FENDIの歴史
フェンディは、アデーレとエドアルドのフェンディ夫妻が1925年にローマで創業したブランドです。アデーレはもともと革製品を扱うビジネスを行っていたので、バッグなどの皮革製品や、毛皮を扱う工房兼ブティックを立ち上げます。次第に評判となり、1930~1940年代になるローマを越えて海外でも知られるようになります。第二次世界大戦後、彼らの5人の娘― パオラ、アンナ、フランカ、カルラ、アルダ ―がブランドに参画し、新たな風を吹き込みます。
1965年には、その後シャネルを一流ブランドに返り咲かせることになるカリスマデザイナー、カール・ラガーフェルドがフェンディの一翼を担うことになります。カール・ラガーフェルドはフェンディのアイコンである毛皮のスタイルを一新し、ファーコートを時代が求めるスタイルに生まれ変わらせます。ズッカと呼ばれる「F」を組み合わせたフェンディのロゴも、この頃に誕生しました。
1987年には創業者の孫にあたるシルヴィアがブランドに参画し、現在もブランドのアーティスティックディレクターとしてブランドを牽引しています。なお、2020年より、キム・ジョーンズがシルヴィアとともにディレクションをおこなっており、フェンディは新たなフェーズを迎えています。キム・ジョーンズはルイ・ヴィトンのメンズやディオールオムに、昨今のトレンドともいえるストリートの要素を取りこみ、成功させた立役者としても知られるデザイナーです。
フェンディはバッグの名匠
フェンディは創業当初より革製品を扱っていることもあり、バッグに定評のあるブランドです。とくにフェンディのアイコンバッグとして知られるのは、シルヴィア・フェンディによって生み出されたショルダーバッグ、「バゲット」です。バゲットは誕生以来高い人気を保ち続け、これまでに1,000以上のバージョンが作られたと言われています。また、シルヴィアはフェンディに息づくクラフトマンシップを象徴するバッグコレクション「セレリア」を復活させました。
これはもともと創業者のアデーレが手掛けたもので、機械による製作を行わず、あらゆる工程を熟練の職人が手作業で行うことによってつくりあげられる、非常に手のかかったバッグのコレクションです。フェンディの歴史を物語る最高水準のバッグにはブランドを支えたフェンディ家の女性たちの名が与えられました。また、幅広いデザインを展開しているのもフェンディの強みで、「バゲット」のようなスモールバッグ、「セレリア」シリーズのようなフォーマルなバッグもさることながら、公私関わらず使えるデイリーユースのバッグにも魅力的なモデルが多いです。
廃盤ながら依然人気なトロワジュール
トロワジュールは2012年に登場したトゥージュールをさらに進化させたモデルです。トゥージュールはボックスシルエットのハンドバッグで使いやすさと収納力に定評がありました。
トロワジュールになってからは台形のフォルムになり、新しい開閉式のジッパーが導入されました。内ポケット・ファスナー付きなので中身が見えにくく、セキュリティ面でも安心です。また、大きなマチがあるのも特徴的で、広がったマチはデザインとしても個性的なシルエットになっており、いい感じにラフな雰囲気があるのでカジュアルな着こなしに適しています。またトロワジュールはショルダーストラップが取り外し可能な2wayタイプです。ショルダーバッグとして使えば、両手が自由に使えます。一方しっかりした2ハンドル仕様なので、ハンドバッグとしても持ち運びがしやすいです。トゥージュールより少し長めの持ち手で使いやすさとしても配慮されたディティールです。
スタイリッシュかつカジュアルな雰囲気で、アクティブな女性にぴったりの、ビジネスバッグとしてもお使いいただけます。フェミニンなコーディネートやフォーマルなシーンにも使いやすいサイズ展開です。色もブラック、ネイビー、ベージュの定番カラーをはじめ、鮮やかなピンクやブルーなど、幅広く展開されており、新鮮な印象のツートンカラーもあります。ツートンカラーはデザインとしての意外性があるにもかかわらず、洋服にも合わせやすいのがグッドです。
まとめ
フェンディは毛皮製品や皮革製品の老舗です。そのため、創業当初からバッグには定評があり、現在でもバゲットをはじめ、さまざまな人気モデルがあります。一方、モデルの移り変わりが激しく、人気モデルでも廃盤となってしまうものも少なくありません。トロワジュールもそんな廃盤になってしまった人気モデルの一つで、ユニークなシルエットと、収納力、デザイン性から、今でも中古市場で人気があります。