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ダイヤモンドとダイアモンドどちらが正しい?

同じ宝石を指す「ダイヤモンド」と「ダイアモンド」ですが、表記の違いに迷った経験はありませんか。
新聞や放送で定着した形がある一方で、発音に近づけた書き方も見受けられます。表記ゆれの理由をたどりながら、選ぶ際の考え方を探っていきましょう。
綴り・発音・公的基準
一般には「ダイヤモンド」の表記が定着していますが、「Di」の後に母音「a」が続くため、「ダイアモンド」と表記しても誤りではありません。
発音のしやすさや慣用、公的な外来語表記の基準も背景にあり、両者の違いは綴りと音の捉え方にあります。
| 日本語表記(一般的) | ダイヤモンド |
| 日本語表記(別表記) | ダイアモンド |
| 英語表記 | Diamond |
| 綴りの構成 | Di + a + mond |
ジュエリーブランドの表記
ジュエリー業界では、「ダイヤモンド」という書き方が広く用いられています。業界団体である日本ジュエリー協会も、この表記で統一しています。
さらに、「ハリー・ウィンストン(Harry Winston)」や「ヴァン クリーフ&アーペル(Van Cleef & Arpels)」、「カルティエ(Cartier)」の公式サイトを確認しても、いずれも「ダイヤモンド」と記されています。
公的団体と主要ブランドが同じ表記を採っている点から見ても、実務の現場では「ダイヤモンド」が基準として扱われていると考えてよいでしょう。
文化庁の表記
外来語の原則に照らすと、「ダイアモンド」と書くのが基本形とされています。文化庁は外来語表記の指針で、イ列・エ列の音に続くアは原則「ア」と記すと示しています。
この考え方に沿えば「ダイアモンド」となります。ただし、慣用が定着している語は例外として扱うとも明記されています。
実際に「ダイヤモンド」はその例に挙げられており、現実の使用状況も踏まえた柔軟な姿勢がうかがえます。
| 文化庁 外来語の表記
留意事項その2 |
注1 「ヤ」と書く慣用のある場合は,それによる。
〔例〕 タイヤ ダイヤモンド ダイヤル ベニヤ板 |
ダイヤモンドの起源・由来

ダイヤモンドという名は、その屈強さを語源に持っています。語源はギリシャ語の「Adamas」にさかのぼり、「征服されないもの」を意味しました。
語源の変遷とラウンドブリリアント
この言葉がラテン語、さらに古フランス語を経て英語の「Diamond」へと姿を変えます。起源は紀元前のインドとされ、当初は装飾よりも硬さが注目されていました。
やがて欧州に渡り、研磨の技術が磨かれることで輝きが引き出されます。
1919年にはベルギーの「マルセル・トルコフスキー(Marcel Tolkowsky)」が、ラウンドブリリアントカットを発表し、今日の美しさの基準が形づくられました。
ダイヤモンドの評価基準「4C」

ダイヤモンドの価値は、感覚だけでは判断できません。その基準となるのが「4C」と呼ばれる国際的な評価体系です。カラット、カラー、クラリティ、カットという四つの要素が、輝きや価格にどう影響するのでしょうか。
Carat(カラット)
カラットは、ダイヤモンドの重さを示す「単位」です。重量が増せば希少性も高まり、価格に直結しやすくなります。1カラットは0.2グラムと定められており、宝石全般に共通する基準として用いられています。
ただし、数値が大きければ必ずしも魅力が増すとは限りません。輝きや透明度との調和が取れてこそ、全体の印象は整います。重さは価値を測る軸の一つですが、それだけで優劣は決まりません。
| カラット | 重量(g) | 直径の目安(mm) |
| 0.1 | 0.02 | 約 3.0 |
| 0.3 | 0.06 | 約 4.3 |
| 0.5 | 0.10 | 約 5.2 |
| 1.0 | 0.20 | 約 6.5 |
| 2.0 | 0.40 | 約 8.2 |
| 5.0 | 1.00 | 約 11.0 |
Clarity(クラリティ)
クラリティは、ダイヤモンドの透明度を示す基準です。内部のインクルージョンや表面の傷の有無が、評価を左右します。内包物が少なく目立たないほど光はまっすぐに通り、澄んだ印象が生まれます。
米国の鑑定機関である「GIA」では、10倍拡大での見え方を基準に11段階へ分類しています。最上位のFLは拡大しても欠点が確認できませんが、対してIクラスでは肉眼でも確認できる場合があります。
| グレード | 読み方 | 状態 |
| FL | フローレス | 内外部ともに欠点なし |
| IF | インターナリーフローレス | 内部欠点なし、外部に微小欠点 |
| VVS1 | ベリーベリースライトリーインクルーデッド 1 | 極めて微小な内包物 |
| VVS2 | ベリーベリースライトリーインクルーデッド 2 | 非常に小さな内包物 |
| VS1 | ベリースライトリーインクルーデッド 1 | 小さな内包物 |
| VS2 | ベリースライトリーインクルーデッド 2 | やや確認しやすい小内包物 |
| SI1 | スライトリーインクルーデッド 1 | 確認しやすい内包物 |
| SI2 | スライトリーインクルーデッド 2 | 肉眼で見える可能性あり |
| I1 | インクルーデッド 1 | 肉眼で確認できる内包物 |
| I2 | インクルーデッド 2 | 目立つ内包物 |
| I3 | インクルーデッド 3 | 非常に目立つ内包物 |
Cut(カット)
ダイヤモンドの輝きを左右するのは、重量ではなくカットの完成度にあります。原石は光を放ちませんが、的確に研磨されることで内部に入った光が反射し、力強いきらめきを生み出します。
角度や比率がわずかに崩れるだけでも印象は変わります。カラットを優先して研磨を控えれば、光の戻りが弱まり、輝きは鈍ります。均整の取れた仕上がりこそが、石の魅力を端正に引き上げるのです。
| グレード | 読み方 | 状態 |
| Excellent | エクセレント | 理想的なプロポーションと研磨。輝き・光の反射が非常に優れる |
| Very Good | ベリーグッド | 優れた仕上がり。輝きは高水準 |
| Good | グッド | バランスの取れた仕上がり。十分な輝き |
| Fair | フェア | ややバランスに欠ける。輝きは控えめ |
| Poor | プア | 仕上がりに難がある。輝きが弱い |
Color(カラー)
透明感の印象を決めるのが、カラーの評価です。無色に近いほど光を遮らず、澄んだ輝きが際立ちます。等級はDからZまで段階的に設けられ、アルファベットが後になるにつれて黄味が増していきます。
差はごくわずかに見えても、隣り合う等級で印象は静かに変わります。肉眼で判別しにくい違いであっても、光の冴えや全体の雰囲気に影響を及ぼすため、慎重に見極めたい項目です。
| グレード | 読み方 | 状態 |
| D | ディー | 完全な無色 |
| E | イー | ほぼ無色 |
| F | エフ | わずかに色味を含む無色 |
| G | ジー | ほぼ無色、わずかな色味 |
| H | エイチ | わずかな色味を確認できる |
| I | アイ | かすかな黄色味を感じる |
| J | ジェー | わずかな黄色味が見られる |
| K | ケー | 淡い黄色味 |
| L | エル | 黄色味を感じやすい |
| M | エム | 明確な黄色味 |
| N~R | エヌ~アール | はっきりとした黄色味 |
| S~Z | エス~ゼット | 濃い黄色味 |
ダイヤモンドの価値が高い理由

ダイヤモンドは、なぜこれほど高い評価を受け続けているのでしょうか。限られた供給と高度な加工技術が重なり合い、その価値が支えられています。
供給量が少ないため
ダイヤモンドの価値が高水準を保つ背景には、市場に出回る量が限られている事情があります。地中深くで形成されるため、採掘できる地域はごく一部にとどまります。
さらに、採掘された原石のすべてが宝飾用に適するわけではありません。選別や流通の段階でも厳格な管理が行われ、供給は慎重に調整されています。
その結果、希少性が保たれ、価格の安定につながっているのです。
加工コストが高いため
ダイヤモンドの価格を押し上げる理由のひとつに、研磨にかかる費用の高さがあります。原石はそのままでは光を十分に反射しません。
輝きを引き出すには、精密な設計に基づくカットが求められます。硬度が極めて高いため、研磨にはダイヤモンドの粉末を用い、時間をかけて仕上げていきます。
高度な技術と工程が重なり、その積み重ねが価格に反映されているのです。
生産量が調整されているため
ダイヤモンドの価格が安定してきた背景には、生産と流通の管理があります。供給が急増すれば、市場評価は揺らぎかねません。そこで主要企業は産出量や出荷量を抑え、流通のバランスを整えてきました。
過去には在庫を買い入れて市場への放出を段階的に行うなど、価格の急落を防ぐ動きも見られます。こうした調整が続けられたことで、希少性が保たれてきました。
ダイヤモンドに関するよくあるQ&A

ダイヤモンドについては、呼び方や書き方など、ふと迷う場面が意外とあります。どちらを使えばよいのか、ほかにも似た例があるのか。よく寄せられる問いを取り上げました。
ダイヤモンドとダイアモンドどっちの呼び方でもいい?
日常会話ではどちらの呼び方でも意味は通じます。ただし、公的な文書や業界の表記では「ダイヤモンド」が一般的です。外来語の表記には一定の指針がありますが、慣用として定着している語はそのまま用いられます。
そのため、読み方に迷った場合は、使用する媒体や公式表記に合わせて選ぶと整合が取れるでしょう。
ダイヤモンド以外にも表記ゆれの言葉はある?
ダイヤモンド以外にも表記が揺れる言葉は数多く見られます。外来語やブランド名は、とりわけ表記が分かれやすい傾向にあります。
たとえば「ルイ・ヴィトン」と「ルイヴィトン」などが挙げられるでしょう。記号の有無や長音の扱いによって印象も変わります。
迷った際は公式サイトや公的な資料を確認すると、統一された書き方を選びやすくなります。
| ルイ・ヴィトン | ルイヴィトン |
| イヴ・サンローラン | イブサンローラン |
| ボッテガ・ヴェネタ | ボッテガヴェネタ |
| Y-3 | Y3 |
まとめ
ダイヤモンドとダイアモンドはいずれも誤りではなく、背景にある音の受け取り方や慣用の違いが表れた結果といえます。
語源や発音の移り変わりを知ることで、表記の揺れにも納得が生まれるでしょう。言葉の歩みをたどる視点が、宝石への理解をいっそう深めてくれるはずです。


