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ロレックス エクスプローラー Ⅱとは?

エクスプローラー IIは、洞窟探検や極地での活動を行う冒険家のニーズに応え、ロレックスが1971年に開発したプロフェッショナルモデルです。
昼夜の区別がつきにくい暗闇や白夜の環境でも正確に時刻を把握できるよう、通常の時針とは別に24時間で一周する矢印型のGMT針を搭載しています。
また、文字盤の外周には24時間目盛りが刻まれた固定ベゼルが備えられているのも特徴です。
エクスプローラー Ⅱの特徴

エクスプローラー Ⅱといえば、2か国の時間を同時に表示できる実用性の高さと、ロレックス独自のステンレススチールによる優れた耐久性が大きな特徴です。ここでは、この2つのポイントについて詳しくご紹介します。
実用性が高い
エクスプローラー Ⅱは、高い視認性とGMT機能を備えた非常に実用的なモデルとして知られています。
例えば、第二世代以降のモデル(Ref.16550以降)では、GMT針を使って2つ目の時間帯を表示することが可能です。
具体的には、GMT針が24時間で一周し、固定式24時間ベゼルと組み合わせて現地時間と自国時間など2つの時間帯を同時に確認できます。
この機能により、旅行中でも分針やGMT針を動かさずに、時針だけを調整して現地時間を簡単に設定できます。
耐久性が高い
エクスプローラー Ⅱは、ロレックスが誇る堅牢性を追求したモデルです。
ケースには、ステンレススチールの中でも特に錆や腐食に強い「オイスタースチール」が採用されています。この素材は、一般的な時計と比べても非常に優れた耐久性を誇っています。
また、スポーツやアウトドアなど過酷な環境でも破損しにくい設計が特徴です。
「高級時計は壊れやすい」というイメージを覆し、普段使いはもちろん、アウトドアシーンでも安心してお使いいただける堅牢性を備えています。
エクスプローラー Ⅱが人気ない・ダサいと言われる理由

エクスプローラー IIは、一部の方から「人気がない」「デザインがダサい」といった否定的な意見を持たれることがあります。では、なぜそのような評価を受けるのでしょうか。
ここでは、主に考えられる3つの理由について解説します。
ビジネスシーンに合わないため
エクスプローラー Ⅱは、その機械的なイメージからビジネスシーンには適さないと感じる方も多いようです。
特にスーツに合わせる時計は、シンプルなドレスウォッチが好まれる傾向があります。
そのため、エクスプローラー Ⅱのベゼルに刻まれた目盛りや、24時間表示の赤またはオレンジのGMT針がスポーティーな印象を与え、「スーツに合わせにくい」と評価される理由の一つとなっています。
サイズが大きく着けにくいため
現行のエクスプローラー IIはケース径が42mmとやや大きめで、腕が細い方には着けづらく感じられることがあります。
一方で、デイトナやGMTマスター IIは40mm、サブマリーナーデイトは41mmと、エクスプローラー IIに比べてややコンパクトなサイズです。
また、ケースの厚みも比較的しっかりしているため、腕時計としての存在感が強く、「大きすぎる」と感じる方も少なくありません。
普段使わない機能がついているため
エクスプローラー Ⅱに搭載されている独特な機能について、日常使いには不要と感じる方も多いかもしれません。
例えば、暗闇でも視認しやすいシンプルな文字盤や、昼夜を判別できるGMT針、24時間目盛りのベゼルなどの機能は、特殊な環境で使う場合には便利ですが、一般的な環境では必要性が低いでしょう。
こうした理由から、エクスプローラー Ⅱは「普段使いしにくい」「特定の場面で浮いてしまう」と評価されることがあります。
エクスプローラー Ⅱの歴代モデルとサイズ
エクスプローラー IIは、1971年の初登場以来、50年以上の歴史を持ち、第一世代から第五世代までのモデルが発表されてきました。ここでは、歴代モデルとそのサイズについてご紹介します。
エクスプローラー Ⅱ Ref.1655

初代エクスプローラー Ⅱ(Ref.1655)は、24時間針が独立して操作できない仕様でした。
固定された24時間ベゼルと連動して昼夜を判別する構造が採用されており、過酷な環境下での使用を想定した設計です。
スクエア型のインデックスやオレンジ色の矢印形24時間針が視覚的な特徴で、トリチウム夜光のアワーマーカーを備え、暗所での視認性にも配慮されています。
| サイズ | ケース径:約39mm/ケース厚:約13mm |
エクスプローラー Ⅱ Ref.16550

1985年に登場した第二世代のエクスプローラー Ⅱ(Ref.16550)は、24時間針が独立して調整可能となり、正真正銘のGMTウォッチへと進化しました。
ケース径は40mm前後に拡大され、風防も従来のプラスチック製から耐傷性の高いサファイアクリスタルに改良されています。
さらに、視認性を高めたメルセデス針や、ホワイトの「ポーラーダイヤル」が新たに採用され、機能性とファッション性の両立が図られています。
| サイズ | ケース径:約40mm/ケース厚:約12.5mm |
エクスプローラー Ⅱ Ref.16570

第3世代のエクスプローラー II(Ref.16570)は、1989年に登場してから20年以上にわたり生産され続けたロングセラーモデルです。
ムーブメントは、初期のCal.3185から後期にはCal.3186へとアップデートされ、信頼性がさらに向上しました。
また、夜光塗料も「トリチウム」から「ルミノバ」、さらに「スーパールミノバ」へと段階的に変更され、視認性と安全性の両面で改良が加えられています。
ダイヤルはブラックとホワイトの2色展開で、特にホワイトダイヤルには黒縁のインデックスが採用されており、高いコントラストによって視認性が改善しています。
| サイズ | ケース径:40mm/ケース厚:約12mm |
エクスプローラー Ⅱ Ref.216570

2011年に登場した第4世代のエクスプローラー Ⅱ(Ref.216570)は、ケースサイズが従来の40mmから42mmへと拡大され、より存在感のあるモデルへと発展しました。
針やインデックスも大型化され、「マキシダイヤル」と呼ばれる力強いデザインへと進化したのです。夜光塗料にはクロマライトが採用され、青く発光し、長時間にわたって視認性を保ちます。
ムーブメントは、耐衝撃性に優れたパラフレックス・ショックアブソーバーを搭載したCal.3187にアップグレードされており、過酷な環境でも安心して使用できる高い信頼性を備えています。
| サイズ | ケース径:42mm/ケース厚:約12.5mm |
エクスプローラー Ⅱ Ref.226570

2021年に登場したRef.226570は、エクスプローラー Ⅱ誕生50周年を記念して開発された現行モデルです。
ホワイトダイヤルにはマットブラックの針とインデックスが組み合わされており、視認性の高いデザインが特徴です。
最新のオイスタークラスプと5mm延長可能なイージーリンクを備えており、利便性にも優れています。新開発のCal.3285ムーブメントを搭載し、パワーリザーブは約70時間です。
また、耐磁性や耐衝撃性も強化され、精度は日差±2秒以内と高い信頼性を誇ります。
| サイズ | ケース径:42mm/ケース厚:約12.5mm |
エクスプローラー Ⅱとほかのモデルとの違い

エクスプローラー Ⅱには、GMT機能や資産価値においてほかのモデルとは異なる特徴があります。ここでは、その2つのポイントについて詳しく解説します。
機能面
エクスプローラー ⅡのGMT機能は、24時間針と固定式24時間ベゼルの組み合わせが特徴です。
この設計は、洞窟や極地探検などで昼夜の判別が難しい環境を想定しており、日本時間と現地時間など、2つの時間帯を簡単に把握できます。
一方で、GMTマスター ⅡにもGMT機能は搭載されていますが、こちらは固定式ではなく双方向回転式の24時間ベゼルを備えており、複数のタイムゾーンを表示できるため、主に旅行者に適したモデルとなっています。
資産価値
資産価値の観点から見ると、同じプロフェッショナルモデルのなかでは、デイトナやGMTマスター Ⅱ、サブマリーナーが特に高い注目を集めています。
それらと比較すると、エクスプローラーⅡはやや割安な印象を受けますが、Ref.1655やRef.16550といった初期モデルでは、300万円以上で取引されるケースもあります。
確かに、エクスプローラー Ⅱで中古市場価格が500万円を超えるモデルは多くありませんが、近年は徐々に価格が上昇傾向にあるのです。
エクスプローラー Ⅱがおすすめな人

エクスプローラー Ⅱは、高い機能性と堅牢性を備えた42mmの大型モデルであり、以下のような方におすすめです。
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・冒険やアウトドアで使用できる、タフな腕時計を求めている方 ・海外出張や旅行などで、複数のタイムゾーンを使い分けたいビジネスパーソン ・個性的で、人と被りにくいロレックスを身につけたい「通」な方 ・男性向けのボリューム感のあるモデルを好む方や、腕回りがしっかりしている方 |
また、ロレックスの中では比較的購入しやすい価格帯で、同じムーブメントを搭載するGMTマスターIIよりもやや安価な傾向があります。初めてのプロフェッショナルモデルとしてもおすすめできる一本です。
エクスプローラー Ⅱに関するよくあるQ&A

エクスプローラー Ⅱについてよくある質問に、買取相場やエクスプローラーⅠとの違いがあります。ここでは、この2つのポイントについて詳しく解説していきます。
エクスプローラー Ⅱの買取価格相場は?
エクスプローラー Ⅱは、中古市場における買取相場も近年高騰しています。
例えば、初代モデル(Ref.1655)や第二世代(Ref.16550)のようなアンティークモデルは希少価値が高く、300万円以上の高額で取引されるケースもあるのです。
現行モデル(Ref.226570)については、新作としての人気もあり、中古市場でも安定して180~200万円前後で取引されています。
エクスプローラーⅠとの違いは?
エクスプローラー Iは36mm(近年は40mmモデルもあり)のケースに黒文字盤、3・6・9のアラビア数字インデックスを備え、日付表示のない潔いデザインです。
一方、エクスプローラー IIは42mm(旧モデルは40mm)ケースに24時間目盛り付き固定ベゼルと24時間針を装備し、3時位置に日付窓があります。文字盤は黒のほか、視認性の高い白も展開しています。
まとめ
今回はエクスプローラー Ⅱについてご紹介しました。
このモデルは、機械的なデザインがビジネスシーンには合いにくいと感じる人もいますが、機能性と耐久性に優れ、アウトドアや旅行好きにおすすめの一本です。


