目次
ロレックスデイトナの偽物が多い理由
ロレックスデイトナの偽物が市場に多い理由には、デイトナの高い人気と資産価値の高さが挙げられます。ここでは、それぞれの具体的な理由や背景について解説します。
デイトナの人気が高いため
デイトナが偽物が作られる理由の一つが、時計としての高い人気です。ロレックスのモデルの中でも特に入手が難しく、正規店では数年待っても購入できないケースも多く見られます。
入手困難な状況から、デイトナを探し求めて複数の正規店を巡る「デイトナマラソン」という言葉まで生まれたほどです。需要と供給のバランスが崩れているため、デイトナを購入したい方を狙った偽物が多く作られています。
デイトナの相場が高いため
デイトナは高い資産価値をもつモデルで、新品はもちろん、中古市場でも定価を上回るプレミア価格での取引が常態化しているほどです。
一例として、2023年に生産終了した「コスモグラフ デイトナ Ref.116500LN」は人気が高く、取引価格は多くの買取店で約300万円以上です。
悪徳業者はデイトナの人気を逆手に取り、相場より安い価格で販売し利益を得るケースが多く見られます。デイトナの価格が相場と比べ安価すぎる場合は、偽物を疑ったほうが良いでしょう。
ロレックス デイトナの偽物の見分け方
ロレックスデイトナの偽物は年々巧妙になっていますが、注意深く観察すると本物との違いを見つけられる場合があります。ここでは、ご自身で確認できるデイトナの偽物の見分け方について、解説します。
ただし、これから紹介する内容は偽物の特徴の一部であり、すべての偽物に当てはまるわけではないことを考慮してください。
バックル
ブレスレットを腕に固定するバックルは、偽物との差異が見つけやすい箇所です。本物のロレックスは、細部まで妥協のない丁寧な仕上げが施されています。
偽物は外観を似せることに注力しますが、バックルのような細かい部分では作りが甘くなりがちです。
王冠マーク
バックルに施された王冠マークは、偽物かどうか見極める上でわかりやすいポイントの一つです。本物の王冠マークは立体的で、エッジがシャープに仕上げられており、 指で触れるとなめらかな感触があります。
一方、偽物は王冠マークが平面的で潰れたようになっていたり、エッジに丸みがあったりする傾向です。
刻印・ドットの有無
バックルの内側にある刻印も確認しましょう。本物の刻印は、深くはっきりとしており立体感がありますが、偽物は刻印が浅く平面的に見えたり、文字がかすれていたりします。
また「ROLEXSA」という文字の下にドットがあるかも確認しましょう。多くのモデルには「Oの下」「EとXの間」「SとAの後」にドットがありますが、偽物にはドットがないケースも見られます。
ただし、アンティークや無垢素材のモデルは、ドットがSとAの後ろのみの場合があるため注意しましょう。
インデックス
インデックスは時間を示す目盛りや数字のことで、偽物かどうか見極める上で注目すべき点です。特に暗闇でも時間を確認できるように塗られる「夜光塗料」は、本物と偽物の差が現れやすい部分です。
本物は白い塗料がきれいに塗られていますが、偽物は塗料がはみ出していたり暗闇で光らなかったりする場合があります。ただし、ヴィンテージモデルや長期間使用しているモデルの場合は、経年劣化が原因の可能性もあります。
そのため、インデックスだけで偽物と判断はできませんが、本物かどうか見極めるためにチェックしましょう。
秒針
秒針の動きや形状も、偽物のデイトナかどうかを見極めるポイントです。見た目だけでは判断が難しい内部の機構も、秒針の観察によって精度が見えてきます。
秒針の動作
本物のデイトナは機械式ムーブメントを搭載しているため、秒針が流れるように進むことが特徴です。一方、安価な偽物にはクォーツムーブメントが使われている場合があり、秒針が「カチッ、カチッ」と区切るように動きます。
機械式である本物のデイトナでは見られない動きのため、偽物の可能性が高いと考えられます。
秒針の仕上がり
秒針の仕上がりも偽物かどうかを見分けやすい部分で、本物は「先端が尖っている」「表面や側面の仕上げが滑らか」といった特徴があります。
しかし、偽物は針の先端に丸みがあったり、表面の仕上げが雑だったりします。細かい部分ですが、ルーペで拡大して見ると違いがわかりやすいでしょう。
王冠マークの透かし
ロレックスの風防ガラスには、偽造防止対策として風防ガラスの6時位置に、王冠マークの透かしがレーザーで刻印されています。そのため、偽物かどうかを見分ける一つの手がかりとなります。
本物の透かしは精巧で、ルーペを使ったり、特定の角度から光を当てたりしなければ確認は困難です。もし肉眼で王冠マークが見えるようであれば、偽物の可能性が高いと考えられます。
ただし、王冠マークの透かしは、2000年以降のモデルから導入されました。そのため、1999年以前のモデルやヴィンテージ品が偽物かどうか見極める際には、他の方法を使いましょう。
インダイヤル
デイトナの文字盤に配置された3つの小さなダイヤル（インダイヤル）も、偽物かどうかを見極めるポイントです。本物のインダイヤルは鈍い光沢で、落ち着いた高級感があります。
一方、偽物は光沢が強すぎたり、極端な輝きを放ったりすることが多い傾向です。インダイヤルの太さも異なり、本物がスマートな見た目であることに対し、偽物は若干分厚くなりがちです。
偽物かどうか見極めるために、インダイヤル全体の質感や輝き、太さに違和感がないかを確認しましょう。
タキメーター
タキメーターの数字や目盛りからも、偽物との違いを見つけられます。本物のタキメーターは、彫り込みが深くシャープで、文字のフォントにメリハリがあることが特徴です。
しかし、偽物の場合は彫りが浅かったり、文字が太かったり、数字の間隔が不自然だったりするなど、作りの甘さが見受けられる場合があります。
タキメーターは、特に偽物かどうかを見分けやすいポイントであるため、最初に注視することがおすすめです。
ベゼル
ベゼルは時計の顔ともいえる部分で、素材の質感や仕上げの丁寧さに本物と偽物の差が現れます。特に2016年以降に発売されたデイトナには「セラミック製のベゼル」が採用されており、傷に強く特有の艶による高級感が特徴です。
一方、偽物のベゼルは、見た目が安っぽかったり光沢が不自然であったりする傾向があります。数字が太かったり彫りが浅かったりするものも多く、本物と比べ不格好な印象です。
偽物かどうかを判断するため、ベゼルの質感や仕上げにも注目しましょう。
文字の太さ・フォント
文字盤にプリントされた「ROLEX」のロゴやモデル名などの文字も、注意深く観察しましょう。本物はすべての文字が均一の太さで、インクの滲みやズレがなく、シャープに印字されています。
しかし、偽物の場合、文字がぼやけていたり、フォントにバラつきが見られたりします。文字の太さやフォントが均一でない場合、偽物の可能性が高いでしょう。
なお、文字の太さやフォントは、ルーペでの確認がおすすめです。本物のシャープな印字と、偽物のぼやけた印字との差は、ルーペで見るとわかりやすくなります。
リューズ
リューズからも、デイトナが偽物かどうかを見極められます。本物のリューズは見た目は尖って見えますが、丁寧に面取り加工されており、指で巻いた際に滑らかな感触です。
一方、偽物は面取りがされていなかったり、リューズが鋭すぎて指が痛く感じたりします。また、リューズに刻まれた王冠マークも、本物はシャープでクリアですが、偽物はぼやけていたり歪んでいたりします。
また、王冠の突起部分の太さがバラバラな場合もあるため、合わせて確認すると良いでしょう。
裏蓋
デイトナを含む多くのロレックスのモデルは、裏蓋に刻印がありません。もし裏蓋にロレックスのロゴやモデル名などの刻印がある場合は、偽物だと考えられます。
また、裏蓋の縁にあるギザギザな部分も確認しましょう。本物は山が均一で美しい仕上がりですが、偽物は大きさがバラバラになっているケースが多く見られます。
ただし、アンティーク品やヴィンテージ品は、経年劣化でギザギザの部分の形が異なる場合があるため、現行モデルに有効な見分け方といえます。
ブレスレット
ブレスレットの品質も、デイトナの本物と偽物を判別する上で見逃せないポイントです。細かい部分のため、偽物は再現が甘くなりがちです。
本物のデイトナは、調整用の丸くて小さな穴にピッタリ収まるように作られていますが、偽物は出っ張りがあったり、使用されているビスの形状が異なったりする場合が多くなっています。
デイトナは精密な部品が正確に組み合わさり、ブレスレット全体に隙間のない高品質な状態を生みだしています。偽物はブレスレットの作りが甘い場合が多く、本物かを見極める上で注目するべきポイントです。
自分でデイトナの偽物かを判断できない場合
ここまで紹介した見分け方を試しても、ご自身での判断に自信が持てない場合も考えられるでしょう。デイトナの偽物は近年ますます精巧になっており、プロの鑑定士でなければ判別が困難なケースもあります。
以下より、ご自身でデイトナの偽物かどうかを判断できない場合の対処法を解説します。
買取店で真贋してもらう
デイトナが偽物かどうか迷う場合、買取専門店で真贋鑑定の依頼がおすすめです。多くのブランド品買取専門店では、無料鑑定を実施しています。経験豊富な鑑定士が在籍している場合が多く、デイトナの真贋を正確に判断してもらえます。
また、買取を依頼するつもりがなくとも、鑑定のみで受け付けてくれる店舗がほとんどです。鑑定で値段が付くと、本物の可能性が高いと判断できます。
もし鑑定を断られたり、買取不可と判断されたりした場合は、偽物の可能性が高いでしょう。
正規店にオーバーホールを依頼する
ロレックスの正規サービスセンターにオーバーホール（分解掃除）を依頼する方法も有効です。正規店では、偽物の修理やメンテナンスは一切受け付けないためです。
もし持ち込んだデイトナが偽物だとわかった場合、オーバーホールを断られます。アンティークモデルも断られる可能性がありますが「正規部品が取り寄せられないため」のように、理由を伝えてくれます。
受付から見積もり提示までに日数を要しますが、確実性の高い真贋判定方法の一つです。
デイトナの偽物を購入してしまった場合の対処法
万が一、偽物のデイトナを購入したことに気づいた際は、冷静に以下の対処をしましょう。
・販売店に連絡し返品を申請する
・警察署に被害届を提出する
・弁護士や消費者センターに相談する
最初に販売店に返品交渉し、応じてもらえなかった場合には、被害届の提出や弁護士・消費者センターに相談しましょう。なかでも消費者センターは、無料相談を実施しているため、費用の心配は不要です。
もしも、大手フリマアプリや大手ネットオークションなどで購入した際は、事務局に報告しましょう。多くのプラットフォームでは偽物の出品を禁止しており、返金対応のような措置を取ってくれる場合があります。
ただし、受け取り評価をしてしまうと、取引が完了し返金が難しくなるため注意しましょう。
デイトナの偽物を購入しない方法
偽物を購入しないためには、購入場所を慎重に選ぶことが重要です。ここからは、デイトナの偽物を購入しない方法について解説します。
正規店で購入する
偽物のデイトナを完全に避けるには、ロレックスの正規販売店での購入が最も安全です。正規店で取り扱われる商品は、すべてメーカーから直接供給されているため、本物だと保証されています。
購入時には、自身の名前が記載された国際保証書が発行されます。メーカーによる万全なサポートを受けられる安心感は、正規店ならではの利点でしょう。
しかし、デイトナは世界的に需要が高く、供給が追いついていない状態です。入荷数が限られており、購入を希望してから手に入れるまでに長い期間を要する場合もあります。
時間はかかりますが、偽物を購入するリスクを完全に排除できるため、最も確実な購入方法です。
信頼できる中古品店で購入する
中古市場でデイトナを探す場合、信頼できる中古品販売店を選ぶ必要があります。中古品には、偽物が紛れ込んでいるリスクが伴うためです。
中古市場には、正規店で生産が終了したモデルや希少なモデルが出回っている可能性があります。入手しづらい時計に出会える点は、中古品を探す魅力の一つです。
信頼できる店舗は、長年の営業実績があり、時計に精通した専門の鑑定士が在籍しているといった特徴があります。販売前に厳格な真贋鑑定を実施しているため、安心して商品を選べます。
また、購入後の保証やメンテナンス体制が整っているかどうかも確認しましょう。充実したアフターサービスは、店舗の信頼性を判断する基準にもなります。
信頼できる並行輸入品を購入する
並行輸入品を扱う店舗での購入も、有効な選択肢です。国内の正規店に在庫がないモデルでも、並行輸入店では見つかる場合があるためです。
しかし、並行輸入店の中には信頼性に欠ける業者も存在するため、利用する店舗の見極めが求められます。信頼できる店舗の基準として「大手で長年の実績がある」「実店舗を構えている」「独自の保証制度を設けている」といった点が挙げられます。
価格の安さだけで判断するのではなく、店舗の信頼性を総合的に見極め、安心して購入できる店舗を選びましょう。
まとめ
デイトナは、人気と価値の高さから、偽物を購入してしまうリスクがありますが、ご自身でチェックできるポイントを知っておくと、偽物を手にしてしまうリスクを減らせます。
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真贋の判断はもちろん、現在の価値を正確にお伝えするため、安心してご相談ください。
