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プラチナを売ると税金はかかる? 条件や計算方法・確定申告まで解説

プラチナを売ると税金はかかる? 条件や計算方法・確定申告まで解説
上田 勝太(うえだ しょうた)
記事の監修者
AACD協会基準判定士(ブランド品、時計の真贋及び輸入検品など)
上田 勝太(うえだ しょうた)

2024年4月にAACD協会基準判定士の資格を取得し、ブランド品や時計の真贋判定、輸入検品に精通。
豊富な経験と確かな鑑定眼で信頼性の高い情報を発信しています。

プラチナを売却して利益が出た場合、税金がかかるのか気になる方もいるでしょう。本記事では、プラチナ売却時にかかる税金の条件や種類について解説します。

プラチナを売却すると税金はかかる?

プラチナの売却益には、原則として税金がかかります。個人が所有するプラチナの売却益は「所得」と見なされ、所得税の課税対象となるためです。

ただし、条件によっては税金がかからないケースもあります。

プラチナ売却で税金がかかる条件

プラチナを売却した際に税金がかかるかどうかは、主に売却する品物の価格や用途によって判断されます。日常生活で使用していたものであっても、一定の金額を超えると課税対象となる場合があります。

30万円を超えると課税対象になるケースがある

プラチナ売却で1個または1組の価額における売却価格(譲渡価額)が30万円を超えると、課税対象になる可能性があります。日常生活用動産の非課税枠から除外され「資産の譲渡」として扱われるためです。

これは、個人の資産を売却して得た利益であっても、高額な取引については課税するという税法の考え方に基づきます。

たとえば、プラチナ製アクセサリーの売却価格が40万円だった場合、得られた利益に対して税金がかかる可能性があります。

30万円というラインが、課税の有無を分けるひとつの目安となると認識しておきましょう。

日常生活で使っていたものは非課税になる場合がある

日常生活で使用していたプラチナ製品の売却は、原則として非課税です。法律上、家具や衣服、通勤用の自動車など「生活用動産」の売却益には課税されないと定められています。

普段から身につけていたプラチナの指輪やネックレスも、一般的に生活用動産と見なされます。ただし、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属や宝石は、生活用動産から除外され、課税対象となるため注意が必要です。

プラチナ売却時の所得区分

プラチナの売却益は、個人の状況に応じて「所得区分」として計算されます。所得区分は、主に「譲渡所得」「雑所得」「事業所得」の3つに分けられます。

譲渡所得

個人が所有するプラチナを売却して得た利益は、多くの場合「譲渡所得」として扱われます。譲渡所得とは、土地や建物、株式、ゴルフ会員権といった資産を売却した際に生じる所得のことです。

営利目的ではなく、事業としておこなっていない個人の資産売却は、譲渡所得に該当します。たとえば、使わなくなったプラチナのインゴットや、趣味で収集していた宝飾品を売却した場合の利益は、譲渡所得に分類されます。

なお、譲渡所得には年間最大50万円の特別控除があり、売却益(売却価格から購入代金や手数料を差し引いた利益)が50万円以下であれば原則として税金はかかりません。

雑所得

プラチナの売却が営利目的で、かつ継続的におこなわれている場合「雑所得」に分類される可能性があります。雑所得とは、他の9種類の所得区分のいずれにも当てはまらない所得のことです。

たとえば、事業とまではいえないものの、利益を得る目的でプラチナ製品の転売を繰り返し実施しているケースが該当します。譲渡所得との主な違いは、営利目的であるか、継続的におこなわれているかどうかです。

売却の目的や頻度によっては所得の区分が変わり、税金の計算方法も異なるため注意しましょう。

事業所得

プラチナの売買を事業としておこなっている場合、得られる利益は「事業所得」に分類されます。事業所得とは、農業や製造業、小売業、サービス業などの事業で生じる所得です。

たとえば、個人事業主として貴金属店を経営し、仕入れたプラチナを販売して利益を得ている場合、事業所得に該当します。

事業所得は譲渡所得や雑所得とは異なり、帳簿の作成や保管が義務付けられています。また、青色申告を選択すると、税制上の優遇措置を受けられるのが特徴です。

プラチナ売却時の税金の計算方法

プラチナを売却して得た利益にかかる税金を正しく知るには、計算方法を理解する必要があります。ここからは、具体的な計算式や保有期間による違いについて解説します。

譲渡所得の計算方法

譲渡所得の金額は、プラチナの売却によって得た収入から、プラチナを手に入れるためにかかった費用と、売却するために直接要した費用を引いて算出します。具体的には「譲渡所得=売却価格-(取得費+売却費用)」という計算式です。

取得費とは、プラチナの購入代金や購入にかかる手数料などです。売却費用には、鑑定料や査定にかかった交通費などが含まれます。

上記の計算で算出された利益(譲渡益)から、年間最大50万円の特別控除額を差し引いた金額が、最終的な課税対象の譲渡所得となります。売却益が年間50万円以下であれば、特別控除によって税金はかかりません。

短期譲渡所得(保有期間が5年以内)の場合

プラチナを所有していた期間が売却した時点で5年以内の場合、得られた利益は「短期譲渡所得」に区分されます。計算式は「課税される譲渡所得の金額=売却益-特別控除50万円」です。

短期譲渡所得は、算出された譲渡所得の全額が課税対象になるのが大きな特徴です。

たとえば、売却益が100万円だった場合、特別控除の50万円を引いた残りの50万円全額が課税対象となります。この金額を、給与所得や事業所得など他の所得と合算して総所得金額を算出し、総額に応じた所得税率を掛けて税額を求めます。

長期譲渡所得(保有期間が5年以上)の場合

プラチナの保有期間が売却した時点で5年超の場合は「長期譲渡所得」として扱われます。計算式は「課税される譲渡所得の金額=(売却益-特別控除50万円)×1/2」となります。

たとえば、売却益が100万円だった場合、特別控除50万円を差し引いた50万円のさらに半分である25万円が課税対象です。この25万円が他の所得と合算され、所得税が計算されます。

長期的な資産保有を促す観点から、税負担が軽減される仕組みになっており、短期譲渡所得に比べて納税額を抑えられます。

購入価格がわからないときの対処法

プラチナを売却して税金の計算をする際には、購入時の価格である「取得費」を証明しなければなりません。もし取得費がわからない場合でも、いくつかの対処法があります。

売却額の5%を取得費として申告する

プラチナの購入価格を証明する書類がどうしても見つからない場合、売却額の5%を取得費として申告する方法が認められています。「概算取得費」と呼ばれるもので、税法上の救済措置のひとつです。

たとえば、プラチナを100万円で売却した場合、5%にあたる5万円を取得費として計上します。売却価格から5万円と売却費用を差し引いた額が利益と見なされます。

ただし、実際の購入価格が売却額の5%よりも高かった場合、本来より利益が多く計算され、結果的に納税額が増えてしまうおそれがあります。そのため、売却額の5%を取得費とする方法は、最終手段として考えましょう。

購入店舗・メーカーに問い合わせる

購入価格がわからない場合、プラチナを購入した店舗や製造したメーカーに問い合わせましょう。店舗によっては、過去の購入履歴をデータとして保存している場合があります。

とくにブランド品のジュエリーであれば、メーカーが製品情報を管理している場合も考えられます。購入した時期や場所、製品に関する情報などをできる限り詳しく伝えると、記録が見つかるかもしれません。

領収書がなくても、諦めずに一度連絡を取ってみましょう。

プラチナ売却で税金を抑える方法

税法のルールを正しく理解し、計画的に売却を進めると、納税額を抑えられる場合があります。これから紹介する方法を参考にして、自分の状況に合った売却プランを検討してください。

5年以上保有してから売却する

プラチナ売却時の税金を抑えるには、5年を超えて保有してから売却するのが有効です。保有期間が5年を超えると、売却益は「長期譲渡所得」として扱われ、税制上の優遇を受けられます。

たとえば、売却益から特別控除50万円を引いた金額が100万円だったとします。保有期間が5年以内の短期譲渡所得では、100万円全額が課税対象です。

一方、5年を超える長期譲渡所得は、半額の50万円が課税対象となります。課税所得額が少なくなるため、最終的な納税額を減らす効果が期待できます。

相続・贈与した場合は保有期間を引き継げる

相続や贈与によって受け取ったプラチナを売却する場合、保有期間は前の所有者が取得した日から計算されます。税法上、資産の取得日もそのまま引き継がれると定められているためです。

仮に父親が20年前に購入したプラチナのネックレスを相続し、1年後に売却したとします。所有していた期間は1年ですが、税金の計算上は父親の保有期間と合わせて21年と見なされます。

そのため、売却益は課税所得額が2分の1になる長期譲渡所得の対象です。課税所得額が減少し、最終的な納税額を大きく減らす効果が期待できます。

プラチナの売却で確定申告が必要になる基準

プラチナの売却によって利益が生じた場合、必ずしも確定申告が必要とは限りません。申告が必要になるかどうかは、得られた利益の金額や、個人の所得状況によって判断されます。

譲渡所得が50万円を超える場合

プラチナの売却によって得た譲渡益が年間で合計50万円を超えた場合、原則として確定申告が必要です。

譲渡所得には、年間で最大50万円の特別控除という制度が設けられています。売却益が特別控除額の範囲内なら、課税所得は発生しないため確定申告は不要です。

しかし、仮にプラチナの売却で70万円の利益が出た場合、特別控除50万円を差し引いた20万円が課税対象の譲渡所得となります。

ただし、年末調整済みの会社員で、給与所得・退職所得以外の所得が20万円以下など一定の条件を満たす場合、所得税の確定申告が不要となるケースがあります。

なお、住民税の申告が必要になる場合があるため、自治体の案内も確認しましょう。

短期譲渡に該当する場合

プラチナの保有期間が5年以内の「短期譲渡」に該当し、利益が出た際も確定申告が必要になる場合があります。

短期譲渡所得は、長期譲渡所得とは異なり、利益の全額が課税所得の計算対象です。そのため、課税所得は20万円の基準を超えやすくなります。

たとえば、短期譲渡による利益から50万円の特別控除を差し引いた後に30万円残った場合、その30万円が所得となり、20万円の基準を上回ります。

年末調整を受けた会社員などの場合、給与所得や退職所得以外の所得が年間で20万円を超えると、確定申告が必要となるため注意しましょう。

プラチナの売却で確定申告しない場合のリスク

確定申告が必要な基準に該当するにもかかわらず、申告しなかった場合、いくつかのリスクが生じます。どのようなリスクがあるのかを理解し、必ず期限内に申告しましょう。

無申告加算税や延滞税が発生する可能性

確定申告の義務があるにもかかわらず、期限内に申告をしなかった場合、本来納めるべき税金に加えて「無申告加算税」が課されます。無申告加算税の割合は、申告のタイミングや税務署からの通知・調査の有無によって異なります。

たとえば令和5年分以降、税務署の調査後などに期限後申告をした場合は、50万円まで15%、50万円超300万円まで20%、300万円超の部分は30%です。

さらに、税金の納付遅れに対する利息として「延滞税」も発生します。延滞税は、法定納期限の翌日から実際に納付する日までの日数に応じて計算されます。

本来支払う必要のなかった追徴課税によって、金銭的な負担が増えるため、無申告や延滞は避けましょう。

税務署から指摘されることがある

プラチナの売却で得た利益を申告せずにいると、税務署から指摘される場合があります。税務署はプラチナを含む地金の取引について、支払調書や取引履歴から情報を把握しているためです。

買取業者は、200万円を超える金やプラチナの取引をおこなった場合、税務署へ支払調書を提出する義務があります。

支払調書には、売却した人の氏名、住所、マイナンバー、取引金額などが記載されており、税務署はこの情報から個人の売却履歴を把握できます。

税務署はさまざまな情報から個人の所得を把握しているため、無申告は発覚する可能性が高いでしょう。

プラチナ積立・ETFの売却時の注意点

プラチナへの投資には、毎月一定額を積み立てる「プラチナ積立」や、証券取引所に上場している投資信託の一種である「プラチナETF」といった方法もあります。

現物とは税金の扱いが異なる

プラチナ積立やETFの売却によって得た利益は、現物のプラチナを売却した場合とは税金の扱いが異なります。

プラチナETFは原則、上場株式等として申告分離課税の対象です。一方、貴金属の投資口座・貯蓄口座は源泉分離課税、定額購入で取得した現物地金の売却は総合課税になる場合があります。

同じプラチナへの投資でも、金融商品であるか現物であるかによって、適用される課税方式が異なる点に注意しましょう。

申告分離課税や損益通算の違いに注意

申告分離課税が適用される金融商品には、他の金融商品の損益と通算できる「損益通算」という特徴があります。

仮にプラチナETFの売却で利益が出た場合、特定口座などの要件を満たせば、同じ年に取引した上場株式等の損失と相殺できる場合があります。

一方で、一般的なプラチナ積立の利益は、総合課税の雑所得か譲渡所得となる場合が多く、株式の損失との損益通算はできません。同じプラチナ投資でも扱いが異なるため注意しましょう。

プラチナの税金に関するよくあるQ&A

税金に関する疑問は、売却前の不安要素となりがちです。ここでは、多くの方が抱くプラチナの売却と税金に関する疑問点について回答します。

金とプラチナの税金のルールは同じ?

個人が所有する金を売却する場合もプラチナを売却する場合も、税法上の基本的なルールは同じです。どちらも貴金属という資産の売却と見なされ、利益は原則として「譲渡所得」に分類されます。

また、保有期間が5年以内か5年超かによって短期譲渡所得と長期譲渡所得に区分される点や、年間で最大50万円の特別控除が適用される点も共通です。

ただし、現物取引は総合課税、ETFのような金融商品は申告分離課税と異なるため、売却時は税区分を確認しましょう。

利益が50万円以下でも申告は必要?

プラチナの売却による年間の利益(譲渡益)が50万円以下であれば、原則として確定申告は不要です。譲渡所得には年間最大50万円の特別控除があり、利益がこの控除額の範囲内なら課税所得はゼロになるためです。

ただし、給与所得者で、プラチナ売却益を含む給与を除く所得の合計が年間20万円を超える場合は、確定申告が必要です。

また、医療費控除などを受けるために確定申告をする場合は、20万円以下の所得であっても合わせて申告しなければなりません。

まとめ

プラチナを売却して出た利益は、原則として譲渡所得となり所得税の課税対象ですが、年間の利益が50万円以下なら特別控除により税金はかかりません。自分の状況を正確に把握し、必要であれば確定申告をおこないましょう。

上田 勝太(うえだ しょうた)
記事の監修者
AACD協会基準判定士(ブランド品、時計の真贋及び輸入検品など)
上田 勝太(うえだ しょうた)

2024年4月にAACD協会基準判定士の資格を取得し、ブランド品や時計の真贋判定、輸入検品に精通。
豊富な経験と確かな鑑定眼で信頼性の高い情報を発信しています。

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