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プラチナの比重とは? 金との違いや純度別の比重・測定方法まで解説

プラチナの比重とは? 金との違いや純度別の比重・測定方法まで解説
上田 勝太(うえだ しょうた)
記事の監修者
AACD協会基準判定士(ブランド品、時計の真贋及び輸入検品など)
上田 勝太(うえだ しょうた)

2024年4月にAACD協会基準判定士の資格を取得し、ブランド品や時計の真贋判定、輸入検品に精通。
豊富な経験と確かな鑑定眼で信頼性の高い情報を発信しています。

プラチナのずっしりとした感触は「比重」の大きさに由来します。本記事では、比重の基本知識から、自分で測定する方法までを詳しく解説します。

プラチナの比重

プラチナの特性を理解する上で、比重は重要な指標です。プラチナは他の金属と比較して比重が大きく、重厚感は宝飾品の価値を高める要因となっています。

比重とは

比重とは、基準となる物質に対し、ある物質の密度が何倍にあたるかを示す数値です。

固体や液体の場合、基準物質には水が用いられます。水の密度を基準(比重1)とし、対象の物質が、同じ体積の水と比べて何倍の重さをもつかを表すのが比重です。

たとえば、比重が約21.45のプラチナは、水と同じ体積で比較すると約21.45倍の重さがあることを示しています。比重は物質ごとに固有の値をもつため、物質の種類を特定する手がかりのひとつとして利用されます。

密度との違い

比重とよく似た言葉に密度がありますが、両者は異なる概念です。密度が「一定の体積あたりの重さ」を示すのに対し、比重は「水を基準とした相対的な重さ」を示す指標です。

密度は、物質の単位体積あたりの質量を表し「g/cm³」や「kg/m³」などの単位で示されます。一方、比重は物質の密度と水の密度を比較した比率であるため、単位は存在しません。

ただし、水の密度はほぼ1g/cm³であるため、固体や液体の比重の数値は、g/cm³を単位とする密度の数値とほぼ同じになります。

純度別のプラチナの比重

プラチナ製品の比重は、含まれるプラチナの純度によって異なります。宝飾品として使用されるプラチナは、強度を高めるためにコバルトやパラジウムなど、他の金属(割金)を混ぜた合金として広く流通しています。

プラチナの比重を純度別に以下の表にまとめました。

プラチナの純度 比重
Pt999(純プラチナ) 約21.45
Pt950 約19.84~20.85
Pt900 約18.61~20.08
Pt850 約17.53~19.90

※割金の種類によって変動あり

割金に使われる金属の多くはプラチナより比重が小さいため、一般的にはプラチナの純度が下がるほど製品全体の比重も小さくなる傾向があります。ただし、割金の種類によって比重は変わるため、必ずしも純度だけで判断はできません。

【比較】プラチナと他の金属の比重

プラチナは宝飾品に用いられる貴金属のなかで、とくに比重の大きい素材です。他の金属との違いを以下の表にまとめました。

金属の種類・純度 比重
Pt999(純プラチナ) 約21.45
Au999(純金) 約19.32
Ag999(純銀) 約10.49
パラジウム 約12.02
イリジウム 約22.56
ロジウム 約12.45

Pt999の比重は約21.45ですが、Au999は約19.32、Ag999は約10.49であり、プラチナがいかに重い金属であるかがわかります。プラチナ特有のずっしりとした重厚感は、比重の大きさに由来するものです。

プラチナの比重を自分で測定する方法

プラチナ製品の比重は、専門的な機器がなくても家庭にある道具で測定できます。ここでは、アルキメデスの原理を利用した測定方法を手順に沿って解説します。

測定するための道具をそろえる

プラチナの比重を自分で測定するため、以下の道具を準備しましょう。

道具 用途
キッチンスケール プラチナ製品の重さを測定する
水道水 相対的な重さの基準になる
透明な容器 プラチナ製品を入れる
プラチナを吊るして水のなかに沈める

ピアスや指輪などの軽量なジュエリーを測定する場合は、0.1gや0.01g単位で測定できるキッチンスケールを使用すると正確な数値がわかります。

糸は製品を水中に吊るすため、ナイロン糸や釣り糸のような水を吸いにくい丈夫なものがおすすめです。木綿糸は水を吸いやすいため、正確に測りたい場合は避けたほうがよいでしょう。

プラチナ製品の重さを測定する

まず、対象となるプラチナ製品の重さを空気中で正確に量ります。キッチンスケールを水平な場所に設置し、表示がゼロになっていることを確認してから、プラチナ製品を静かに載せましょう。

キッチンスケールに表示された数値は、小数点以下まで正確にメモしてください。この値が比重を計算する際の基礎となるためです。

なお、測定前に製品の汚れを落としておくと、正確な数値を求めやすくなります。

容器に水を入れる

次に、プラチナ製品の体積を測定するための準備をします。用意した容器に、測定するプラチナ製品が完全に水に浸かる十分な量の水を注ぎます。

水に中性洗剤を数滴加えると、製品の表面に気泡が付きにくくなり、正確な測定につながります。水が入った状態の容器をキッチンスケールの上に置き、表示がゼロになるようにリセット(風袋引き)してください。

プラチナ製品を水に入れる

糸を結んだプラチナ製品を、水を入れた容器のなかにゆっくりと沈めていきます。この際、製品が容器の底や側面に触れないように注意しましょう。

製品全体が完全に水中に浸かった状態で、キッチンスケールに表示される数値を読み取ります。この数値は、プラチナ製品が押しのけた水の重さ(g)であり、製品の体積(cm³)とほぼ同じ値になります。

数値が安定したら、その値を正確に記録しましょう。

比重を計算する

最後に、記録した2つの数値を用いて比重を算出します。比重は「プラチナ製品の空気中での重さ(g) ÷ プラチナ製品を水中に沈めた際のキッチンスケールの増加分(g)」という計算式で求めます。

たとえば、空気中での重さが21.00gで、水中に沈めたときのキッチンスケールの表示が1.00gだった場合、比重は「21.00 ÷ 1.00 = 21.0」です。この計算により、プラチナ製品のおおよその比重がわかります。

プラチナの比重を測定する際の注意点

家庭での比重測定は、おおよその値を知るには有効ですが、その数値だけで真贋や品質を判断することはできません。誤った解釈を避けるため、以下の点に注意してください。

比重だけでプラチナの真贋判定はできない

比重の測定はプラチナの真贋を判断する上でのひとつの手がかりですが、決定的な判断基準にはなりません。プラチナと近い比重をもつ金属や合金が存在するためです。

たとえば「タングステン」という金属の比重は約19.3で、プラチナ合金の比重と近い値を示します。悪質な偽物のなかには、タングステンにプラチナメッキを施したものもあり、比重の測定だけでは見分けるのが困難です。

自分で測定した比重の数値はあくまで目安と捉え、他の方法と組み合わせて総合的に判断しましょう。

宝石がついたプラチナは正確に測定が難しい

指輪やネックレスにダイヤモンドのような宝石がセッティングされている場合、プラチナ部分の比重を正確に測定するのは困難です。プラチナと宝石の重さ・体積を合算した「製品全体の比重」が測定されてしまうためです。

たとえば、ダイヤモンドの比重は約3.52で、プラチナよりもかなり軽いため、宝石付きのジュエリーを測定すると、プラチナ本来の比重よりも低い数値が出ます。

プラチナ部分だけの比重を知るには、宝石を取り外して測定する方法のほか、宝石の重さや体積を補正する方法、専門的な検査を組み合わせる方法があります。家庭での測定は、製品全体の比重を知る目安に留めるとよいでしょう。

比重以外でプラチナの真贋判定は可能?

プラチナの真贋を確かめる方法は、比重の測定以外にもいくつかあります。専門的な知識がなくても、家庭で簡単に試せる方法を知っておくと、購入時やお手持ちの製品を確認する際に役立つでしょう。

磁石への反応を確認する

プラチナの真贋を確かめる簡単な方法のひとつに、磁石を近づけてみることが挙げられます。プラチナは、家庭用の磁石に強く引き寄せられにくい金属のためです。

もし、手持ちの製品が磁石に強く反応する場合、鉄やニッケルなど、磁性をもつ別の金属で作られた偽物である可能性が考えられます。ただし、プラチナ合金の種類や留め具などの部品によっては磁石に反応する場合もあるため、磁石だけで真贋の断定はできません。

あくまで、本物のプラチナである可能性を示すひとつの目安にするのがおすすめです。

色合いを確認する

プラチナ特有の落ち着いた銀白色の色合いも、真贋を見極める上での重要なポイントです。プラチナは、シルバー(銀)やホワイトゴールドと比較して、深みのある自然な白色をしています。

シルバー製品は時間と共に黒ずむ場合がありますが、化学的に安定しているプラチナは変色しにくく、長期間にわたって輝きを保つのが特徴です。

また、ホワイトゴールドは金に他の金属を混ぜて白く見せ、ロジウムでメッキ加工を施している場合があります。メッキが剥がれると下地の色が見える場合もありますが、プラチナは素材そのものが白いため、内部まで同じ色です。

刻印の有無を確認する

製品の刻印を確認することは、真贋を見極めるための基本的な方法です。

日本国内で製造されたプラチナジュエリーには「Pt950」や「Pt900」といったように、プラチナの純度を示す刻印が打たれているのが一般的です。刻印は、製品にプラチナが何%含まれているかを千分率で表しています。

刻印が見当たらない、あるいは不鮮明な場合は注意が必要ですが、必ずしも偽物とは限りません。過去に指輪のサイズ直しをして刻印が消えたものや、長年の使用で摩耗したものには、刻印がないケースもあります。

判断に迷う場合は、専門の鑑定機関や買取店への相談をおすすめします。

プラチナの比重に関するよくあるQ&A

ここでは、プラチナの比重に関してよく寄せられる質問と回答をまとめました。基本的な知識を整理すると、プラチナへの理解がいっそう深まります。

プラチナは金より重い金属ですか?

プラチナは金よりも比重が大きく重い金属です。Pt999の比重が約21.45であるのに対し、Au999の比重は約19.32です。

比重の差は、原子そのものの重さや、原子の並び方の違いに由来します。そのため、同じデザインで同じ体積の指輪を作った場合、プラチナ製の方が金製よりもずっしりとした重さを感じられます。

プラチナの重さは、プラチナならではの高級感や満足感につながる魅力のひとつといえます。

純度によって比重は違いますか?

プラチナは純度によって比重が異なります。宝飾品として加工されるプラチナは、強度や耐久性を高めるために、パラジウムやルテニウムといった他の金属(割金)を混ぜ合わせた合金が一般的です。

割金として使われる金属はプラチナよりも比重が小さいため、割金の割合が高いほど、製品全体の比重は小さくなります。

たとえば、Pt999の比重は約21.45ですが、Pt900では約18.61~20.08です。比重はプラチナの純度を知るための重要な手がかりになります。

まとめ

Pt999の比重は約21.45であり、金(約19.32)よりも比重が大きい金属です。ずっしりとした重みが、プラチナ製品がもつ独特の高級感と満足感を生み出しています。

上田 勝太(うえだ しょうた)
記事の監修者
AACD協会基準判定士(ブランド品、時計の真贋及び輸入検品など)
上田 勝太(うえだ しょうた)

2024年4月にAACD協会基準判定士の資格を取得し、ブランド品や時計の真贋判定、輸入検品に精通。
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