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カルティエ「ベニュワール」は廃盤だった?定価や愛用芸能人を解説

カルティエ「ベニュワール」は廃盤だった?定価や愛用芸能人を解説

世界的に有名なブランドであるカルティエは、多彩なメンズ・レディースモデルを展開しています。その中でも、ベニュワールはカルティエのレディースコレクションにおいて、特に女性を象徴するコレクションです。今回は、そんなベニュワールについて幅広く解説します。

カルティエ「ベニュワール」の歴史

まずは、「ベニュワール」がどのような歴史を歩んできたのか振り返ってみましょう。その始まりは、今から100年以上前の1912年とされています。

マリア・パヴロヴナ公爵夫人に名付けられた

ベニュワールの原点は、1912年に作られた時計とされています。この時計は、プラチナ製の横長の楕円形が特徴で、ベゼルにはダイヤモンドがあしらわれていました。また、一説によるとベニュワールの名前はロシアのマリア・パヴロヴナ侯爵夫人に由来しているといわれています。

ベニュワール(Baignoire)はフランス語で「浴槽」を意味し、その形状が西洋式の浴槽に似ていることから、この名前が付けられたとされています。

1950年代後半から現在に近いデザインに

ベニュワールが現在のデザインに近づいたのは、1950年代後半のことでした。当時のベニュワールは、縦長のオーバル型(楕円に近い形)や、見やすいローマンインデックス、細い棒状で先端は尖っているバトン針が採用されていました。

当時「オーバル サントレ」として誕生したこのスタイルは、後続のベニュワールにも引き継がれています。また、ベニュワールには派生モデルも存在します。壊れた時計から着想を得た「クラッシュウォッチ」や、大きく縦に引き伸ばされた「ベニュワール アロンジェ」などが挙げられます。

2009年にモデルチェンジ

ベニュワールは、1950年代後半からデザインを継承してきましたが、2009年にモデルチェンジを行いました。ケースがエッジの効いたフォルムに変更され、控えめに印刷されていたローマンインデックスは、ひと回り大きくなりました。

また、ダイヤモンドが使用されていたモデルでは、ダイヤの大きさがグラデーション状になり、リューズ周辺もシャープさを増すことで、より洗練された印象を与えるデザインとなりました。2023年には、丸みを帯びた小型のモデルが登場しています。

カルティエ「ベニュワール」の特徴

ベニュワールの魅力は、その独創的な特徴にあると言っても過言ではありません。革新的でありながら前衛的ではない、女性らしさを象徴するデザインが、世界的に人気がある理由なのでしょう。ここでは、ベニュワールの特徴について解説します。

優雅なオーバル型のデザイン

まず挙げられるのが、他の時計では見られないオーバル型のデザインです。楕円状になっているだけでなく、ケース全体が手首に沿うような曲線を描いています。

1912年にデザインされてから、現在まで受け継がれてきた独創的なラインは、まるで、包容力のある女性を表現しているかのようです。まさに、女性のための腕時計と言えるでしょう。

18Kゴールド素材のみのハイエンドライン

ベニュワールにはステンレススチールを使用したモデルがありません。かつてゴールド素材のみを採用していたモデルのほとんどは、現在ではオールステンレスモデルも展開しています。

その中で、ベニュワールは依然として、75%以上の純金を使用したゴールド素材のみを採用しています。さらに、リューズにはブルーサファイアやダイヤモンドが使用されていることから、カルティエコレクションの中でも、ハイエンドラインだと認識されています。

文字盤がどの角度からも見やすい

デザイン性だけでなく、実用性も高いコレクションでもあります。サファイアクリスタル製のドーム型ガラスと、文字盤に大きく印刷されたローマンインデックスは、視認性の向上に貢献しています。

さらに、ローマンインデックスが放射状に配置されているため、どの角度からも見やすくなっています。このように、ベニュワールはデザインと機能の両面で優れたコレクションです。

カルティエ「ベニュワール」のサイズ展開

これまでのベニュワールでは「ミニ」「SM」「MM」「LM」などのサイズが展開されてきました。ここでは、その中からミニ、SM、LMに、「ベニュワール アロンジェ」を加えてご紹介します。

ミニ ベニュワール

ベニュワールの最も小さなモデルで、長さ24.6mm、幅18.7mm、厚さ7.2mmです。旧型モデルでは時間調整を行うために裏蓋のボタンを楊枝などの細い棒で押す方式だったため、ケースサイドにはリューズがありませんでした。

しかし、2009年のモデルチェンジにより、ミニベニュワールにもリューズが追加されました。また、ムーブメントにはクオーツ式(電池)が採用されており、日常生活防水が備わっています。

ベニュワール SM

ベニュワールのスモールサイズモデルは、長さ31.4mm、幅23.09mm、厚さ6.95mmが主流です。ただし、モデルによってサイズが異なる場合もあります。たとえば、WJBA0015の場合、長さ32mm、幅26mm、厚さ8mmとなっています。

ミニモデルよりも一回り大きいため、存在感をより感じられるでしょう。シンプルなデザインでも、ジュエリーのような華やかさを楽しむことができます。また、クオーツムーブメントや日常生活防水が備わっている点はミニモデルと共通しています。

ベニュワール LM

<画像挿入箇所>

ベニュワールの中で最も大きいサイズのモデルで、長さ44mm、幅34mmです。このモデルは機械式の手巻きムーブメントを搭載しており、裏蓋には中の機械を見ることができる、シースルーバックが採用されています。

レディースウォッチでありながら、本格時計の側面も併せ持つ逸品です。ただし、2024年9月現在、公式ホームページに掲載されていないため、販売終了になっていると考えられます。

ベニュワール アロンジェ

モデル名のアロンジェ(Allongée)は、「長く伸びた」という意味のフランス語です。サイズは長さ47mm、幅21mm、厚さ8mmで、ベニュワールLMと同様に日常生活防水が備わった、手巻きムーブメントを採用しています。

一時期ラインナップから姿を消していたといわれていますが、現在は「WJBA0006」と「WJBA0007」が現行モデルとして、公式ホームページに掲載されています。

カルティエ「ベニュワール」の定価・価格帯

ベニュワールは、カルティエの中でもハイエンドラインとされています。そのため、価格帯も高く設定されており、最も安価なモデルでも約120万円です。ベゼルにダイヤモンドがあしらわれたモデルは約300万円、アロンジェシリーズは650万円から700万円、最も高いモデルでは1,600万円を超えるものもあります。

そのため、安価で購入したい方は中古市場をチェックしてみると良いでしょう。プレミア品でなければ、比較的リーズナブルな価格設定がされていることが一般的です。

カルティエ「ベニュワール」を愛用する芸能人

カルティエは世界五大ジュエリーに数えられ、ベニュワールも世界的に人気のあるコレクションです。多くのアイドルやモデル、俳優など、メディアで活躍する有名人が愛用しています。今回は、ベニュワールを愛用する芸能人・有名人についてご紹介します。

河野景子さん

フリーアナウンサーの河野景子さんは、2008年放送のバラエティー番組で、ベニュワールの時計を着用していました。型番の詳細は不明ですが、現行モデルの「WGBA0013」に近い見た目をしています。

イエローゴールドが使用されたケースが特徴的で、エレガントな印象を受けますが、ケースサイドにリューズが確認できないため、旧型モデルであると推測されます。この時計は、当時の夫である貴乃花光司さんからの贈り物だそうです。

ユン・ウネさん

2011年に出版されたファッションマガジンでは、ユン・ウネさんがベニュワールとおぼしき腕時計を身に着けています。ベージュ色のストラップと、ベゼルの色合いから、型番は「WB520004」であると思われます。

2009年に発表されたモデルで、ケースには18Kピンクゴールド、ベルトはトワル素材のストラップが採用されています。ベゼルはダイヤモンドで装飾された、高級感のあるベニュワールです。

ユナさん

韓流アイドルのユナさんは、韓国ドラマの制作発表会でベニュワールを着用していました。ベゼルに輝くダイヤモンドと、ストラップの素材がトワル(綿や麻などで織られた厚手の布)に見えるため、「WB520004」であると思われます。

「WB520004」は、2009年に発表されたクオーツ式時計で、カルティエの定番スタイルの1つとされています。しかし、公式ホームページに掲載されていないため、既に生産が終了しているものと考えられます。

エイミー・アダムスさん

アメリカの女優、エイミー・アダムスさんは、2011年にロサンゼルスで行われた、バスケットボールの試合を観戦している際、「W8000005」に似た腕時計を着用していました。

このモデルは2009年にジュネーブ(スイス)で発表され、生活防水も備えた、18Kピンクゴールドケースを採用しています。なお、現在の公式ホームページには掲載されていないため、生産終了になっていると思われます。

ララ・ストーンさん

オランダのファッションモデル、ララ・ストーンさんは、2010年に発売されたファッション雑誌で、ベニュワールを身に着けています。

小さく映り込んでいるため、判断が難しいですが、型番は「WB520008」と思われます。このモデルは、ケースに18Kホワイトゴールドを採用し、ベゼルの装飾にダイヤモンドを使用しています。

カトリーヌ・ドヌーヴさん

フランスの女優カトリーヌ・ドヌーヴさんは、ベニュワールを愛用していることで知られています。特に有名なのは、1965年に撮影された、彼女がベニュワールを着用している姿でしょう。

白黒写真であるため、型番の特定は難しいですが、リューズがあることと、黒いストラップが確認できるため、現行モデルの「WGBA0022」に近いモデルであると考えられます。

ハイファ・ワハビさん

レバノンの歌手、ハイファ・ワハビさんが身に着けているベニュワールは、「WB520002」と推測されます。このモデルはカルティエの定番の一つで、18Kピンクゴールドのケースと、ベゼルに装飾されたダイヤモンドが特徴です。

2009年にジュネーブで発表されましたが、現在は公式ホームページに掲載されていないため、廃番となっていると考えられます。

ロミー・シュナイダーさん

フランスの女優、ロミー・シュナイダーさんも、ベニュワールを愛用していたとされています。彼女の写真は、白黒のものが多いため、正確な型番は不明ですが、ダイヤの装飾がないベゼルとリューズ、暗い色のストラップが確認できることから、「WGBA0022」のようなモデルではないかと推測されます。

アイシャ・ブハリさん

ナイジェリアの美容セラピストであるアイシャ・ブハリさんが、ベニュワールを購入したことがSNSで紹介されました。詳細な情報は不明ですが、その特徴的なデザインと投稿された内容から「ベニュワール フォル(WB520034)」だと推測できます。

このモデルは、18カラットのダイヤモンドがちりばめられた機械式の手巻き時計で、当時の価格は34,500ドル(日本円で約400万円)だったそうです。

エラ・フィッツジェラルドさん

アメリカのジャズシンガー、エラ・フィッツジェラルドさんはベニュワールの腕時計を好んで着用していたといわれています。

現存する資料が白黒写真しか残されていないため、型番の特定は難しいものの、宝石の装飾がないベゼルとリューズ、そして黒いレザーストラップが確認できることから、現行モデルの「WGBA0017」に近いモデルのようです。

廃盤となった「ベニュワール アロンジェ」は復刻された?

過去には、カルティエの公式ホームページで「ベニュワール 1920 ウォッチ」として廃番になったモデルの販売が再開され、「ベニュワール アロンジェ」も復刻されました。しかし、2024年9月現在、「ベニュワール 1920 ウォッチ」は公式ホームページに掲載されておらず、再び廃番になったと考えられます。

一方、「ベニュワール アロンジェ」は、ケースにピンクゴールドを採用した「WJBA0006」と、ホワイトゴールドを使用した「WJBA0007」が現在も販売されています。

まとめ

このように、カルティエのベニュワールは優雅さとモダンさを兼ね備えたコレクションです。洗練されたデザインは、時代や国境を越えて愛されています。ジュエリーショップでベニュワールを見かけた際は、ぜひ一度手に取ってみてください。

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