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ロレックスが正規店で買えない理由

ロレックスが正規店でなかなか購入できない理由として、以下の4点が挙げられます。
・需要と供給のバランスが崩れている
・人気モデルの在庫がない
・購入制限がある
・転売・投機目的の購入者が多い
ここからは、それぞれの理由について詳しく解説していきます。
需要と供給のバランスが崩れている
ロレックスが手に入りにくい最大の理由は、需要と供給のバランスが大きく崩れていることにあります。
ロレックスの時計は、熟練した職人の手作業によって製造されているため、大量生産ができません。さらに、世界トップクラスの人気ブランドであるため、需要が供給を大きく上回る状況が続いているのです。
その結果、正規店では人気モデルが常に品薄となっており、なかなか手に入れられないのが現状です。
職人が手作業で製造している
ロレックスの時計製造には、高度な技術を持つ職人の手作業が多く取り入れられています。
例えば、「組み立て・調整」や「ケースの仕上げ」、「文字盤の制作」など、多くの工程で熟練した職人の技術が欠かせません。加えて、職人の育成には長い時間が必要なため、生産量を急激に増やすことは難しいのです。
このように、ロレックスの時計は職人の技術によって品質が支えられているため、どうしても生産数に制限をかける必要があるのです。
世界トップクラスの人気がある
ロレックスは、世界最大級の腕時計マーケット「Chrono24」において、世界シェア1位を獲得するほどの圧倒的な人気を誇ります。
この実績は、ロレックスのブランド力を証明するものでもありますが、その背景にはさまざまな要因が関係しているのです。
例えば、テレビ番組やSNSの影響により、有名人がロレックスを身に着けている姿が多く見られるようになり、幅広い世代から注目を集めるブランドとなりました。
さらに、生産数が限られていることから希少性が高く、実物資産としての価値も認められており、投資目的で購入する人も増えています。
このように、ロレックスの人気はブランド力だけでなく、メディアの影響や資産価値の高さなど、さまざまな要素が組み合わさった結果なのです。
人気モデルの在庫がない
特に人気の高いプロフェッショナルモデルでは需要が過熱し、常に品薄状態が続いています。主な理由は以下のとおりです。
・生産本数が少ない
例えば「デイトナ」や「GMTマスター Ⅱ」などのプロフェッショナルモデルは、ロレックスの中でも年間生産数が限られています。
これは、高度な機能性を実現するために複雑な製造工程が必要であり、その結果、需要に対して供給が追いつかず入手しにくい傾向にあるのです。
・中古市場の取引
供給が不足すると市場価格は高騰し、中古市場でも高値で取引されるようになります。そのため、ロレックス愛好家だけでなく、転売や投資を目的とした購入者も増加し、在庫不足に拍車をかけているのです。
こうした転売目的の購入を抑制するため、近年では日本国内の正規販売店で独自の購入制限が設けられるようになりました。
購入制限がある
2024年12月、日本国内のロレックス正規店では、全モデルを対象とした購入制限が導入されました。
これは、2019年11月に一部の人気モデル(デイトナ、GMTマスター II、サブマリーナなど)に対して導入された購入制限のルールを引き継いだものです。主なルールは以下のとおりです。
| モデル | 購入制限 | 購入時のルール |
|---|---|---|
| 一部の人気モデル |
・1人につき1点のみ購入可能 ・2本目の購入は1年間禁止 ・同じ型番は5年間の購入制限 |
・顔写真付きの身分証明書の提示が必須 ・本人確認書類と同一名義のクレジットカードのみ使用可能(※) ・購入制限の内容に関する同意書への署名が必要 |
| その他のモデル |
・1人につき1点のみ購入可能 ・2本目の購入は6カ月間禁止 ・同じ型番は1年間の購入制限 |
※現金と併用できるほか、デビットカードが使える場合もあります。
この購入制限は、転売を防止し、ロレックス愛好家の方々に公平に届けることを目的としています。
しかし、制限が厳しいため、転売目的の購入者だけでなく、本来の利用目的で購入を希望する一般ユーザーも入手が困難な状況が続いているのです。
転売・投機目的の購入者が多い
ロレックス正規店での購入が難しくなる中、転売目的で購入する人が増加しています。
転売業者は、正規店で手に入れたロレックスを中古市場やオンラインプラットフォームで高値で販売し、利益を得ることを狙っています。特に人気モデルは定価の数倍で取引されるケースも珍しくはなく、高い利益率が期待できるのです。
ロレックス側もファンに時計を届けたいという想いから購入制限を設けていますが、転売を完全に防ぐことは非常に難しいのが現状です。
その結果、真剣に時計を購入したい顧客が正規店で購入できる機会が減り、市場の歪みが拡大する悪循環が続いています。
ロレックスで在庫がないと言われるのは噓?

ロレックスの在庫がないという話について、「実は在庫を隠しているのではないか」といった噂が一時期流れました。ここでは、ロレックス側の見解と、正規店での在庫確認時にスタッフがどのように対応しているかについて詳しく解説します。
噂の見解とロレックス側の意見
ロレックスの品薄問題について、ユーザーの間では「正規店が意図的に在庫を管理している」「特定の顧客に優先的に販売している」などの憶測が広まっています。
しかし、2021年にロレックスは公式声明を発表し、これらの噂を明確に否定しました。
声明の中でロレックスは、「妥協のない製品を作り続けているため、急増する需要に供給が追いついていない」と説明しており、不公平な販売戦略を行っているわけではないとしています。
つまり、これらの噂は根拠のないものであることが明らかになりました。
在庫確認時のスタッフの対応
ロレックス正規店でスタッフが「在庫を確認してきます」と伝える場合、実際に在庫の有無を調べている可能性があります。
たとえ在庫がないとわかっていても、確認せずにすぐ「在庫はありません」と答えてしまうと、顧客が不快に感じることがあるかもしれません。
しかし、一度しっかり確認したうえで「在庫はありません」と伝えれば、顧客も納得しやすくなるでしょう。この対応は、ロレックス正規店の接客プロセスの一環であり、顧客満足度を高めるための配慮と考えられます。
ロレックスで在庫がないと言われやすいモデル
特に在庫がないと言われているのが、コスモグラフ デイトナ、サブマリーナー、GMTマスター Ⅱの3つの人気プロフェッショナルモデルです。ここでは、この3つのモデルについて詳しく解説していきます。
コスモグラフ デイトナ

コスモグラフ デイトナは、ロレックス正規店での購入が極めて難しいモデルです。入荷してもすぐに完売してしまい、店頭で出会える機会は非常に限られています。
これは、ロレックスを代表する圧倒的なブランド価値が背景にあります。世界中の著名人や時計愛好家から高く支持されており、需要が非常に高いのです。
また、デイトナに搭載されているクロノグラフ機構は製造が非常に複雑で、高度な技術と時間を要すため、生産数が限定されます。その結果、慢性的な品薄状態が続いているのです。
さらに、中古市場では希少性から定価の数倍で取引されることもあり、転売業者も多いため、正規店での購入は一層困難になっています。
サブマリーナー

サブマリーナーも、ロレックス正規店での購入が非常に難しいモデルのひとつです。
ダイバーズウォッチとしての高い性能と完成されたデザインが世界中で支持され、需要は常に高い状態が続いています。
特に人気が集中しているのが、グリーンサブと呼ばれるグリーンベゼルのモデルです。
現行の「スターバックス(Ref.126610LV)」は、その特徴的なカラーリングと希少性から注目を集めており、正規店での入手は一層困難となっています。
そのうえ、中古市場での高値取引や多くの転売業者が参入していることも、実需層にとっての競争率を高めています。
GMTマスター Ⅱ

GMTマスター Ⅱも、デイトナやサブマリーナ―と同様に、正規店での購入が非常に難しいモデルです。
複数の時刻を表示できるGMT機能を搭載しており、複雑なムーブメントの製造には高い技術と時間が必要のため、生産数も制限されます。
特に「ペプシ」(赤青ベゼル)や「バットマン」(青黒ベゼル)といった人気バリエーションは国内外で需要が高く、常に品薄が続いているのです。加えて、中古市場での価格高騰や転売業者の増加も、正規店での供給不足を一層深刻化させています。
ロレックスで買いやすいモデル
ロレックス正規店で比較的購入しやすいとされているモデルには、オイスター パーペチュアル、エアキング、デイトジャストがあります。ここでは、この3つのモデルについて詳しく解説していきます。
オイスター パーペチュアル

オイスター パーペチュアルは、ロレックスのエントリーモデルに分類されており、生産数も比較的多いため、正規店でも手に入りやすい傾向があります。
また、プロフェッショナルモデルと比べて価格が控えめであり、転売や投資を目的とした需要もそれほど高くありません。さらに、サイズや文字盤カラーなどのバリエーションが豊富なため、特定のモデルに人気が集中して極端に品薄になるケースは少ないといえます。
ただし、ターコイズブルーやグリーンといった一部の人気カラーは、依然として入手が難しく、中古市場ではプレミア価格で取引されています。
エアキング

エアキングはプロフェッショナルモデルに分類されますが、ほかの人気モデルと比べると、需要はそれほど過熱していません。
また、オイスター パーペチュアルと同様に価格が比較的控えめであり、転売や投資目的の需要もそこまで高くないため、正規店での入手難易度はやや低めといえるでしょう。
とはいえ、ロレックス全体が品薄状態にある現在、初来店で購入できるケースは少なく、継続的なロレックスマラソンが必要になるかもしれません。
デイトジャスト

デイトジャストも、ロレックスの中では比較的手に入りやすいモデルのひとつです。
オイスター パーペチュアルやエアキングと同様に生産数が多く、供給も安定しています。さらに、サイズや文字盤、素材などバリエーションが非常に豊富なため、人気が特定のモデルに集中しにくい点も特徴です。
その結果、中古市場での価格高騰も比較的穏やかで、転売目的の需要も抑えられています。
ただし、デイトジャストの中でも人気の高い仕様(例えばブルー文字盤やフルーテッドベゼルなど)は、入手が難しいこともあるのです。早く手に入れたい場合は、モデルや条件にある程度柔軟性を持たせつつ、根気よく店舗を巡ることをおすすめします。
【売ってくれない?】ロレックスを買える人の特徴

ロレックスを正規店で購入できる確率を高めるには、まず店舗スタッフとの信頼関係を築くことがポイントです。ここでは、実際にロレックスを購入している人たちに共通する5つの特徴について詳しく解説していきます。
ロレックスマラソンを行っている
ロレックスの正規品を手に入れている人の多くは、地道に「ロレックスマラソン」を行っているのが特徴です。
これは、複数の正規販売店を回ったり、特定の店舗に頻繁に通ったりする活動を指します。このような行動を続ける人たちは「ランナー」と呼ばれ、欲しかったモデルを購入できた際には「完走」と表現されます。
一見すると、簡単にロレックスを購入できているように見えても、実際にはこのような地道な努力を重ねた結果であることが多いのです。
平均して2カ月以上かかると言われているため、欲しいモデルがある場合は、焦らず気長に続けましょう。
スタッフと関係を構築している
ロレックスを正規店で購入できている人の多くは、店舗スタッフとのコミュニケーションを大切にし、信頼関係を築く努力をしています。
信頼される顧客となるためには、以下のポイントを意識すると良いでしょう。
・身だしなみを整えて来店する
・服装や靴にも気を配る
・名刺交換を行う
・支払いをスムーズに行う
第一印象が良いと、店舗スタッフに覚えてもらいやすくなります。
また、「在庫がありません」と断られた場合でも、謙虚で丁寧な対応を心がけることで、次回のチャンスにつながるかもしれません。
このように、スタッフとの良好な関係を築くことで、ロレックスを正規店で購入できる可能性が高くなるのです。
利用目的での購入意思を伝えている
ロレックスの正規店で購入できている人の多くは、純粋な利用目的をスタッフに正直に伝えているという共通点があります。
一方で、転売目的と疑われてしまうと、在庫があっても販売を断られる可能性があるため、注意が必要です。
店舗スタッフとの会話では、購入の動機や利用目的を明確に示し、誠意ある態度を心がけることで信頼を得やすくなります。
購入履歴がある
ロレックスは、過去に購入履歴がある顧客のほうが愛好家と判断されやすく、購入の確率が高い傾向にあります。
一定期間の購入制限が設けられているのも、転売対策の一環であり、本当にロレックスを愛する顧客に商品を届けたいという方針によるものです。
そのため、購入履歴のない新規顧客に対しては、愛好家か転売目的かの判断が難しく、店舗側が慎重になるケースもあります。
欲しいモデルを明確にしている
正規店でロレックスを購入するためには、欲しいモデルを明確にしておくことが重要です。
モデル名や型番、カラー、利用目的などを具体的に伝えましょう。モデルについて詳しく話せると、店舗スタッフに熱意が伝わりやすく、在庫を紹介してもらえる可能性が高まります。
そのため、欲しいモデルが決まったら、来店前にそのモデルについてしっかりと知識を深めておくことをおすすめします。
ロレックスを購入する方法

ロレックスを購入する方法として、主に以下の3つがあります。
・正規店に通って買う
・中古品を買う
・海外の正規店で買う
ここでは、それぞれの購入方法について詳しく解説していきます。
正規店に通って買う
ロレックスを正規店で購入するには、継続的に来店し、在庫状況を確認する姿勢が重要です。
正規店では、新たに入荷した人気モデルは、まず既存の顧客やリピーターに優先して案内される傾向があります。そのため、定期的に足を運び、店舗スタッフと信頼関係を築くことが購入への第一歩となります。
特に、スタッフと良好な関係を築けていれば、入荷情報を優先的に教えてもらえるかもしれません。
たとえ入手困難なモデルであっても、長期間あきらめずに通い続けていれば、いつかチャンスが巡ってくることもあるでしょう。
中古品を買う
正規店でロレックスを購入できない場合は、中古市場を検討するのもひとつです。
中古市場では、過去のモデルや生産終了モデルが見つかるケースもあり、幅広い時計の中から自分に合った一本を選べることが大きなメリットです。
また、未使用品やほとんど使用感のない良好な個体も多く流通しています。ただし、中古品には精巧な偽物も多いため、信頼できる業者を選ぶ必要があります。
鑑定書や保証書の有無、正規品であることの確認も忘れずに行いましょう。
海外の正規店で買う
ロレックスは世界的に需要が高く、特に日本国内では人気モデルの入手が非常に困難です。
一方で、海外の正規店では日本未入荷のモデルや珍しいデザインに出会えることがあります。
また、免税店を利用すれば、日本よりも安く購入できる場合もあるため、海外旅行の際にロレックスの正規店を訪れてもよいかもしれません。
ただし、購入金額によっては帰国後に消費税がかかることもあるため、最終的な費用も考慮して購入を検討しましょう。
ロレックスの購入に関するよくあるQ&A

ロレックスの購入に関して、「買えない状況は今後も続くか」「正規店で買える確率はどれぐらいか」といった質問がよく寄せられます。ここでは、この2つの疑問について回答していきます。
ロレックスが買えないのは今後も続く?
ロレックスが正規店でなかなか手に入らない状況は、今後も続くと見られています。
冒頭でも触れたとおり、ロレックスは熟練した職人による手作業の工程が多く、大量生産できません。さらに近年では、時計愛好家にとどまらず、投資目的で購入する人も世界的に増加しており、需要は年々高まっています。
ロレックス自身も、あくまで品質を最優先する姿勢を崩しておらず、生産数を大幅に増やすことは難しいのが現実です。そのため、需要に対して供給が追いつかない状況は、今後も長く続くと考えられるでしょう。
ロレックスを正規店で買える確率は?
ロレックスを正規店で購入できる確率は、非常に低いとされています。
その確率は店舗や地域、モデルによって異なりますが、一般的には1〜20%前後といわれているのです。
特に人気の高いデイトナなどのプロフェショナルモデルでは、購入確率が数%程度にとどまる一方、比較的落ち着いたエントリーモデルであっても20%前後と、決して高いとは言えません。
また、いわゆる「ロレックスマラソン」の頻度にもよりますが、2カ月以上通い続けてようやく購入できるケースが多いことからも、正規店での購入難易度が高いことがわかります。
まとめ
今回は、ロレックスが正規店で買えない理由について解説しました。
プロフェッショナルモデルの中でも特に人気の高い3モデルは、製造工程が複雑で生産数が限られています。さらに、中古市場でも高い需要があるため、品薄が続いています。
一方、エントリーモデルはこれらに比べると在庫が多いものの、必ずしも簡単に手に入るわけではありません。
もし欲しいモデルを正規店で購入したいのであれば、地道にロレックスマラソンを続けることが大切です。


