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ロレックスのサンダーバードとは?

サンダーバードとは、ロレックスの人気モデル「デイトジャスト」の一部に付けられた愛称です。
1956年、アメリカ空軍のアクロバットチーム「サンダーバーズ」の隊長、ドン・フェリス大佐の退任を記念して特別仕様のデイトジャストが製作されたという通説があります。
以降、同様のデザインを持つ一部のモデルが、チーム名にちなみ「サンダーバード」と呼ばれるようになりました。
ロレックスのサンダーバードの特徴

サンダーバードは、ロレックスの中でも特に個性的なデザインが際立つモデルです。ここでは、サンダーバードの特徴2点について詳しく解説します。
個性的なデザイン
サンダーバードは、ドレスウォッチとスポーツウォッチの中間に位置する、独自性の高いデザインが特徴です。
この個性的なスタイルは多くの時計愛好家を魅了し、根強い人気を集めています。
また、ブレスレットの仕様やパーツのカラー、インデックスデザインなど、バリエーションが豊富に用意されている点も魅力のひとつです。そのため、ファッションや着用シーンを選ばず、幅広く活躍する汎用性の高いモデルとして支持されています。
長期間にわたって愛されたモデル
サンダーバードは1956年に誕生し、2004年の生産終了まで多くのファンに愛され、5世代にわたってその系譜が受け継がれてきました。
| 世代 | 型番 | 特徴 |
|---|---|---|
| 第1世代 | Ref.6309 | 回転ベゼルを備えた「ターノグラフ」をベースに開発。ベゼルには細かなピラミッド型の刻み模様「クル・ド・パリ」(パリの石畳をモチーフにした装飾)が特徴。 |
| 第2世代 | Ref.6609 | ベゼルのデザインが細かな無数のラインに改められ、このスタイルは以降のモデルにも継承される。 |
| 第3世代 | Ref.1625 | 高性能で名機と呼ばれるムーブメント「Cal.1570」が搭載。 |
| 第4世代 | Ref.16250 | ムーブメントの高速化が図られ、性能がさらに向上。 |
| 第5世代 | Ref.16264/Ref.16263 | サンダーバードの最終モデル。 |
ロレックスのサンダーバードとほかモデルとの違い

サンダーバードは、ほかのロレックスモデルと比べて何がそれほど異なるのでしょうか。
ここでは比較対象として、サンダーバードに近いモデルである「デイトジャスト」と「ターノグラフ」を取り上げ、それぞれとの違いを詳しく見ていきます。
デイトジャストとの違い

サンダーバードと一般的なデイトジャストとの主な違いは、以下の3点に集約されます。
・回転式ベゼルの有無
通常のデイトジャストには固定ベゼルが採用されていますが、サンダーバードには回転式ベゼルが搭載されています。この機構はスポーツモデルに見られる仕様で、デイトジャストとしては異例の特徴です。
・デザイン
デイトジャストは、ドレスウォッチ特有のシンプルでエレガントなデザインが魅力です。一方、サンダーバードはその上品さにスポーティーな要素を加えた、ドレスとスポーツの中間に位置するスタイルが特徴です。
・名称について
サンダーバードは正式なモデル名ではなく、デイトジャストの一部に付けられた愛称です。特定のデザインや背景に由来し、時計愛好家の間でそのように呼ばれています。
ターノグラフとの違い

サンダーバードとターノグラフの違いは、主に愛称か正式名称かの違いです。
ターノグラフとは、1950年代から2011年頃まで生産されていた、回転ベゼルを搭載したデイトジャストの派生モデルを指します。
一方、サンダーバードはそのターノグラフの中でも特に人気の高いモデルに対してファンや市場で付けられた俗称であり、ほぼ同じものを指します。
ただし、サンダーバードはあくまで愛称のため、時計本体に「サンダーバード」という刻印はありません。対して、ターノグラフはロレックスの公式モデル名であり、文字盤には「Turn-O-Graph」という表記があります。
ロレックスのサンダーバードが値上がりしやすい理由

サンダーバードの価格が上昇しやすい背景には、いくつかの要因が複合的に影響しています。ここでは、主に考えられる3つの理由について解説していきます。
廃盤モデルで希少性が高い
サンダーバードは2004年に生産が終了した廃盤モデルであり、その希少価値は年々高まっています。
新品が市場から姿を消したことで流通量は減少し、特に初期世代や金無垢モデルの良好なコンディションの個体は非常に入手困難となっているのです。
ドレスウォッチとスポーツウォッチの両方の魅力に加え、唯一無二のストーリーを持つデイトジャストとして再評価が進んでおり、2025年現在も中古市場での価格は安定的に推移しています。
この希少性と実用性の両立こそが、熱心なコレクターからの高い購入意欲を引き出す大きな要因と言えるでしょう。
ブランド全体的に価値が上がっている
近年の高級時計ブームや投資対象としての注目により、ロレックスというブランド全体の価値が大きく高まっています。
特にデイトナやサブマリーナーといったスポーツモデルの価格上昇が顕著ですが、デイトジャストなどのドレスウォッチも連動して相場が上昇傾向にあるのです。
サンダーバードも例外ではなく、このブランド価値の向上に伴い注目度が増し、その結果として価格も上昇しています。
外部要因により定価が上昇している
為替相場や世界的な経済情勢などの外部要因は、ロレックスの価格変動に大きな影響を与えます。
例えば、円安が進むとスイス製であるロレックスの正規輸入価格が上昇し、それに伴って価格改定が行われるのです。実際、ロレックスは近年頻繁に定価を引き上げており、2025年1月には主に金無垢モデルの正規価格が値上げされました。
正規品の定価が上がると中古市場での需要も増加し、中古相場の上昇要因となります。
【世代別】ロレックスのサンダーバードの歴代モデル
サンダーバードは、世代を重ねるごとに防水性能をはじめとした機能面の向上だけでなく、視認性に優れたデザインへと進化を遂げてきました。ここでは、初代から第5世代までの歴代サンダーバードの各モデルについて、詳しく解説していきます。
サンダーバード Ref.6309

「Ref.6309」は、1956年から1962年頃まで製造されたサンダーバードの初代モデルです。
このモデルは、スポーティーさとエレガンスを融合させた中間的なデザインに加え、視認性を重視した大型ケースを採用しているのが特徴です。
裏蓋には「セミバブルバック」と呼ばれる独特の膨らみがあり、手首に心地よくフィットする設計となっています。また、文字盤には当時の時代背景を反映した横長の王冠マークが配されており、レトロな美しさを醸し出しています。
「Ref.6309」は初代モデルとしての歴史的価値が非常に高く、市場で見かけることは極めて稀です。
サンダーバード Ref.6609

「Ref.6609」は1958年頃に登場したサンダーバードの第2世代モデルです。
ステンレス製ケースと強化プラスチック風防を備え、ムーブメントにはロレックスが初めてマイクロステラスクリュー(微調整ネジ)を採用した「Cal.1065」が搭載されていました。
これにより、精度と安定性が向上し、技術面でも進化したモデルとなりました。また、ラグの足が長めに設計されているため、手首へのフィット感が自然で快適です。
初代モデル「Ref.6309」との大きな違いは、ベゼルの刻み模様が変更されている点で、このディテールによって両モデルを識別できます。
「Ref.6609」も非常に希少で、市場で見かけることは少なく、コレクターにとって極めて貴重な一本です。
サンダーバード Ref.1625

「Ref.1625」は、1962年頃に登場したサンダーバードの第3世代モデルです。
ベゼルにはアラビア数字のエンボス加工が施されており、立体感のある表情とシャープなエッジが特徴です。
初期モデルにはムーブメント「Cal.1560」が搭載されていましたが、その後、より高精度かつ信頼性に優れた「Cal.1570」へと改良されました。
「Cal.1570」は、ロレックスのムーブメントの中でも耐久性と精度に定評があり、当時としては非常に高い評価を受けていました。
また、初期モデルではくさび型インデックスやアルファ針、ドルフィン針が採用されていたのに対し、後期モデルではバーインデックスやバトン針へと変更され、デザインのバリエーションも広がっています。
サンダーバード Ref.16250、Ref.16253

「Ref.16250」は、1977年頃に登場したサンダーバードの第4世代モデルです。
この時期、ロレックスのムーブメントは3000番台へと移行しており、サンダーバードも新たに「Cal.3035」を搭載しています。毎時28,800振動のハイビート仕様により、精度と耐久性が向上しました。
また、第4世代からは日付の早送り機能追加により、日常使用の利便性が大幅に改善されました。ベゼルに刻まれたアラビア数字のデザインも横長に変わり、よりスタイリッシュな印象を強調しています。
後期に登場した「Ref.16253」は、現行デイトジャストに近いデザインとスペックを持ち、クラシックなサンダーバードの魅力を保ちつつ、モダンな要素も取り入れています。
サンダーバード Ref.16263、Ref.16264

第5世代にあたる「Ref.16264/Ref.16263」は、1988年頃から2004年まで製造されたサンダーバードの最終モデルです。
このモデルは、ロレックスの傑作ムーブメント「Cal.3135」を搭載し、高精度と耐久性に優れ、時計業界でも高い評価を受けています。「Cal.3135」はその後、多くのロレックスモデルに採用され、次世代の技術基盤として重要な役割を果たしました。
デザイン面では、ベゼルに大きく視認性の高いアラビア数字がエンボス加工されており、放射状の仕上げがより洗練された印象を演出しています。
風防は従来の強化プラスチックからサファイアクリスタルに変更され、耐久性と防水性能が大幅に向上しています。
ロレックスのサンダーバードに関するよくあるQ&A

サンダーバードについては、中古相場や選び方、購入時の注意点などが、よくある質問として挙げられます。ここでは、これら3つの疑問について詳しく解説していきます。
サンダーバードの中古相場は?
| 世代 | 型番 | 中古相場 |
|---|---|---|
| 第1世代 | Ref.6309 | 約90万〜130万円 |
| 第2世代 | Ref.6609 | 約100万〜130万円 |
| 第3世代 | Ref.1625 | 約65万〜80万円 |
| 第4世代 | Ref.16250 | 約86万〜97万円 |
| Ref.16253 | 約77万〜87万円 | |
| 第5世代 | Ref.16263 | 約70万〜90万円 |
| Ref.16264 | 約55万〜70万円 |
上記の表は、中古市場における一般的なモデルを参考に作成したものです。
ただし、素材や商品の状態、付属品の有無などによって価格は大きく変動します。そのため、実際の取引価格は高額なものからリーズナブルなものまで幅広く存在します。
自分に合ったサンダーバードの選び方は?
サンダーバードを選ぶ際は、まずご自身が求めるポイントを明確にしましょう。
・ヴィンテージ性や希少価値重視
初期〜中期モデル(Ref.6309、Ref.6609など)は希少で歴史的価値が高く、コレクター向けです。ただし価格は高めで流通量も少なめです。
・実用性や入手しやすさ重視
1980〜90年代の後期モデル(Ref.1625系、Ref.1626系)は比較的流通量が多く、価格も抑えめです。日常使いにも適しています。
・素材の選択
ステンレススチール×ホワイトゴールドベゼルは控えめで上品な印象、イエローゴールドとのコンビは華やかさが際立ちます。好みや予算に合わせて選びましょう。
サンダーバードを購入する際の注意点は?
サンダーバードを購入する際は、本体の状態だけでなく、付属品の有無も必ず確認してください。
・コンディションの確認
外装のキズや擦れ、ムーブメントの動作状態に加え、防水機能の劣化や部品の摩耗がないかも注意が必要です。可能であれば、販売店で精度測定や機能チェックを依頼すると安心です。
・付属品の確認
ロレックスの場合、保証書や箱、コマなどの正規付属品が揃っているかどうかで価値が大きく変わります。特に保証書は真贋を証明する重要な証拠であり、これがあるかないかで買取価格が数万円単位で変動することもあるのです。
購入後の資産価値の維持や安心感を考えると、できるだけ付属品が揃った個体を選ぶことをおすすめします。
まとめ
サンダーバードの中でも初期モデルはとくに希少価値が高く、入手は困難とされています。ただし、年代によっては市場に出回る個体もあるため、まずは信頼と実績のある中古時計専門店をいくつか巡ってみるとよいでしょう。


