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時計のベゼルとは?意味・役割・種類・使い方まで徹底解説

時計のベゼルとは?意味・役割・種類・使い方まで徹底解説
石山真路(いしやま しんじ)
記事の監修者
査定歴15年
石山真路(いしやま しんじ)

貴金属・ブランド品・時計など多彩な商材を長年取り扱い、市場動向や真贋判定に深い知見を持つ査定士。
豊富な経験に基づく正確な査定と丁寧な対応で信頼を得ています。最新の市場情報にも精通し、コラム監修では実践的な知識を発信しています。

見た目を彩るだけでなく、時計の機能性を支える大切なパーツが「ベゼル」です。今回は、ベゼルの意味や役割をはじめ、種類ごとの特徴や実際の使い方まで、幅広く解説していきます。

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時計のベゼルとは?

ベゼルとは、文字盤の外周部に位置し、風防(ガラス)の外側を囲むパーツのことです。ここでは、そんなベゼルの意味や役割をはじめ、歴史や素材の違いまで詳しく掘り下げていきましょう。

ベゼルの意味と役割

もともとベゼルは風防を固定・安定させるためのパーツでしたが、腕時計の進化とともにその役割も広がってきました。

時計の多機能化が進むにつれ、ベゼルに目盛りを配置して計時機能を持たせたり、ダイヤモンドなどの宝石をあしらってデザイン性を高めたりと、多彩なバリエーションが登場しています。

ベゼルの歴史

ベゼルの歴史を振り返ると、時代とともに大きく役割が変化してきたことがわかります。

17~18世紀 懐中時計のケース構造の一部として用いられ、風防を保護するための実用的なパーツとして登場しました。
19世紀 時計の装飾性が高まり、ダイヤモンドなどをあしらった華やかなベゼルが増え、デザイン面での役割が広がりました。
20世紀 腕時計が普及し、ベゼルにも機能性が求められるようになりました。回転ベゼルや潜水時間計測など、機械的・実用的なパーツとして大きく発展した時代です。
現代 計時機能を備えたものからデザイン性を重視したものまでバリエーションが増え、用途やスタイルに応じて多様なタイプが存在します。

ベゼルの素材

ベゼルには、用途やデザインに合わせてさまざまな素材がラインナップされています。

ステンレススチール 最も一般的な素材で、耐久性に優れています。スポーツウォッチから日常使いまで幅広いモデルで採用されている点が特徴です。
チタン 軽量で強度も高く、アクティブなライフスタイルやアウトドア向けの時計に適しています。
ゴールド 高級感が魅力で、イエロー・ローズ・ホワイトなどの色展開があります。ラグジュアリーウォッチで定番の素材です。
セラミック 傷がつきにくく耐久性に優れており、近年は、高級時計やスポーツウォッチで特に人気があります。
宝石 ダイヤモンドなどをあしらった装飾性の高いタイプで、ジュエリーウォッチに多く見られる仕様です。
アルミ 軽量で加工しやすく、カラーバリエーションも豊富です。一方で退色や傷がつきやすく、経年変化が出やすい点には注意が必要です。

【機能】ベゼルの種類

近年のベゼルは、時速の計測や潜水時の経過時間管理、さらには異なるタイムゾーンの確認など、多彩な機能を備えています。ここでは、これらの機能別ベゼルを8種類ご紹介します。

タキメーターベゼル

タキメーターベゼルは、ベゼルに刻まれた速度換算目盛りとクロノグラフの針の位置によって、移動速度を読み取ることができるベゼルです。

既知の距離(一般的には1kmや1マイル)を移動し終えた時点でクロノグラフの針を止めると、針が指す目盛りから平均速度を確認できます。主にクロノグラフ(ストップウォッチ)機能を備えたモデルに採用されています。

逆回転防止ベゼル(ダイバーズタイプ)

逆回転防止ベゼルは、反時計回りにのみ回転するよう設計された、ダイバーズウォッチ特有の安全機構を備えたベゼルです。

潜水開始時に分針とベゼルの0位置(逆三角形)を合わせておくことで、潜水中はベゼルの目盛りから経過時間を読み取ることができます。

この構造は、誤ってベゼルが動いた場合でも残り時間を実際より長く表示してしまうことがないようにするためのもので、潜水時間を安全側に管理するための重要な仕組みです。

両方向回転ベゼル

両方向回転ベゼルは、時計回り・反時計回りのどちらにも回転できる仕様です。

時間の目安を把握するための機構ですが、逆回転防止ベゼルのようにダイビング用途を前提とした安全設計ではありません。用途はモデルによって異なり、経過時間の確認やカウントダウンなど、比較的自由度の高い時間管理に用いられます。

ロレックスのヨットマスターやターノグラフでは航海や作業時の時間把握に活用され、ミリタリーウォッチでは任務開始までのカウントダウンなどを目的に採用されるケースもあります。

GMTベゼル

GMTベゼルは、両方向に回転し、第二時間帯を表示できる多機能ベゼルです。

ベゼルには24時間表示がセットされており、GMT針が示す位置によって別のタイムゾーンを瞬時に確認できます。また、午前と午後が分かるように色分けされたモデルも存在します。

愛好家の間では、黒×赤の「コーク」、青×赤の「ペプシ」、黒×青の「バットマン」と呼ばれるカラーベゼルのモデルが特に人気です。

インナー回転ベゼル

インナー回転ベゼルは、外側のベゼルとは異なり、専用のリューズを操作することで風防の内側(ダイヤル外周部)に配置されたベゼルを回転させる構造を持っています。

ベゼルがケース内部に収められているため外観がすっきりするだけでなく、衝撃や誤操作による回転を防ぎやすく、防水性の確保にも有利といった実用面でのメリットもあります。

リングコマンドベゼル

リングコマンドベゼルは、ベゼル自体を回転させることでムーブメントの特定機能と連動させ、リューズ操作の目的を切り替えることができる特殊な機構です。

たとえばロレックスのスカイドゥエラーでは、ベゼルの回転段階に応じて「月日の設定」「ローカルタイム」「ホームタイム」の順に切り替わるようになっています。

このような仕組みを成立させるには非常に高度な製造技術が必要となるため、採用しているブランドは限られています。

カウントダウンベゼル

カウントダウンベゼルは、55〜0までの数字が5分刻みで時計回りに配されたベゼルで、一般的に両方向回転式が採用されています。

主にイベントや任務の開始までの残り時間を把握するための機能として使われます。特にミリタリーウォッチやパイロットウォッチで活用されてきた経緯がありました。

その性質から、現在でもミリタリーウォッチやパイロットウォッチに採用されることが多く、時間管理を重視する場面で重宝される実用的なベゼルです。

回転計算尺ベゼル

回転計算尺ベゼルは、腕時計に計算尺機能を組み込んだベゼルです。回転ベゼルとダイヤル上の目盛りを組み合わせることで、さまざまな計算や換算を行える構造になっています。

ベゼルの目盛りを操作するだけで、パイロットが飛行時に必要とする速度・距離・燃費などの計算を簡単に行えるように設計されています。

【デザイン】ベゼルの種類

鏡面のように滑らかなスムースベゼルや、ギザギザが特徴的なフルーテッドベゼルはよく目にするデザインです。ここでは、現行モデルから過去のラインナップまで、異なる特徴を持つ10種類のベゼルをご紹介します。

スムースベゼル

スムースベゼルは、表面が滑らかで装飾のないシンプルなデザインが特徴です。モデルによっては外観をすっきり見せるためにスムースベゼルを採用し、機能面はインナー回転ベゼルで補うこともあります。

また、IWCやノモスは視認性や上品さを重視してベゼルを薄く仕上げる一方、ウブロやオーデマ ピゲは個性を強調するために太めのデザインを採用しています。

このように、スムースベゼルはブランドのアイデンティティが表れやすい要素でもあります。

フルーテッドベゼル

フルーテッドベゼルは、縦じま模様を意味し、放射状のカッティングが目を引くデザインです。主にデイトジャストやデイデイトなど、ロレックスのドレスウォッチでよく採用されています。

近年ではスカイドゥエラーなどのスポーツモデルにも取り入れられていますが、基本的にはゴールド素材で見られることが多い、ハイエンド仕様のベゼルです。

エンジンターンドベゼル

エンジンターンドベゼルは、航空機のエンジンを思わせる規則的な幾何学模様が特徴で、この意匠からその名が付けられました。

見た目はフルーテッドベゼルに似ていますが、凹凸が控えめで、鋭いギザ形状は見られず、平面的な切り込みが規則正しく並んでいます。また、5分ごとにポリッシュ加工が施された面があしらわれています。

2000年代以前のエアキングやオイスターパーペチュアルに採用されていましたが、現行モデルでは使用されていません。

エングレーブドベゼル

エングレーブドベゼル(コレクター間での呼称)は、主に2000年代半ばまでロレックスのドレス系モデルに採用されていたデザインで、現行モデルでは見られなくなっています。

ステンレス製のベゼルに、控えめな縦溝の彫刻が施されている点が魅力で、フルーテッドベゼルと同じ「縦じま」の意匠を持ちながらも、より細かく落ち着いた表情を生み出します。

華美すぎない繊細さがあり、ステンレスならではの上品さとスポーティーさがほどよく両立したデザインです。

バークベゼル

バークとは「樹皮」を意味し、その名のとおり、不規則な凹凸が樹皮のように見えることから名付けられたベゼルです。

フルーテッドベゼルやエンジンターンドベゼルのように規則的な切り込みではなく、あえて不規則なパターンを施している点が特徴です。主に1970〜1990年代初頭にかけてのデイデイトやデイトジャストに多く採用された装飾で、独特の高級感と存在感を漂わせます。

また、バークベゼルを採用したロレックスでは、ブレスレットのセンターリンクにも同様の加工が施されていることが多く、統一感のあるデザインが魅力です。

コインエッジベゼル

コインエッジベゼルは、フルーテッドベゼルと同様に規則的な切り込みを持つデザインですが、より細かく丸みを帯びた彫りが特徴です。「ギザ10」と呼ばれるデザインに近いことから、この名で呼ばれています。

天才時計師ブレゲが広めた技法で、高級感を演出するだけでなく、光の反射を抑えて視認性を高める効果もあります。なお、この技法はベゼルよりもケースサイドに採用されることが多く、控えめながら上質なアクセントとして用いられているのです。

クル・ド・パリ

クル・ド・パリは、鋲打ち模様のような繊細な凹凸が施された装飾で、細かなピラミッド状の彫りが特徴です。もともとはギヨシェ彫りの代表的なパターンのひとつで、文字盤だけでなくベゼルやケース装飾として用いられることもあります。

パテック フィリップのカラトラバなど歴史的なモデルに採用されていることでも知られ、時計愛好家にとって魅力的な装飾技法のひとつといえるでしょう。

ビス止め

ビス止めベゼルは、オーデマ ピゲやウブロに多く見られるデザインで、ベゼルに等間隔でビスを配置した特徴的な仕様です。

ブランドごとに明確なコンセプトがあり、たとえばウブロでは「舷窓(げんそう)」をイメージしたデザインが採用されています。

また、ビスの向きや配置にも細かなこだわりがあり、単にベゼルを固定するだけでなく、ブランドの個性や美意識を表現する重要な要素となっています。

宝飾ベゼル

宝飾ベゼルとは、ダイヤモンドやサファイア、ルビーなどの貴石をあしらった華やかなベゼルを指します。

同じ宝石でも、バケットカット、ブリリアントカット、エメラルドカットなど加工方法によって印象が大きく異なり、多彩な表情を楽しめる点が魅力です。

また、宝石の色を活かしてカラフルなデザインに仕上げるなど、ブランドごとに個性的な「顔」が生まれるのも特徴です。見た目が非常に華やかで、特別感のあるベゼルです。

カーボンベゼル

カーボンベゼルとは、カーボンファイバーを素材に用いたベゼルのことです。

軽量でありながら非常に高い強度を持ち、レーシングマシンにも使われるほどの耐久性を誇ります。独特の折り目模様がデザインのアクセントとなり、スポーティーで個性的な印象を与えます。

代表的な例として、タグ・ホイヤーのカレラシリーズの一部バリエーションや、ウブロの「ビッグ・バン カーボン」などが挙げられます。

ベゼルに関するよくあるQ&A

ベゼルは時計のデザインや機能に大きく関わる重要なパーツですが、仕組みや使い方、刻まれた数字の意味など疑問を持つ方も多いです。ここでは、特に質問の多いポイントをQ&A形式でわかりやすく解説します。

回転ベゼルの使い方は?

回転ベゼルの用途は種類によって異なります。

ダイバーズウォッチ 潜水開始時に分針とベゼルの「▼」マークを合わせて使用し、経過時間を計測します。
GMTウォッチ リューズとベゼル操作を併用し、第二時間帯を表示するために使われます。
タキメーター 1kmの移動にかかった時間をクロノグラフで計測し、その値から平均速度を読み取ります。

ベゼルの数字に意味はある?

ベゼルに刻まれた数字も、モデルごとに異なる目的と意味を持っています。

ダイバーズウォッチ 0~60の分刻みになっているのは、潜水中の経過時間を直感的に把握しやすくするためです。
GMTウォッチ 0~24表記なのは、1日24時間で異なるタイムゾーンを管理するための仕様です。
タキメーター 「500」「60」「50」といった数字が並ぶのは、時速換算を目視で簡単に行えるように設計されているためです。

まとめ

ベゼルは、もともと風防を固定するためのパーツでしたが、現在ではデザイン性・機能性・耐久性が大きく進化しています。モデルによっては、経過時間の計測や時速の測定など、専門的な用途に対応したベゼルも多数備わっています。

時計を選ぶ際には、デザインだけでなくベゼルの種類にも注目してみてはいかがでしょうか。

石山真路(いしやま しんじ)
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