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金投資とは!?
「金」といえば、金貨、金の延べ棒、ネックレス、指輪などの装飾品が思い浮かびます。このような現物を資産として持つこともできますし、「金」を投資対象とすることもできます。金も株や債券、通貨と同様に価格が変動します。しかし、金の特徴はなんといっても世界共通の資産としての価値があるという点でしょう。株式や債券は、発行体が倒産または財政難に陥った場合には、価値が大幅に下落する可能性があります。一方、金は現物があるがゆえの安心感があります。そのため戦争や紛争、急激な景気後退など、世界が混乱すると金の人気が高まり、金の価格が上昇する傾向にあります。これが「有事の金」といわれるゆえんです。
金への投資は、その値上がり益を狙うというよりも、万が一のときに、資産が目減りするリスクを抑える役目が大きいといえるでしょう。利息や配当を受け取る商品ではなく、現物で保有すると紛失・盗難のリスクがあるということがデメリットかもしれません。
金投資の種類
現物資産の代表格でもある「金」は、国際情勢の変化や災害時に金価格が上昇する傾向にある。そのため、有事に備えてポートフォリオの一部に組み込んでいる投資家も少なくない。しかしながら、金投資と一口にいってもその種類は様々だ。
●ゴールドバー・金貨
金投資の最もシンプルなスタイルは、ゴールドバーや金貨といった現物の購入である。人気のある100グラムのゴールドバーは、現在の金価格だと約66万円前後で買うことができる (2020年6月時点) 。また、金貨の場合はカナダ中央政府が保証する法定通貨である「メイプルリーフ金貨」などが1/10オンスから1オンス (1オンス=31.1035g) の重さで購入可能だ。
現物購入による投資方法は、実際に金を手にすることで高揚感が味わえる一方、盗難対策も含めた保管方法を確保しなければならず、そのための初期コストや保管料などの費用についても考える必要がある。
●純金積立
少額から気軽にスタートできる方法としては、純金積立もある。地金商や銀行、証券会社などが取り扱っており、月々1,000円から始められる手軽さが魅力だ。また、積立金はドルコスト平均法で定額購入されるため、価格変動リスクを抑えられるメリットがある。積立期間中は、購入した金を保管してもらうため、手元で管理する必要はない。保管方法には特定保管と消費寄託があり、特定保管のメリットは、銀行や証券会社は顧客が積み立てた純金と自社の資産を区別して保管するため、万が一積立先の銀行や証券会社が倒産しても積み立てた純金は100%返還されるという点だ。デメリットは、運用会社に保管確認や警備保険などのコストがかかる分、手数料が高くなりやすい点だろう。
一方の消費寄託のメリットは特定保管より銀行や証券会社に払う手数料が安いという点だ。デメリットとしては、積立会社に金を預け、投資家が返還を求めることはできるが、積立会社が倒産した場合に、積み立てた金が返還されないリスクがあることが挙げられる。
●金ETF
純金積立と同様に少額から始められるとして注目を集めているのが、「金ETF」だ。すでに数種類の金ETFが上場しているが、一口に金ETFといってもそれぞれの投資信託で特徴は異なる。投資家から集めた資金で、金地金あるいは金先物に投資されるかによって現物資産としての金がその投資に対して裏付けされているかどうかという違いがある。
※金ETFの注意点
金地金に投資されるETFは、投資された資金に応じた金が保管されている。また、金ETFの中には実際にこの保管されている実物の金と交換することができるものも登場している。
一方、金先物に投資されるETFは、将来の金の売買を取引するもので、実物資産としての金は裏付けされていない。まずは投資家自らが、原物資産としての金の裏付けを希望するのかどうかを決定し、その上で投資したい金ETFが金地金あるいは金先物どちらを対象としているのかをチェックする必要がある。
金ETFは1口から10口で購入でき、5,000円ほどの少額から投資がスタートできる。ETFは上場された投資信託のため、株式同様にスピーディーに売買が可能である反面、純金積立のようにドルコスト平均法による購入と比較すると、取引のタイミングは投資家が見極めて、売買することが求められる。
また、金を保管するためのコストは不要だが、0.4~0.5%前後の信託報酬がかかってくることにも注意が必要だ。
今後の金価格はどうなるのか?
金投資に興味がある方にとって「今後、金価格はどうなるのか?」が気になるポイント。もちろん「絶対にこうなる」と言い切ることはできませんが、下記のふたつのポイントをおさえておきましょう。
2000年代半ばから金の買取相場は上がり調子ですが、人々の金への注目が大きく集まったのは、ここ最近だと2020年・2021年でしょう。
金は「安全資産」とされ、世界情勢が不安定になった時や、不況で株価が下落した局面で買われるのが一般的です。
新型コロナウイルスという未曽有の事態の影響により、資産としての安全性が評価されていると考えられますので、セオリー通りの値動きです。
新型コロナウイルスについて、世界中のほとんどの人がこう思っているでしょう。
「まさかこんなことになるとは」「将来は何が起こるか分からない」
これは当たり前のことではありますが、新型コロナショックを経験したことで、「もしもの時の備え」に対する人々の認識が大きく変わったのだと思います。
こうした、先行きに対する不安な心理を受けて、「有事の備えとしての金」が評価されているのです。
●一時下落の可能性も
2022年、気になる今後の金相場の見通しですが、コロナが落ち着き経済が回復すると、一時的に金価格が下がる可能性があります。今回に限らず経済的に大きな不安がある出来事が起こると金価格は上昇しますが、ひと段落すると金価格は落ち着きます。そのため、短期的にみると価格が下落することは十分にあり得る話と言えるでしょう。短期的な投資先として金を選ぶ場合は、慎重になる必要があります。
有事のときに威力を発揮する「金」!
「金投資」のメリット・デメリットとは?
2000年以降の日経平均株価と金価格の推移だが、大きな上昇と下落を繰り返している株価に対して、円建ての金価格はきれいな右肩上がりとなっている。金を保有するメリットの一つ、「リスクへの備え」は金価格の安定性からもよくわかる。
2000年以降の日経平均株価と金価格の推移だが、大きな上昇と下落を繰り返している株価に対して、円建ての金価格はきれいな右肩上がりとなっている。金を保有するメリットの一つ、「リスクへの備え」は金価格の安定性からもよくわかる。
「金価格が安定している要因の一つに、インドや中国の経済成長による需要拡大があります。さらに、欧州での選挙結果によって経済危機の懸念が起これば、ユーロから金に資金が動く可能性があります。また、近年は地上ではなく海底にある金を掘削しており、その採算コストは1オンス当たり約1000ドルとなっています。つまり、金価格がこれを下回ると採算割れとなることから生産がストップ。供給が減ることから、この価格を大きく下回る可能性は低いのです」
他にも発行体となる国がない、いわば「無国籍通貨」なので特定の国の政治リスクなどに左右されることもない。豊島さんはこうも続ける。
「投資の相場観を養うのにも金は有効。ただし、値動きは大きいので“かけ湯方式”で徐々に慣らす、少額投資が鉄則です」
有事の際に威力を発揮する金を今から少しずつ買っていくことは、投資において大きな損を出さないためにもとても重要になるわけだ。
ただ、金にもデメリットがある。それが発行体が存在せず信用リスクもない代わりに、金自体に利息がないという点だ。また手元で保管をする際は、紛失・盗難などの恐れも。こうしたデメリットも加味して商品を選ぶことが重要なのだ。
※金保有のメリットとデメリット
<メリット>
●世界で価値が共通
●鉱物なので存在量に限りがあり無価値にならない
●多様なリスクに備えられる
●生産コストが下値を支える
●通貨と違い国のリスクがない
●株の下落時に下がりにくい
●現物での保有もできる
<デメリット>
●金の取引は米ドルで行われるため円建て価格は為替の影響を受ける
●預貯金や株式と違い、利息や配当を生まない
●現物は紛失や盗難の危険がある
金相場で気になるのは「売り時」!見極めるためのコツを紹介
今手元に「売却したい金がある」という方にとって、最も気になるのが「金の売り時」についてです。相場は毎日上下するもの。「今日よりも明日はもっと高くなるかも……」と思いますと、一歩踏み込めない!なんて方も多いのではないでしょうか。とはいえ、金の価格はまだまだ高い時期ですから、タイミングをうかがっている間にチャンスを逃してしまうことも十分に考えられます。
金の売り時とは、具体的にどのようなときのことを言い、それをどう見極めれば良いのでしょうか。売却を検討する際に、知っておきたい情報をまとめます。
※金は「高いときに売る」のが鉄則
金の売買でもうけを出したいと思ったら、「できるだけ安い時期に購入して、高い時期に売る」というのが鉄則となります。2000年代に入り、金相場は急激に上昇しましたから、その前から保有していた方にとっては「安い時期に購入する」という条件は難なくクリアできていることでしょう。あとは「いつ売却するのか」によって、どれだけのもうけを出せるのかが決定します。金の相場は毎日動いていますが、多くの人に金が求める状況になったとき、相場はぐっと上がっていきます。安定した資産として、投資家たちにも人気の金ですが、所有しているからといって、無条件に何かを生み出してくれるわけではありません。このため、経済が安定し成長に向かっている時期には、投資家たちは「金」ではなく、「その他の投資対象」へと目を向けがちです。反対に経済が失速し、様々なリスクが高まっているときには、金の保有率をアップしたいと考える方が世界的に増加します。このときこそが、金の売り時だと言えるでしょう。ぜひ「金相場の数字」だけではなく、「金相場を動かしている世界情勢」についても、意識してみてください。
■2000年代以降で、最も小売価格が高くなったのは?
金の売買がより注目されるようになった2000年代以降、金の小売価格が最も高値を付けたのは、2020年のこと。1グラムあたりの金の価格が、7,769円まで上昇しました。その後は、7,000円代で推移している金の価格。2020年の10月金の相場は下降傾向ですので、税抜き価格が7,500円を超えた瞬間に売却出来れば「最も良い売り時をつかんだ」ということになります。金の売り時について、最低限知っておきたい知識を紹介してきましたが、これらのポイントを知ったからといって、「明日の金の買取価格がいくらになるのか」を、完璧に予測できるわけではありません。「もう少し上がるのでは?」と予測していても、実際にはそこが頂上だった、なんてケースも少なくないのです。「今が金売却のタイミングだ」と自分自身で判断できなければ、そのままずるずると売り時を逃してしまう可能性もあります。
2020年現在の相場を過去の相場と比較してみますと、税抜き小売価格が7,000円代前半であれば、まずまずの売り時だと言えるでしょう。
あとは「どこで踏ん切りをつけるのか」という点が重要なポイントとなります。「○○円になったら売却する」なんて、自分なりの目安を作っておきますと、売り時を逃すリスクも少なくなるでしょう。
金保有のメリットを生かして、長期保有もオススメ
金を購入するメリットは、あらゆるリスクに対して備えられるという点です。こうしたメリットを最大限享受したいと思ったときには、長期保有を検討してみるのもオススメです。
近年では、投資にまわす資産の10%ほどを、リスクヘッジのために「金」に回す方も多くなってきています。「売り時」を見極めるとともに、どのくらい金を保有し続けるのかについても、考えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
金投資の代表的な種類と、特徴、それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく解説します。永遠に価値を持ち続ける金は、将来的に無価値にならないことが最大の長所です。コロナ禍で金投資が注目されていますが、失敗しない金取引のためには、ご自身にあった投資方法を選び長期間コツコツと資産を増やしてみてはいかがでしょうか。