コーチの人気の秘密とは
コーチの革の品質の良さには大変定評があり、多くの女性から愛されています。ブランド力だけでなく確かな品質と人々を魅了するデザインが人気の秘密でもあります。コーチの商品で代表的なものはブランドロゴがプリントされているシグネチャー・コレクションとなります。大変人気のタイプですが、このデザインを好ましく思っていない人もいます。なぜなら、グッチやヴィトンなどのようにブランドロゴをプリントした模倣品だと考えるからです。売れているデザインを真似して売るということに、古くからのコーチファンをがっかりさせることとなってしまいました。
しかし、世間では大当たりし、コーチの知名度を大きく上げた立役者となるので、古くからのファンは複雑な心境だったことと思います。このシグネチャー・コレクションのデザインは、モダンで優雅さを感じ、頭文字のCを幾何学模様のように配置するアイデアは素晴らしいものがあります。一色だけのカラー展開のものもあれば、二色三色とカラーを使用しているキュートな一面を演出するデザインのものもあります。一目見たらコーチの製品と分かるため、ブランドを前面に押し出したくない人にはおすすめ出来ませんが、飽きが来ることのないとても素敵なデザインです。
また、異素材の組合せもコーチの特徴でもあります。キャンパスベースのアクセントとしてレザーを使用するなど、このようなミスマッチ手法はコーチの魅力です。さらにコーチは使用しているレザーに大変なこだわりを持っており、信頼性と品質においては世界でもトップクラスといえます。財布にはカーフを主に使用しており、使えば使うほど味が出てきます。また丈夫で肌触りがよいので、長い間愛用することが出来ます。
新デザイナー、ボニー・カシン
1962年、新デザイナーとして「ボニー・カシン(BonnieCashin)」を迎えました。現在もコーチバッグの象徴となっている「ドッグリーシュ」の金具やオープンカーのルーフからヒントを得たという「ターンロック」を考案したのが、彼女です。コーチ初めての広告をニューヨークに展開した1963年には、「カシン・キャリー」を発表します。ボニー・カシンが、女性のための実用的なバッグを作りたいという思いから、買い物袋にヒントを得て考案したこの製品は、外側につけられた小銭入れと丈夫なハンドルで高い機能性を備え、大ヒットとなりました。
彼女はさらに、カジュアルファッションが流行した1973年に、「ダッフルサック」を発表します。グラブタンレザーの品質の良さが発揮されたこのバッグは、使うほどに味わい深くなる質感と、機能的でスポーティなデザインが合わさり、女性たちの間で爆発的なヒットとなりました。数々のヒット商品を生み出したボニー・カシンは、飽きの来ないデザインで女性たちの心をつかみ、コーチのブランドデザインと一流ブランドとしてのイメージを確立させました。そして1979年、その後コーチが世界的に展開していくきっかけを作ったルイス・フランクフォートが入社しました。
日本のアニメキャラクターのコラボで見るコーチの歴史
コーチは海外だけでなく、日本への進出も果たしてきました。1980年代に日本へ展開して以降、深い関係を築きあげてきたコーチは、近年でも日本のアニメキャラクターとコラボするなど話題となりました。
【2019年】日本アニメ「NARUTO」とコラボ
2019年10月頃、コーチのエグゼクティブ・アンバサダーであるマイケル・B・ジョーダンの大好きなアニメ「NARUTO」とコラボしたアイテムが発表されました。アニメとブランドという異色のコラボは、ネット上でも大きな話題になりました。常識に捉われないコーチの思想が、こういった異色のコラボを再現しているのでしょう。
【2016年】日本ゲーム「パックマン」とコラボ
2016年、1980年代に登場した日本のゲーム「パックマン」とコーチがコラボしました。キャラクターロゴをあしらったキュートなデザインで、ポップな雰囲気が感じられるアイテムです。こうしたゲームとコラボする背景には、若年層を顧客として取り入れるブランドの戦略があります。実際に「パックマン」とのコラボアイテムは、若い女性を中心に人気がありました。
まとめ
今回はコーチの長い歴史について解説しました。1941年に創業され、およそ80年も続く長い歴史には、ブランドの拡大と消費者のニーズに応えるため、試行錯誤した先人たちの思いが刻まれていました。今後もコーチの歴史は長く続き、これからも多くの人々に愛され続けることでしょう。