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ロレックスの「シードゥエラー」と「サブマリーナー」の違いや人気モデルを解説

ロレックスの「シードゥエラー」と「サブマリーナー」の違いや人気モデルを解説
石山真路(いしやま しんじ)
記事の監修者
査定歴14年
石山真路(いしやま しんじ)

貴金属・ブランド品・時計など多彩な商材を長年取り扱い、市場動向や真贋判定に深い知見を持つ査定士。
豊富な経験に基づく正確な査定と丁寧な対応で信頼を得ています。最新の市場情報にも精通し、コラム監修では実践的な知識を発信しています。

ロレックスの二大ダイバーズウォッチ、「シードゥエラー」と「サブマリーナー」は、それぞれ異なる特徴を持っています。今回は、両モデルの違いや人気モデルをまとめました。なぜ多くの人に選ばれるのか、その魅力に迫ります。

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ロレックス「シードゥエラー」とは

深海での作業を想定して開発された「シードゥエラー(SEA-DWELLER)」は、ロレックスのダイバーズウォッチです。高い防水性能と堅牢性を備え、極限環境でも視認性を確保しています。

シードゥエラーの特徴

シードゥエラーは、ロレックスがダイバーのために開発したプロフェッショナルな潜水時計です。

ケース側面にはヘリウムガスエスケープバルブを備え、飽和潜水時に内部へ侵入したガスを自動的に排出します。この機構によって、減圧時に起こる風防破損を防ぐことが可能です。

さらに潜水技術の極限を体現した「シードゥエラー ディープシー」では、リングロックシステムを採用し、極限の水圧にも耐えうる強度を実現しています。

シードゥエラーの歴史

深海での過酷な任務に耐えうる時計として、シードゥエラーは1967年に誕生しました。

フランスの海洋調査企業コメックスとの共同開発により、飽和潜水時の風防破損を防ぐためのヘリウムガスエスケープバルブを採用しています。

初代モデルは610メートル防水を実現し、1978年には1,220メートル、さらに2008年には3,900メートルへと進化しました。限界を超えた防水性能への追求が、シードゥエラーの歩みを導いてきたといえるでしょう。

ディープシー チャレンジ 極限深度用の実験的ダイバーズウォッチ、11,000m防水を実現

ロレックス「サブマリーナー」とは

ロレックス初のダイバーズウォッチ「サブマリーナー(SUBMARINER)」は、まさに原点といえる存在です。多くのプロフェッショナルや愛好家に支持され続ける、伝統的ダイバーズだといえるでしょう。

サブマリーナーの特徴

サブマリーナーは、プロダイバーのために設計された本格的なダイバーズウォッチです。防水性能・耐久性・視認性を兼ね備え、過酷な環境下でも高い信頼性を発揮します。

逆回転防止ベゼルを採用し、潜水中の経過時間を安全に測定できます。さらに、トリプロックリューズによって気密性を高め、水深300メートルの防水性能を確保しました。

クロマライト夜光を用いた文字盤は暗闇でも鮮明に時を示し、実用性の高さを物語っています。

サブマリーナーの歴史

サブマリーナーの歴史は、ロレックスが1926年に開発した完全防水構造「オイスターケース」に端を発します。

1953年、水深100メートル防水と回転ベゼルを備えた初代モデル「Ref.6204」が完成し、翌年に世界初の本格ダイバーズウォッチとして発表されました。

その後も改良を重ね、防水性能は300メートルにまで高められています。誕生から70年以上が経つ今も、その確かな品質が高く評価されています。

オイスターケース 世界初の防水・防塵構造を採用した腕時計ケース

シードゥエラーとサブマリーナーの違い

一見よく似たシードゥエラーとサブマリーナーですが、その設計思想は明確に異なります。ロレックスを象徴するダイバーズウォッチですが、それぞれが担う役割を見ていきましょう。

ベゼル

シードゥエラーとサブマリーナーは、ベゼルの仕様に違いがあります。シードゥエラーは深海での長時間潜水を想定しているため、ベゼル全体に分刻みの目盛りを刻んでいます。

より精密な時間管理を可能にする仕様であり、プロフェッショナルユースに応える構造だといえるでしょう。

一方、サブマリーナーは潜水時間の計測を重視し、最初の15分間のみ分刻みの目盛りを採用しています。潜水時に最も重要とされる時間帯を素早く確認できる実用的な設計です。

どちらもセラミック製の逆回転防止ベゼルを備え、過酷な環境下でも高い信頼性を保っています。

目盛り シードゥエラー 1周すべて
サブマリーナー 15分まで

防水性

サブマリーナーとシードゥエラーでは、防水性能に大きな差があります。シードゥエラーは1,220メートル、サブマリーナーが300メートル防水です。

約4倍もの性能差は、極限環境での使用を想定した構造によるものです。

この差は、ロレックス独自の「ヘリウムエスケープバルブ」によって生まれています。かつてはシードゥエラー専用の機構でしたが、現在は一部のサブマリーナーにも採用されています。

ケースの9時位置に設けられたバルブが、潜水時に侵入したヘリウムガスを自動的に排出し、浮上時の気圧差による破損を防ぎます。

ヘリウムガスエスケープバルブ シードゥエラー あり
サブマリーナー 搭載モデルあり

バックル&ブレス

どちらもロレックス独自のバックル機構を備えていますが、細部の設計に違いがあります。

両モデルに共通しているのは、工具を使わずにブレスレットの長さを微調整できる「グライドロッククラスプ」です。これにより、着用時の快適さを簡単に調整できます。

一方で、シードゥエラーには「フリップロックエクステンションリンク」が追加されており、ダイビングスーツの上からでも装着できるよう約2センチの延長が可能です。

サブマリーナーには基本的に搭載されていないため、プロダイバーの使用環境を前提としたシードゥエラーならではの実用的構造といえます。

フリップロックエクステンションリンク シードゥエラー 非搭載モデルあり
サブマリーナー なし

サイクロップレンズ

サイクロップレンズとは、ロレックスの風防に取り付けられた小さな拡大レンズのことです。日付を約2.5倍に拡大して視認性を高める役割を持っています。

サブマリーナーには当初から採用されていますが、シードゥエラーには搭載されていませんでした。これは、深海での高い水圧に耐えるためにレンズを排した設計が求められたためです。

しかし、2017年に登場した「Ref.126600」では、強化されたサファイアクリスタルにより搭載が実現しました。現在では両モデルともサイクロップレンズを備えています。

サイクロップレンズ シードゥエラー 非搭載モデルあり
サブマリーナー あり

サイズ

デザインが似ている両モデルですが、ケースサイズと厚みにも違いが表れています。

現行モデルで比較した際、シードゥエラー「Ref.126600」は直径43ミリ、厚さ約15ミリとやや大ぶりで、深海での使用を想定した堅牢な構造になっています。

一方、サブマリーナー「Ref.124060」の現行モデルは直径41ミリ、厚さ約12.5ミリで、日常でも扱いやすいバランスの取れた設計です。

ケースサイズ シードゥエラー 40・43 mm
サブマリーナー 37~41 mm

ロレックス ダイバーズウォッチの系譜

ロレックスのダイバーズウォッチは、サブマリーナーからシードゥエラーに進化し、ディープシーを生み出しています。それぞれのモデルの特徴と違いを一覧にまとめました。

サブマリーナー シードゥエラー ディープシー
系統 ベーシック プロ仕様 超深海仕様
登場年 1953年 1967年 2008年
防水性 300 m 610~1,220 m 3,900 m
拡大鏡 あり 非搭載モデルあり なし
仕様 日常使いもしやすい ヘリウム排出バルブ搭載 極限の深海環境に対応
特徴 初の本格ダイバーズ 飽和潜水が可能 シードゥエラーの派生モデル

シードゥエラーの人気モデル3選

シードゥエラーの人気モデルを取り上げました。深海仕様のプロフェッショナルな実力を維持しつつ、日常でも使いやすい設計になっています。ここで紹介するのは、2025年11月時点の現行モデルとその定価です。

シードゥエラー / Ref. 126600

シードゥエラー「Ref.126600」は、ロレックス50周年を記念して2017年に登場しました。ムーブメントには高精度のcal.3235を採用し、技術面で進化しています。

さらに「赤シード」と呼ばれる赤文字のデザインが復活し、黒文字盤にアクセントを加えています。従来モデルのフリップロックエクステンションリンクは廃止されましたが、普段使いからダイビングまで幅広く対応できます。

定価 2,022,900 円
素材 ステンレススチール
ケースサイズ 43 mm
ムーブメント Cal.3235
パワーリザーブ 約 70 時間
防水性 1,220 m(ヘリウム排出バルブ)

シードゥエラー / Ref. 126603

2019年に登場した「Ref.126603」は、ロレゾール(コンビ)モデルです。ステンレススチールとイエローゴールドを組み合わせ、耐久性と上品さを両立させています。

ケースにセラミックベゼルを備え、深海でも正確に時間を計測できます。クロマライトディスプレイは暗所で最長8時間光り、防水性能と長時間駆動を可能にしました。

ブレスレットは工具なしで長さを調整でき、ウェットスーツの上からも快適に装着できます。

定価 2,986,500 円
素材 ステンレススチール × イエローゴールド
ケースサイズ 43 mm
ムーブメント Cal.3235
パワーリザーブ 約 70 時間
防水性 1,220 m(ヘリウム排出バルブ)

シードゥエラー ディープシー / Ref. 136660

2022年に深海探査を目的に開発された「Ref.136660」はディープシーモデルです。驚異的な防水性能を備え、極限の水圧にも耐えられる設計となっています。

ヘリウム排出バルブとリングロックシステムにより、高度なプロ仕様を実現しました。内部のムーブメントは長時間の駆動を可能にし、暗所でも視認性を確保しています。

文字盤はDブルーとブラックから選べ、深海を思わせるスタイリッシュな色合いが印象的です。

定価  2,208,800 円
素材 ステンレススチール
ケースサイズ 43 mm
ムーブメント Cal.3235
パワーリザーブ 約 70 時間
防水性 3,900 m(ヘリウム排出バルブ)

サブマリーナーの人気モデル3選

サブマリーナーは伝統的なデザインと日常での使用に適した実用性があります。耐水性能はシードゥエラーに劣りますが、幅広いシーンで活躍します。ここで紹介するのは、2025年11月時点の現行モデルと定価です。

サブマリーナー / Ref. 124060

2020年に登場した「Ref.124060」日付表示のないノンデイトモデルです。サブマリーナーとして初めて41ミリケースを採用し、存在感あるデザインが注目を集めました。

内部には最新のクロノメーターを搭載し、長時間の駆動が可能です。シンプルな外観ながら視認性に優れ、日常からアクティブなシーンまで幅広く対応できます。

定評ある耐久性と精度を兼ね備えたモデルとして、多くのコレクターに選ばれています。

定価 1,400,300 円
素材 ステンレススチール
ケースサイズ 41 mm
ムーブメント Cal.3230
パワーリザーブ 約 70 時間
防水性 300 m

サブマリーナー デイト / Ref. 126610LN

サブマリーナー デイト「Ref.126610LN」は、日付表示を備えたデイトモデルとして高い人気があります。サイクロップレンズにより日付の視認性が向上し、日常でも利便性を発揮してくれるでしょう。

内部には最新のcal.3235クロノメーターを搭載し、長時間の駆動が可能です。洗練されたデザインに日付表示が加わり、ダイバーズウォッチ界でベンチマークとされる存在です。

定価 1,570,800 円
素材 ステンレススチール
ケースサイズ 41 mm
ムーブメント Cal.3235
パワーリザーブ 約 70 時間
防水性 300 m

サブマリーナー デイト / Ref. 126610LV

サブマリーナー デイト「Ref.126610LV」は、グリーンカラーのセラミックベゼルを備えた上位モデルです。2003年の50周年記念モデルを継承する3世代目として登場し、洗練されたデザインと高い視認性を両立させました。

型番の「LV」はフランス語でグリーンベゼルを意味し、これはロレックスのコーポレートカラーです。通称「グリーンサブ」と呼ばれ、その限定的な流通と注目度の高さから、コレクション価値も保たれています。

定価 1,648,900 円
素材 ステンレススチール
ケースサイズ 41 mm
ムーブメント Cal.3235
パワーリザーブ 約 70 時間
防水性 300 m

まとめ

シードゥエラーとサブマリーナーは、どちらもロレックスを代表するダイバーズウォッチです。

耐水性や仕様に違いはあるものの、それぞれのモデルを比べることで設計思想や性能の差が明確になり、個々の魅力を理解できるでしょう。

石山真路(いしやま しんじ)
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