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プラチナでも金属アレルギーは起きる?

プラチナのジュエリーを身に着けて肌に異常を感じたとしても、原因は別にあるかもしれません。金属アレルギーのリスクを正しく理解するには、プラチナの性質とジュエリーの製法について知る必要があります。
プラチナの金属アレルギーリスクは低い
プラチナは化学的に安定した金属であり、汗や体液に触れても溶け出してイオン化しにくい性質をもちます。
金属アレルギーは、金属から溶け出したイオンが体内のタンパク質と結合し、体が異物と認識して発生する反応です。そのため、イオン化しにくいプラチナは、アレルギー反応を引き起こす可能性が低い金属といえます。
ただし、ジュエリーには合金が使用されているため、金属アレルギーを起こすリスクはゼロではありません。
プラチナの金属アレルギーの原因
プラチナのジュエリーで金属アレルギーを発症する場合、一緒に混ぜられている割金が原因となる場合があります。
プラチナは柔らかい金属のため、日常的に使用できる強度を出す目的で、他の金属を混ぜて合金にします。使用される金属は、パラジウム・ルテニウム・銅などです。
とくにパラジウムは、金属アレルギーの原因になりやすい金属として知られています。そのため、ジュエリーを選ぶ際は、どのような割金が使われているかも確認しましょう。
金属アレルギーの症状
金属アレルギーでは、主にかゆみ・赤み・発疹・腫れといった接触皮膚炎の症状が現れます。症状が進むと、水疱やただれが生じる場合もあります。
金属アレルギーの症状は、ピアスやネックレス、指輪などを身に着けていた部分に現れるのが特徴です。汗をかくと金属は溶け出しやすくなるため、夏場や運動時に症状が悪化する傾向が見られます。
症状はすぐには現れず、1〜3日ほど経過してから発症する「遅延型アレルギー」が一般的です。
【純度別】プラチナの金属アレルギーリスク

金属アレルギーのリスクは、純度によって変わります。プラチナの含有率が高いほど割金の比率は低くなり、アレルギーのリスクも低減します。
Pt900
Pt900は、プラチナ90%・割金10%で構成される合金です。加工のしやすさと十分な硬度から、日本の結婚指輪でとくに使用されている品位のひとつです。
割金が10%含まれるため、成分によってはアレルギー反応を引き起こすおそれがあります。とくに割金としてパラジウムが使われる場合も多く、パラジウムアレルギーをもつ方は注意が必要です。
Pt900のジュエリーを選ぶ場合は、割金に何が使われているかを確認しましょう。
Pt950
Pt950は、プラチナ95%・割金5%の合金です。Pt900よりも純度が高いため、割金によるアレルギーのリスクは比較的低くなります。
Pt950には、割金にルテニウムを使用した「ハードプラチナ」というタイプがあります。パラジウムより金属アレルギーを起こしにくいとされており、アレルギーが気になる方におすすめです。
ただし、Pt950には、パラジウムを含むタイプもあります。購入の際は、品質表示で構成成分を確認し自分に合ったものを選ぶと、金属アレルギーのリスクを減らせます。
Pt999
Pt999は、純度99.9%以上の純プラチナを指し、過去には「Pt1000」と表記されていました。割金をほとんど含まないため、金属アレルギーのリスクが最も低い素材です。
金属アレルギーに敏感な方や、アレルギーの心配を最大限に避けたい方にとって、安心できる選択といえるでしょう。
ただし、純度が高い分、金属としては柔らかく、傷がつきやすいという側面もあります。一般的には、インゴットや記念コインといった資産・収集用途で使われています。
金属アレルギーの対処法・予防法

アレルギーは一度発症すると、体質を改善するのは難しいといわれています。これから紹介する方法を実践して、金属アレルギーにうまく対処しましょう。
皮膚科を受診する
ジュエリーを身に着けて肌にかゆみや赤みなどの異常を感じたら、皮膚科で専門医に相談しましょう。自己判断で市販薬を使ったり放置したりすると、症状が悪化するおそれがあります。
皮膚科では、パッチテストという検査によって、どの金属がアレルギーの原因かを調べられます。原因が特定できれば、今後ジュエリーを選ぶうえで重要な目安となるでしょう。
ジュエリーを清潔な状態に保つ
ジュエリーを日常的に清潔な状態に保つと、金属アレルギーの予防につながります。汗や皮脂、化粧品などの汚れが付着したままだと、金属イオンが溶け出す原因となるためです。
着用後は、毎回柔らかい布で優しく拭き取る習慣をつけましょう。日々の簡単な手入れで、金属アレルギーのリスクを減らす効果が期待できます。
金属部分にコーティング加工を施す
金属部分に特殊なコーティングを施し、肌と金属が直接触れないようにする方法も、金属アレルギー対策として有効です。コーティングが物理的な膜となり、汗や皮脂による金属イオンの溶出を抑えてくれます。
コーティングはジュエリーショップで依頼できるほか、自分で塗布できる金属アレルギー防止用のコーティング剤も販売されています。
ただし、コーティングは使用しているうちに摩擦で剥がれてくるため、効果を持続させるには定期的な再加工が必要です。
肌に触れる部分に別の金属を使用する
ジュエリーのリフォーム専門店やオーダーメイドの工房で、肌に直接触れる部分だけをアレルギーの起きにくい金属に変更する方法も有効です。デザインは変えずにアレルギーのリスクだけを回避できます。
たとえば、肌に触れる部分を加工し、チタンや割金をほとんど含まない高純度のプラチナ(Pt999)に替えられる場合があります。金属アレルギーを心配せず身に着けたい方におすすめの方法です。
運動や入浴時の着用は避ける
スポーツをするときや入浴、サウナを利用する際は、事前にジュエリーを外しましょう。汗に含まれる塩分は、金属イオンの溶出を促進する作用があるためです。
汗をかく場面で着用したままでいると、アレルギー発症のリスクが高まります。また、入浴剤の成分やシャンプーなどが付着し、化学反応で変色したり、肌トラブルの原因になったりするおそれもあります。
アレルギーを予防するだけでなく、傷や劣化から守るためにも、運動や入浴時の着用は避けましょう。
金属アレルギーになりやすい素材

ジュエリーに使われる金属のなかには、アレルギー反応を引き起こしやすいものがいくつかあります。ここでは、とくに注意が必要な3つの金属について解説します。
パラジウム
パラジウムは、プラチナに似た白い輝きをもち、割金として強度や硬度を高める目的で広く使用されている金属です。
パラジウムは、金属アレルギーの原因になりやすい金属としても知られています。歯科治療で用いられる「銀歯」にも含まれる場合があり、口のなかで溶け出したイオンが原因でアレルギーを発症するケースも見られます。
Pt900やPt950の割金に含まれている可能性があるため、パラジウムアレルギーをもつ方は購入前に店舗で成分を確認しましょう。
ニッケル
ニッケルも、金属アレルギーの原因として報告が多い金属です。加工しやすく、耐食性や耐久性を高める性質があり、安価なアクセサリーのメッキや割金によく利用されます。
汗で溶け出しやすい性質をもつため、ピアスやネックレスなど、肌に長時間触れる製品でアレルギー症状が出やすい傾向にあります。
プラチナのような高価なジュエリーで使用されることはまれです。しかし、安価なファッションアクセサリーで皮膚トラブルを経験したことがある方は、ニッケルアレルギーの可能性を考慮するとよいでしょう。
銅
銅は、割金にも多く活用されている金属です。とくにイエローゴールドやピンクゴールドの色合いを出すために割金として使用されていますが、プラチナにも強度をもたせる目的で加えられる場合があります。
銅も汗によってイオン化して溶け出しやすい性質があり、皮膚のかゆみや赤み、水疱などの症状につながります。
銅は、ジュエリーに美しい色彩や強度を与える一方で、汗で溶けやすくアレルギーを引き起こすリスクをもつ金属といえるでしょう。
金属アレルギーになりにくい素材

金属のなかには、アレルギー反応が極めて起きにくいとされる素材もあります。ここから解説する3つの素材は、汗や体液に触れてもイオンが溶け出しにくいという性質をもっています。
チタン
チタンは、金属アレルギーのリスクが低い素材として広く知られています。空気中や水に触れると、表面に「酸化被膜」と呼ばれる安定した薄い膜を形成する性質をもつためです。
酸化被膜がバリアの役割を果たし、内部の金属が汗や皮脂で溶け出してイオン化するのを防いでくれます。そのため、金属イオンが体内のタンパク質と結合してアレルギー反応を引き起こす過程そのものが起こりにくくなります。
プラチナに比べて軽量で丈夫な点も、ジュエリー素材としての魅力です。
タンタル
タンタルは、希少価値の高いレアメタルの一種です。深い黒に近いグレーの落ち着いた色合いが特徴で、重厚感から男性向けの結婚指輪で人気です。
チタンと同じく表面に強力な酸化被膜を形成するため、酸やアルカリにも強い耐食性をもちます。汗や皮脂で金属イオンが溶け出す心配はほとんどなく、金属アレルギーが起きにくいとされています。
また、人体への親和性も高く、人工骨のような医療インプラントにも使用される安全な金属です。
ジルコニウム
ジルコニウムは、プラチナに似た美しい銀白色の輝きをもつ金属です。チタンやタンタルと同じく、表面に安定した酸化被膜を形成することで、金属イオンの溶出を抑え、アレルギー反応が起きにくくなります。
耐食性と耐久性に優れているため、過酷な環境に置かれる原子力発電所の燃料被覆管や、安全性が求められる医療分野でも活用されています。
ジュエリー素材としては、プラチナに近い色合いでありながら、軽量で傷に強い点がメリットです。特殊な処理によって、表面を虹色や青色など、さまざまな色に発色するユニークな特徴ももっています。
プラチナと金属アレルギーに関するよくあるQ&A

プラチナのジュエリーを検討するにあたり、金属アレルギーに関して多くの方が疑問や不安を感じる点があります。ここでは、とくに多く寄せられる質問について解説します。
アレルギーが起きやすい人の特徴は?
金属アレルギーは、特定の体質や生活習慣をもつ方に発症しやすい傾向が見られます。
たとえば、汗をかきやすい体質の方です。汗に含まれる塩素イオンには金属を溶かす作用があり、金属イオンが体内に取り込まれやすくなります。
アトピー性皮膚炎で皮膚のバリア機能が低下している方も、外部からの刺激に敏感なため、アレルギーを発症しやすい状態といえます。
また、ピアスホールが複数ある方やニッケルを含むアクセサリーを着用している方も注意しましょう。金属と肌の接触する時間が長く、発症リスクが高くなります。
プラチナのジュエリーを購入する際の注意点は?
プラチナのジュエリーを選ぶ際は、純度を確認しましょう。
結婚指輪ではPt950やPt900が一般的ですが、アレルギーリスクを最優先したい場合は、アレルギーが起きにくい割金を使用したPt950や、純度の高いものを選んでください。
また、割金として何が使われているか、販売店のスタッフに尋ねることをおすすめします。とくにパラジウムは、金属アレルギーの原因になりやすい金属です。
金属アレルギーが心配な方は「パラジウムフリー」の製品を選ぶとよいでしょう。
まとめ
プラチナは、金属のなかでもアレルギー反応を引き起こしにくい素材です。しかし、使用されている割金によって、アレルギーを起こす場合があります。
もし肌に異常を感じた場合は、速やかに皮膚科を受診し、パッチテストで原因となる金属を特定しましょう。


