種ですが、証券取引所に上場しており、個別の株式と同じように証券会社を通じて取引所で売買することができます。

また、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)、S&P500等といった特定の指数に連動するように運用されている指数連動型の投資信託で、市場価格でリアルタイムに取引できます。

金ETFは金の市場価格に連動するように設計されており、株式のように市場価格で売買することができるため、投資経験が豊富な方におすすめの投資方法です。金の現物を保有しなくて良いため盗難などの不安がない点や、資産が保護されるといった仕組みは投資信託と同様です。

純金積立

純金積立とは、純金を定期的に購入して積み立てていく投資方法です。少額から始めることができるため、手元にまとまった資金がなくても始めることができます。

また、購入した金は一般的には管理会社が保管してくれるため、金庫を買うなど保管方法を気にする必要もありません。保管されている金は自分の都合で引き出しや換金をすることができます。

積み立て方法は「定額積立」と「定量積立」の2種類があり、前者は毎月の積立金額を一定にし、後者は毎月購入する金の量を一定にします。毎月の投資金額を一定にしたいという方には「定額積立」がおすすめです。

一般的に金の購入時に手数料が発生するため、利用する証券会社や銀行などにあらかじめ確認しておくと良いでしょう。

金先物・CFD投資

金先物取引やCFD投資は、簡単に説明すると将来の特定の日にあらかじめ決めた価格で金を売買するという契約を交わす取引です。金先物取引とCFD投資の違いは決済期限の有無です。金先物取引の場合は決済期限がありますが、CFD投資の場合は決済期限がありません。

金先物取引やCFD投資は購入と売却のタイミングで発生した差額が損益となりますが、レバレッジを効かせることで少額の運用資金でも短期間で大きな利益を得ることができる点が魅力です。

その反面、リスクも高く予想が外れた場合大きな損失となる可能性もあります。投資経験が少ない方は、まずは少額で取引できるタイプから始めてみるのも良いでしょう。

金鉱株

金鉱株は金そのものへの投資ではありませんが、代替となる投資方法です。金鉱株は金の採掘や精錬をしている企業の株式のことで、一般的な株式と同様に証券口座にて購入することができます。

ほかの金投資の方法の代替となるとお伝えしたのは、金鉱株と金の価格変動は関連性が高いからです。金の採掘や精錬をメインに事業を行う企業なので、当然ながら金の価格の影響を受けます。しかし、金の価格以外の方面からの影響も受ける可能性も十分あります。

また、ETF(上場投資信託)の中には金鉱株に投資するところもあるため、分散投資についても考えながら検討しましょう。

金への投資割合の目安

ここまで金投資のメリットやデメリット、投資のやり方などについて紹介してきましたが、メリットだけを鵜呑みにして始めると、意外なところで損失が出てしまう可能性もあります。デメリットについての理解を深め、なるべく回避できるよう投資の知識を得ることも大切です。

また、金投資を始めるならほかの投資も組み合わせて始めるのもおすすめです。金は安全資産とも言われ、比較的景気の影響を受けにくい安定性の高い投資方法です。そのため、景気の影響を受けやすい株式投資やハイリスク・ハイリターンな投資などと組み合わせることで、片方で生まれた損失を補うことができます。

さまざまな投資方法を組み合わせる場合、投資割合には注意しましょう。一般的に金投資の割合は、保有資産全体の10〜15%程度にするのが理想的であると言われています。

なぜこの数値かというと、世界各国の政府の金準備比率が平均12〜13%と言われていることを元にしています。金準備比率とは、簡単に言うと政府が発行した紙幣に対して政府が保有する金や金為替の総量の割合です。国を自分と置き換えるとわかりやすいでしょう。

前述の通り、金投資は安全資産と言われる安定性が高い資産の一つではありますが、その反面大きな利益はあまり期待できません。

また、金投資は安定性が高い一方で、大きな利益は見込めないという特徴があります。投資で大きな利益を得ることを優先するのであれば、金投資の割合は少なくすると良いでしょう。反対に、現在ある資産を守りながらローリスクで投資をするなら金投資の割合を多くするのがおすすめです。

自分の資産状況や投資方針に合わせて金への投資割合を調整すると良いでしょう。

まとめ

金投資は、安定性が高く世界共通の価値を持つ安全資産として注目されています。嗜好品や工業用途での需要に影響され、価格が変動する特性があります。主なメリットは、資産価値がゼロになりにくく、インフレ対策や分散投資に適している点です。一方で、インカムゲインが得られない、手数料がかかるなどのデメリットも存在します。金投資は保有資産の10〜15%程度を目安に行うのが理想的です。

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