全国1600店舗以上展開中!
信頼と実績の買取専門店「買取大吉」

店舗買取 出張買取

原油価格と金価格の相関関係は?相関が薄れた理由と過去の推移を解説

原油価格と金価格の相関関係は?相関が薄れた理由と過去の推移を解説
木村健一(きむら けんいち)
記事の監修者
査定歴15年以上
木村健一(きむら けんいち)

貴金属・ジュエリー分野で査定経験を持つ鑑定士。
テレビや雑誌、YouTubeなどへの出演経験もあり、専門的な知識と確かな鑑定力で信頼を集めている。

原油と金の価格には相関関係があるため、似た値動きをするといわれています。しかし、近年ではそれ以外の要因が影響を及ぼすことが多いため、必ずしも同じような動きを見せるわけではなくなりました。そこで、今回は、原油価格と金価格の相関関係の変化について、詳しく解説します。

金・貴金属の
参考買取価格相場チャート

-年-月-日(-) -:- 更新

品位を選択する

期間で絞り込む

月・年単位:
日単位:

開始日は終了日より前にしてください。

から

終了日は開始日より前にしてください。

本日の金相場情報はこちら
2025年10月、ついに相場23,000円/g突破!

原油価格と金価格の相関関係

原油価格と金価格には、これまで相関関係があるとされてきました。

その背景には、どちらも世界情勢の影響を受けやすいこと、そしてドル建てで取引されていることという共通点があります。

例えば、1970年代のオイルショックでは、原油価格の高騰に伴い、金価格も上昇しました。原油価格の上昇によってインフレが進行し、安全資産としての金に投資する動きが強まったことが原因です。

また、世界的にドル安が進行すると、ドル建てで取引される原油と金の両方が値上がりする傾向があります。

厳密には、原油と金の間に直接的な関係はありませんが、共通する要因によって似たような値動きを見せることがあるのです。

ただし、次項以降で詳しく解説するように、最近ではこの相関関係は徐々に薄れてきています。

原油価格と金価格の相関性が薄れた理由

近年では、原油価格と金価格が相関せず、それぞれ異なる動きを見せるケースが多くなってきました。ここでは、こうした相関性の変化がなぜ起きているのか、その背景や要因について詳しく解説します。

アメリカによるシェールオイル開発

シェールオイルとは、これまでの油田とは異なり、けつ岩層やシェール層と呼ばれる地下深くに残留している原油のことを指します。

かつては採掘コストの高さから市場価値が低いと考えられていましたが、2006年ごろを皮切りに、商業ベースでの開発が可能となりました。

この開発の進展により、世界の石油需給バランスは大きく変化し、アメリカは2014年以降、当時の最大産油国であったサウジアラビアを上回って世界一の産油国となりました。

また、詳細は後述しますが、シェールオイル産業とOPEC(石油輸出国機構)との間で生産量競争が激化し、原油価格の低下を引き起こします。

OPECによる原油価格の引き下げ

当時のOPECは、既存の石油供給国の役割を守る意図から、アメリカのシェールオイル産業に対抗する姿勢であったといわれています。そのため、2014年の時点で原油価格が一時大きく下落していたにもかかわらず、減産を見送り、原油生産量の維持を決定しました。

しかし、そのような思惑に反し、この決定はその後の原油価格を大きく落ち込ませる要因となりました。

以下は、2014年および2015年の原油価格(円/リットル)と金価格(円/g)の比較です。

原油価格(OPECバスケット)(※1) 金の買取価格(※2)
2014年 63.59 4,607
2015年 37.72 4,844

※1 出典:新電力ネットウェブサイト(https://pps-net.org/statistics/crude-oil)

※2 当社調べ

以上のことから、2014年から2015年にかけて原油価格は下落した一方で、金価格は高騰しており、今回の事例では、両者の相関性が見られないことが分かります。

イランの原油生産の再開

2016年には、原油価格が前年と比べて全体的に下落しました。これは、原油の供給量が増加したことが要因だといわれています。イランへの経済制裁が緩和され、原油生産を再開したことで、市場の価格に影響を与えたのでしょう。

一方で、同時期の金価格も、前年と比べて下落傾向にありました。こちらは、アメリカ政府の利上げによるドル高が要因だと考えられます。

このように、原油と金の価格がどちらも下落したとはいえ、それぞれの要因は異なり、直接的な関連性は薄いと言えるでしょう。

コロナウイルスによる石油需要の減少

また、2019年に比べると、2020年も原油価格が大きく下落しています。

これは、新型コロナウイルスの感染拡大が関係しています。外出制限によって車の通行量が減少し、航空便の減便や工場の稼働停止なども相次いだことで、石油の需要が急激に落ち込んだためと考えられています。

しかし、2021年に経済活動が再開し、石油需要が回復したことで、現在では当時の影響がほとんど見られません。

一方、金価格はこのような世界情勢のときに価格が変動する傾向があるため、新型コロナウイルスの流行をきっかけに高騰し、その後も価格は上昇しています。

原油価格(OPECバスケット)(※1) 金の買取価格(※2)
2019年 43.92 5,249
2020年 27.80 6,899
2021年 48.28 6,934

※1 出典:新電力ネットウェブサイト(https://pps-net.org/statistics/crude-oil)

※2 当社調べ

過去10年間の原油価格と金価格推移

原油価格(OPECバスケット )(※1) 金の買取価格(※2)
2016年 27.70 4,660
2017年 37.06 4,857
2018年 48.30 4,824
2019年 43.92 5,249
2020年 27.80 6,899
2021年 48.28 6,934
2022年 82.66 8,305
2023年 73.44 9,605
2024年 76.14 12,761
2025年(※3) 69.43 15,562

※1 出典:新電力ネットウェブサイト(https://pps-net.org/statistics/crude-oil)

※2 当社調べ

※3 2025年4月現在までのデータを参照しています。

上記の表は、過去10年間における原油価格と金価格の推移を示したものです。

原油価格については、特に2016年と2020年の大きな下落が目立ちます。要因としては、前述のとおり、イランの原油生産と新型コロナウイルスの感染拡大が考えられます。

一方、金価格は2014年から2019年にかけてはほぼ横ばいで推移していましたが、2020年のコロナ禍以降は価格が急騰し、その後も上昇傾向にあります。

この動きは、「有事の金」と呼ばれるように、世界情勢が不安定になると金に注目が集まり、価格が上がるという特徴を如実に物語っています。

原油価格以外に金価格に影響を与える要因

金価格に影響を与える要因として、原油価格のほかに以下の3つが挙げられます。

・円安ドル高

・インフレ

・地政学的リスク

ここでは、これらの要因について詳しく解説します。

円安ドル高

円安が進行すると、米ドル建ての金価格が変動していなくても、日本円での金価格は上昇します。

金の価格はドル建ての資産であるため、円の価値が下がることで、実質的に価値が高くなることが理由です。

たとえば、100gの金を基準に考えた場合、為替レートの変動によって日本円での価格は次のように変わります。

1ドル=120円のとき:120円 × 100g = 12,000円

1ドル=150円のとき:150円 × 100g = 15,000円

このように、金そのものの価値が変わらなくても、円安の進行によって日本での取引価格は上昇します。

したがって、日本国内で金の売買を行う際は、金相場だけでなく為替レートの動向も注視することが重要です。

インフレ

インフレも金価格が上昇する要因の1つです。

インフレが進行すると、物品やサービスの取引価格が上昇し、相対的に通貨の価値は下がります。

通貨の価値が下がることで、価値が目減りしにくい「実物資産」である金を保有しようとする動きが強まり、需要が高まった結果、金価格が上昇しやすくなるのです。

このような状況では、投資家はインフレから資産を守る手段として金を選ぶ傾向があるため、金は「インフレ・ヘッジ」の代表的な資産として広く認識されています。

また、インフレ率(※)が上昇する局面では、金価格も上昇するケースが多く見られます。

※ 物価がどれだけ上昇したかを表す指標のことです。

地政学的リスク

金価格は、地政学的リスク(※)にも大きく影響されます。

例えば、2020年の新型コロナウイルスの世界的な流行、2022年のロシアによるウクライナ侵攻などが挙げられます。

このような世界情勢の不安や先行きの不透明感が強まると、投資家はリスク回避のために、安全資産である金を購入する傾向が強まります。こうして需給バランスが傾くことで、金価格の高騰につながります。

金は世界中で取引される資産であるため、世界情勢を正しく読み解く視点が、金相場を判断する上でも非常に重要になるのです。

※ 特定の地域の政治や軍事、社会に対する緊張が高まることで、その地域や世界経済に悪影響を及ぼすリスクのことを指します。

原油価格で金価格を予想するのは難しい

結論として、原油価格だけを参照して金価格を予測するのは難しいと言えます。

確かに、原油と金はどちらもドル建てで取引されるため、価格変動が似ることもあります。しかし、現在では原油と金の相関関係は薄れており、両者が一方的に動くことも多くなっています。

実際、金価格は原油価格以外にもさまざまな要因で変動しています。そのため、売買のタイミングを逃さないためにも、金価格の動向をこまめにチェックしておくことが重要です。

まとめ

今回は、原油価格と金価格の相関関係について解説しました。

原油と金の相関関係が見られる主な要因として、「世界情勢の影響」や「ドル建てで取引されること」が挙げられます。

しかし、世界情勢の影響によって、必ずしも相関するとは限りません。ドル建てで取引される共通点も、これまでの傾向から、価格の相関関係に直結するわけではないと言えます。

そのため、これらの投資を行う際は、あくまで参考程度にとどめておきましょう。

木村健一(きむら けんいち)
記事の監修者
査定歴15年以上
木村健一(きむら けんいち)

貴金属・ジュエリー分野で査定経験を持つ鑑定士。
テレビや雑誌、YouTubeなどへの出演経験もあり、専門的な知識と確かな鑑定力で信頼を集めている。

この記事をシェアする

タグ一覧

買取品目のコラムカテゴリー

ブランドのコラム

カンタン 無料買取査定

どんなご相談でもOK! 無理な交渉はいたしませんのでお気軽にご相談ください。
※一部、拝見しないとお伝えできないお品物もございます。