ロレックスの不人気モデルの特徴

ロレックスには人気が高いモデルが多い一方で、目立たない存在も存在します。こうした不人気モデルには共通する特徴があり、デザインや仕様の傾向を理解すると、支持されにくい理由が明らかになります。
中古市場で人気がない
ロレックスでも、中古市場であまり注目されないモデルがあります。その理由は、購入希望者が少なく、売買の機会も限られやすいためです。
また、デザインやサイズ、素材の特徴が一般的な好みに合わない場合や、希少性が低く資産価値が伸びにくいことも影響しています。
一部のモデルは特定の世代や地域でしか人気がなく、市場での需要も限られています。その結果、価格は安定しにくく、ほかのモデルと比べると存在感も控えめになりがちです。
正規店で在庫があり購入しやすい
ロレックスの不人気モデルは、正規店で比較的手に入れやすい傾向があります。人気モデルは需要が高く、購入するために複数の店舗を何度も回る「ロレックスマラソン」が必要になることも珍しくありません。
不人気モデルなら在庫が残りやすく、販売員から代替として提案されることもあります。しかし、購入のしやすさは利点ですが、資産価値やリセールバリューへの影響は避けられないでしょう。
リセールバリューが低い
ロレックスの人気を左右する要素に、資産価値が挙げられます。再販時に高く評価されるモデルは安定した需要を持ち、長期にわたって支持される傾向にあります。
これに対し、不人気とされるモデルは中古市場での流通が限られます。買取評価も上がりにくければ資産性は低下し、価格の安さが需要を減らします。
その結果、人気が高まりにくい循環が生じ、このリセールバリューの低さが不人気モデルの特徴だといえるでしょう。
ロレックスの不人気モデル9選
ロレックスの中には、市場での評価が低く、目立ちにくいものも存在します。では、どのようなモデルが不人気とされるのか、具体的に見ていきましょう。
また、生産終了となっているモデルは、中古市場での取引が主となっています。価格は状態や付属品の有無によって大きく変動するため、ここで示す金額は2025年9月の参考価格となります。
エアキング

エアキングは、航空の世界に敬意を表して誕生したモデルです。堅牢で正確な作りは、パイロットが長年信頼してきた時計としての証です。
| Ref.116900 | 定価 | 113万5200円 |
歴史を感じる落ち着いたデザイン
文字盤は装飾を控え、シンプルさを際立たせることで、落ち着いた品格を感じさせます。そのデザインは、他の華やかなモデルと比べると控えめで、好みが分かれる一因となっています。
しかし、機能性を重視しつつも飽きのこない美しさは、長く愛用する価値があります。価格帯も比較的手に届きやすく、初めてのロレックスを手にするなら選択肢に入りやすいでしょう。
| 素材 | 904L / サファイアクリスタル |
| ケースサイズ | 直径 40 mm × 厚さ 13 mm |
| ムーブメント | Cal. 3131 / 自動巻き |
| パワーリザーブ | 約 48 時間 |
ヨットマスター Ⅱ

ヨットマスターⅡは、競技用ヨットレースに向けの高性能なスポーツウォッチとして登場しました。44ミリ径のケースに、レース用カウントダウン機能を搭載し、海上で正確に計測できます。
| Ref.116681 | 中古の相場価格 | 約348万円 |
限られた層向けのスポーツウォッチ
文字盤は白を基調にして爽やかさを強調し、視認性も高められています。ただし、日常生活ではあまり使われない機能が多く、操作にも熟練が必要な点が一般ユーザーにはハードルとなります。
また、当初は高額な素材を採用していたことも、購入層を限定する要因でした。こうした理由から市場では評価が伸びにくく、一定の不人気が続いています。
しかし流通量が少ないことで希少性は高まり、今後の価値上昇が期待されるモデルだといえるでしょう。
| 素材 | 904L + K18 LERG / サファイアクリスタル |
| ケースサイズ | 直径 44 mm × 厚さ 14 mm |
| ムーブメント | Cal. 4161 / 自動巻き |
| パワーリザーブ | 約 72 時間 |
デイデイト

デイデイトは、日付と曜日を同時に表示できる世界初の機能を備えたモデルとして登場しました。1956年にはアイゼンハワー大統領に贈られ、その格式の高さが広く知られるようになります。
| Ref.18238 | 中古の相場価格 | 約308万円 |
格式高いプレジデントブレスレット
素材はゴールドやプラチナに限定され、重厚感のあるブレスレットが高級感を演出します。こうした仕様は優雅さを際立たせますが、日常使いにはやや豪華すぎる印象があります。
そのため、購入層が限られ、中古市場での流通も少なく、不人気とされていました。しかし、金価格の上昇や希少性により、現在では価値を見直す動きが出ています。
| 素材 | K18 YG / サファイアクリスタル |
| ケースサイズ | 直径 36 mm × 厚さ 12 mm |
| ムーブメント | Cal. 3155 / 自動巻き |
| パワーリザーブ | 約 48 時間 |
シードゥエラー

シードゥエラーは、深海探索に対応するプロ仕様のダイバーズウォッチとして開発されました。初期モデルは610メートル防水を実現し、後のディープシー開発にもつながっています。
| Ref.126603 | 定価 | 298万6500円 |
プロフェッショナルダイバーズウォッチ
ケース径や厚みは通常のダイバーズより大きく、着用感も独特です。ステンレス中心のロレックスで初めてゴールドを使用したモデルで、歴史的価値も高いといえます。
高機能ゆえに日常では持て余すことも多く、サブマリーナの圧倒的な人気に押される形で評価が伸び悩みました。しかし、防水性能の高さや希少な仕様はコレクターの注目を集め、価値が見直されつつあります。
| 素材 | 904L+K18 YG / サファイアクリスタル |
| ケースサイズ | 直径 43 mm × 厚さ 15 mm |
| ムーブメント | Cal. 3235 / 自動巻き |
| パワーリザーブ | 約 70 時間 |
| 防水性 | 1,220 m(4,000 ft) |
チェリーニ

チェリーニは、ロレックスが手がけるドレスウォッチとして、機能よりも外観の美しさを重視したモデルです。1920年代に誕生し、名前はイタリアの彫刻家ベンヴェヌート・チェッリーニに由来します。
| Ref.50535 | 中古の相場価格 | 約456万円 |
ドレッシーな個性のドレスウォッチ
レクタンギュラー型のケースや滑らかな曲線が、優雅さと気品を際立たせます。2014年にはムーンフェイズを搭載した新作が登場し、独自の魅力をさらに強めました。
ただし、スポーティーなモデルに比べると主張が控えめで、万人向けとはいえません。そのため、中古市場では流通量が少なく評価が伸びにくい傾向があります。
それでも、ドレッシーな時計を好む層には根強い人気を持ち、価値を維持しやすいモデルです。
| 素材 | K18 LERG / サファイアクリスタル |
| ケースサイズ | 直径 39 mm × 厚さ 13.3 mm |
| ムーブメント | Cal. 3195 / 自動巻き |
| パワーリザーブ | 約 48 時間 |
オイスター パーペチュアル 34

オイスター パーペチュアル 34は、ロレックスの中でもエントリーレベルに位置づけられています。
シンプルながらも優れた品質と精度を備えており、初めてのロレックスや仕事用のセカンドウォッチとして選ばれやすいモデルです。
| Ref.124200 | 定価 | 88万6600円 |
控えめなサイズが魅力のシンプルモデル
シンプルな時刻表示に特化し、多彩な文字盤カラーとコンパクトなサイズ感が特徴です。しかし、34ミリ径は相対的に控えめな評価にとどまります。
男性には小ぶりに感じられるサイズや、従来の落ち着いた文字盤のため、目立ちにくい印象もあるのです。さらに、近年は大きめサイズや鮮やかな文字盤カラーが注目され、流行の面でもやや不利な状況です。
しかし、シンプルなロレックスを求める層には、根強い魅力を持つモデルとして評価され続けています。
| 素材 | 904L / サファイアクリスタル |
| ケースサイズ | 直径 34 mm × 厚さ 6.66 mm |
| ムーブメント | Cal. 2232 / 自動巻き |
| パワーリザーブ | 約 55 時間 |
ミルガウス

ミルガウスは、強い磁気から時計を守る耐磁性に特化したモデルとして知られます。1956年に医師や研究者向けに開発されましたが、専門性の高さから一般的な人気は伸び悩んでいました。
| Ref.116400GV | 中古の相場価格 | 約159万円 |
希少性と個性が光る耐磁モデル
1988年には一度姿を消しましたが、2007年に復刻しています。その際、黒・白・グリーンガラスの文字盤が登場し、独自性のあるデザインが注目を集めました。
その後もブルーグリーン文字盤が加わるなど変化を遂げましたが、2023年に再び生産終了となりました。
稲妻秒針やグリーンガラスといった個性的なデザインは、ユニークな美しさを兼ね備えたモデルとして評価されています。
| 素材 | 904L / グリーンサファイアクリスタル |
| ケースサイズ | 直径 40 mm × 厚さ 13 mm |
| ムーブメント | Cal. 3131 / 自動巻き |
| パワーリザーブ | 約 48 時間 |
エクスプローラー Ⅱ

エクスプローラー Ⅱは、冒険家向けに設計されたエクスプローラー Ⅰの特徴を引き継ぎつつ、24時間ベゼルやオレンジの24時間針を搭載し視認性を高めたモデルです。
| Ref.216570 | 中古の相場価格 | 約145万円 |
シンプルさゆえの評価と隠れた実用性
ドットインデックスや夜光塗料といった機能は、普段使いでは活かしきれない点があり、デザインのシンプルさも相まって「派手さに欠ける」と評価されることがあります。
加えて、エクスプローラー Ⅰが非常に人気であるため、比較されやすい点も不人気に拍車をかけました。
しかし、控えめな外観はカジュアルな装いにも馴染み、GMT機能は海外での移動や時間管理に便利です。こうして機能性と実用性を兼ね備えたモデルとして、根強く支持され続けています。
| 素材 | 904L / サファイアクリスタル |
| ケースサイズ | 直径 42 mm × 厚さ 12.5 mm |
| ムーブメント | Cal. 3187 / 自動巻き |
| パワーリザーブ | 約 48 時間 |
ディープシー

ディープシーは、ロレックスのダイバーズウォッチの中でも最高峰に位置するモデルです。3,900メートルもの耐水性を誇り、ケースは直径44ミリ、厚さ18ミリと、腕に着けるだけで重厚な存在感を示します。
| Ref.136660 | 定価 | 220万8800円 |
深海にも耐える堅牢ダイバー
サブマリーナやシードゥエラーよりも高性能で、潜水や水圧に対応する設計が施されています。しかし、そのサイズ感と厚みは日常やビジネスシーンでは扱いにくく、オーバースペックと感じられます。
さらに、価格も高額で購入層が限られるため、流通量は多くありません。それでも、重厚で機能的なダイバーズウォッチを求める層に支持され、特別な価値を持つモデルとして評価されています。
| 素材 | 904L / サファイアクリスタル |
| ケースサイズ | 直径 44 mm × 厚さ 17.7 mm |
| ムーブメント | Cal. 3235 / 自動巻き |
| パワーリザーブ | 約 70 時間 |
| 防水性 | 3,900 m(12,800 ft) |
ロレックスの不人気モデルになる理由

ロレックスのなかには、なぜか人気が伸びにくいモデルがあります。サイズやデザイン、機能などさまざまな要素が影響し、不人気の理由もモデルごとに異なります。その背景を具体的な視点から探っていきましょう。
価格が高額である
ロレックスの一部モデルが不人気になる理由のひとつに、価格の高さがあります。一般的なモデルでも定価は100万円を超えることが多く、最上位クラスになると約300~500万円に達することも珍しくないです。
高額価格がもたらす不人気傾向
この価格帯では購入できる層が限られ、結果として流通量が少なく、人気が伸びにくくなります。たとえば、ゴールドやプラチナを素材とするデイデイトは500万円を超えることもあります。
手が届きにくいことから相対的に不人気と見られる傾向だといえるでしょう。ただし、高額であることは逆にステータス性を高め、限られた層には強い魅力として映ります。
複雑な機能を搭載している
複雑な機能を備えたモデルは、使いこなせるシーンが限られるため、一般的な需要が伸びにくい傾向があります。
たとえば、優れた防水性や高度な計測機能を備えたディープシーは、日常生活やビジネスで活かす機会がほとんどありません。
機能のオーバースペック感
オーバースペックと感じられることが少なくなく、購入を躊躇する人も多くなります。加えて、機能が増えることで価格も上昇し、購入層が限定されやすくなる点も不人気につながります。
それでも、専門的な用途や趣味に合わせて性能を重視する層には評価され、機能面の魅力が希少価値を高めるケースも見られます。
サイズが大きく使いづらい
腕時計のサイズ感が人気に影響するケースも少なくありません。一般的に40ミリ前後が使いやすいとされ、42ミリ以上になると存在感が強まり、日常やビジネスでの使い勝手に影響します。
大きめサイズの利点と欠点
大きな時計は腕に重みを感じやすく、スーツとの相性や見た目の印象に左右されることも多いでしょう。加えて厚みや重量が増すことで操作性も制約され、購入を控える要因となります。
それでも、存在感のあるデザインを好む層や、ファッション性を重視する用途では評価されています。
デザインが特徴的である
ロレックスの伝統的なデザインから外れたモデルは、相対的に人気が伸びにくい傾向があります。クラシカルな意匠に慣れ親しんだ人々にとって、独特のフォルムや文字盤は馴染みにくく映ります。
個性的デザインが生む評価の二面性
エアキングやチェリーニは、従来の美学から離れた特徴的なデザインを持ちます。こうした個性的な造形は一部の嗜好に合致し、他にはない存在感を求める人には強い魅力でしょう。
流行に左右されず、人目を引く特徴を備えたモデルとして、限られた層に根強い人気を保つケースも見られます。
ロレックスの不人気モデルでも人気になるケース

ロレックスの不人気モデルも、条件次第で評価が大きく変わることがあります。人気の変動要因や価値の見え方を踏まえ、具体的な事例を見ていきましょう。
廃盤になって簡単に入手できないケース
ロレックスの不人気モデルでも、廃盤によって人気が変わることがあります。製造中止になるとカタログから姿を消し、店頭での入手も困難になります。
その希少性が購買意欲を刺激し、中古市場でも探す人が増える傾向です。結果として、一時的に価値が上昇し、通常より高い評価を受けるケースも珍しくありません。
有名人が着用して人気になるケース
著名な俳優や芸能人がロレックスを着用すると、関心が一気に高まることがあります。これは、憧れの人物と同じ時計を身につけたいという心理が働くためです。
たとえば、映画『007』でジェームズ・ボンドが「オイスター パーペチュアル」や「サブマリーナー」を着用したことで、多くのファンの注目を集めました。
また、『ミッション:インポッシブル』で、トム・クルーズが「コスモグラフ デイトナ」を着用したことも話題を呼んでいます。
ロレックスの不人気モデルは避けるべき?

不人気だからといって購入をためらう必要はありません。時計の価値は市場の評価だけで決まるわけではなく、手にする人自身が定めるものだからです。
たとえば、一般的に注目されていないモデルだとしても、身につけたときに心が弾むなら、それこそ理想的な選び方です。
後悔しない直感的な判断をしよう
ロレックスはすべてのモデルに技術とこだわりが込められており、品質の高さは変わりません。さらに、それぞれの時計には制作の背景やストーリーが存在し、理解することで所有欲がより深まります。
このように、自分の直感を信じることが、後悔のない選択につながるはずです。
まとめ
ロレックスの不人気モデルは、必ずしも魅力に欠けているわけではありません。需要の偏りや時代の好みによって、その評価が揺れることもあります。
背景を理解すれば、独自の価値が潜んでおり、見方が大きく変わるでしょう。


