素材として
まず、ホワイトゴールドについてです。リングなどのジュエリーによく用いられるホワイトゴールドは、18カラットや14カラットのものが使われることが多いです。これは純粋な金ではなく金合金ということを意味します。カラット(Karat)は金含有量を示しておりK18=75%の純金、K14=58.5%の純金を含んでいるということになります。ホワイトゴールドの場合、銀やパラジウムなどの白い金属と混ぜて金合金にされます。また、「ロジウム加工」を表面に施すことによって、その表面に輝く光沢を与えることができます。ゴールドジュエリーにおいて“純金製”がほとんど存在しないのは、金という金属がとても柔らかい性質で装身具としてはあまりに脆弱なため、他の金属と掛け合わすことによって補強しているのです。
金に対してプラチナは合金にせずともアクセサリーを作ることができます。日本ではプラチナとして商品を販売するには最低85%(PT850)のプラチナを含んでいる合金を使わなくてはなりません。プラチナ合金の場合、その黒味を弱めて白く輝くようにパラジウムと掛け合わせて合金とすることが多いです。またプラチナは密度が非常に高い金属としても知られています。なのでプラチナジュエリーは、同じ大きさかたちのゴールドジュエリーより約34%重いため、大ぶりなイヤリングやピアスは着けていると疲れてしまうかもしれません。またプラチナは、金とならび金属アレルギーを起こしにくい金属と言われています。そして金よりも高い純度で装身具を創ることができるプラチナは、金属アレルギーに不安をおぼえる人の心強い選択肢となってくれるでしょう。
色合い
一見、ホワイトゴールドとプラチナのジュエリーは同じ色に見えますが、よく見ると違いがあります。カラット数や合金に含まれる金属にもよりますが、ホワイトゴールドは明るい銀色の光沢を帯びますが、プラチナはどちらかと言えば落ち着いたグレー寄りのニュアンスがあります。ホワイトゴールドはもともと黄金色の金にホワイトトーンをもつ金属を合わせたものなので、ベースに明るい要素があります。一方プラチナはもともと黒っぽい銀色を呈した金属に、明るいトーンを与える金属を掛け合わせています。これはイメージとして、絵の具の混ぜ合わせのようにして考えるとわかりやすいかもしれません。
市場価値
昨今、金は未曽有の価格高騰をみせています。「有事の金」の異名を誇る金は、世界情勢が不安定なとき、価値が暴落する恐れのある貨幣や株式に代わって、安定した資産価値を有するものとして重宝されます。
ゆえにプラチナは価格面で言ってしまえばゴールドよりも安いですが、プラチナの産出量は、金の十数分の1ほどで希少性があります。プラチナは推定埋蔵量においても金より圧倒的に少ないため、今後プラチナが資源枯渇に直面した場合、プラチナの価値が跳ね上がらないとも限りません。
また前項でも触れたようにプラチナは、金に比べて高い純度でアクセサリーを製造することができるため、低いカラットのゴールドジュエリーよりも高いカラットのプラチナジュエリーのほうが高価になることもあります。
日常使いにおいて
ホワイトゴールドジュエリーは、長年使用しているとロジウムコーティングが剥がれてしまうことがあります。しかしロジウムコーティングは再度施すことが可能です。コーティングはこすれることで剝がれてしまうので、ホワイトゴールドジュエリーをお手入れする際には、あまり摩擦しないほうがよいでしょう。一方、プラチナはホワイトグレーの輝きを半永久的に保ちます。
また指輪でリサイズが必要になった場合、ホワイトゴールドは比較的簡単にサイズを変更することができ、目立ちにくく修正できます。プラチナの場合、接合部など修正した痕跡が若干残ってしまう可能性があります。日常のお手入れをする場合は、ぬるま湯と少量の中性洗剤を使い、クロスで優しくふき取ってあげること手軽に美しさを保つことができます。
※宝石などの異素材がついている場合はその素材の特性に注意してください。
高級ジュエラーで購入したものであれば無料でメンテナンスしてくれるところもあるので、定期的にプロのケアを受けるのも良いでしょう。
最後に
このように、一見同じように見えるホワイトゴールドとプラチナでも注目してみると様々な違いがあります。ホワイトゴールドにしてもプラチナにしても決して手軽に買えるものではありません。それぞれの特性によって一長一短、向き不向きがあるので自分の需要と照らし合わせて最適なチョイスができると、一生ものの買い物になることでしょう。