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ロレックスを海外で買うと安い?

ロレックスは海外で購入すると本当に安いのでしょうか。ここでは各国の正規価格の違いや並行輸入品の実情、免税店や正規販売店の信頼性について詳しく解説します。
正規価格はどこの国も変わらない?
ロレックスは、特定の国だけが極端に安くなったり高くなったりしないよう、各国で価格調整を行っています。
とはいえ、すべての国で価格を完全に統一するのは現実的に難しいのが実情です。その理由は、国によって価格に影響を与える要素が大きく異なるためです。
主な要因としては、以下のようなものが挙げられます。
・為替レートの変動や税制の違い
・現地の人件費や物流コストの違い
・各国における需要と供給のバランスの違い
こうした条件の差を踏まえ、ロレックスは定期的に価格改定を実施することで、国ごとの価格差が一定の範囲に収まるよう努めています。
例えば日本では、円安の影響を受けて2024年1月に定価が約10%引き上げられました。
このようにロレックスは、年に1〜2回の価格調整を通じて、世界的な価格バランスの維持に取り組んでいるのです。
並行輸入品は安く買える可能性がある
ロレックスの並行輸入品は、国内でも正規品より安く購入できる場合があります。
並行輸入品とは、海外の正規ルートから仕入れられた商品を、国内の業者が独自に販売するものです。正規販売店のような価格制限がないため、業者が自由に価格を設定できます。
特に円高のタイミングでは、海外からの仕入れコストが抑えられるため、並行輸入品の販売価格が相対的に安くなる傾向があります。
ロレックスを購入する際には、正規販売店だけでなく並行輸入品も選択肢のひとつとして検討してみるのも良いでしょう。モデルやタイミングによっては、正規品よりもお得に購入できるかもしれません。
正規販売店や免税店で買うと信頼性が高い
ロレックスを安心して購入するには、正規販売店を選ぶことが大切です。
正規販売店は、スイスのロレックス本社から直接商品を仕入れる、ブランド公認の販売ルートです。そのため、世界中どこで購入しても品質と信頼性が保証されており、安心して購入できます。
また、正規販売店の中には免税対応している店舗もあり、これらの免税店も基本的には信頼できます。ただし、免税店を名乗っていても非正規の場合があるため、購入前に必ず正規店か確認しましょう。
ロレックスは高額な買い物となるため、信頼性や購入後のサポートを重視する方には、正規販売店での購入をおすすめします。
ロレックスはどこの国で買うのが安い?

先述のとおり、ロレックスは国によって価格が異なります。ここでは、日本とスイス、ハワイ、タイ、韓国の5か国の市場相場を比較し、それぞれの価格差を見ていきましょう。
価格差については、最小値と最大値を明確にするため、以下の計算方法で算出しています。
・最大差額 = 日本の最高価格 - 海外の最安価格
・最小差額 = 日本の最安価格 - 海外の最高価格
※差額について、「+」は日本の価格が高いことを、「-」は安いことを示します。
スイス

| モデル/型番 | 国内参考価格 | スイス参考価格 | 差額(最小~最大) |
|---|---|---|---|
| デイトナ/Ref.126500LN | 410万~440万円 | 430万~450万円 | -40万~+10万円 |
| サブマリーナー/Ref.124060 | 190万~210万円 | 160万~170万円 | +20万~+50万円 |
| GMTマスターⅡ/Ref.126710GRNR | 280万~320万円 | 185万~200万円 | +80万~+135万円 |
※価格はすべて2025年9月時点の中古市場における参考価格です。新品の定価とは異なり、為替レート、在庫状況、商品の状態により価格は変動します。
スイスの付加価値税(VAT)は約8.1%で、外国人旅行者向けの還付制度があります。ただし、還付額は購入額の全額ではなく、申請手数料や条件によって減額されることもありますので、事前に確認しましょう。
価格差の主な要因は、もともとスイスの中古市場価格が日本より低めに設定されている点です。還付制度を利用すると実質負担は軽減されるため、特にGMTマスターⅡやサブマリーナーは日本より10〜40%程度安く購入できる可能性があります。
一方、デイトナはスイスでも高値傾向にあり、日本とほぼ同等かやや高めになる場合がある。
ハワイ

| モデル/型番 | 国内参考価格 | ハワイ参考価格 | 差額(最小~最大) |
|---|---|---|---|
| デイトナ/Ref.126500LN | 410万~440万円 | 325万~390万円 | +20万~+115万円 |
| サブマリーナー/Ref.124060 | 190万~210万円 | 105万~120万円 | +70万~+105万円 |
| GMTマスターⅡ/Ref.126710GRNR | 280万~320万円 | 120万~130万円 | +150万~+200万円 |
※価格はすべて2025年9月時点の中古市場における参考価格です。新品の定価とは異なり、為替レート、在庫状況、商品の状態により価格は変動します。
ハワイには旅行者向けの消費税還付制度はありませんが、消費税率は約4.7%(2025年9月時点)と日本の半分以下です。
ハワイの中古市場価格や流通状況の違いにより、ロレックスの価格は日本より低く設定される傾向があります。特にサブマリーナーやGMTマスターⅡでは100万〜200万円ほど安くなるケースもあります。
タイ

| モデル/型番 | 国内参考価格 | タイ参考価格 | 差額(最小~最大) |
|---|---|---|---|
| デイトナ/Ref.126500LN | 410万~440万円 | 430万~460万円 | -50万~+10万円 |
| サブマリーナー/Ref.124060 | 190万~210万円 | 145万~160万円 | +30万~+65万円 |
| GMTマスターⅡ/Ref.126710GRNR | 280万~320万円 | 160万~175万円 | +105万~+160万円 |
※価格はすべて2025年9月時点の中古市場における参考価格です。新品の定価とは異なり、為替レート、在庫状況、商品の状態により価格は変動します。
タイのVATは7%で、外国人旅行者向けの還付制度があります。ただし、還付額は全額ではなく、申請条件や手数料により変動しますので、事前に確認しましょう。
市場の需給バランスや流通コストも価格差の要因です。還付制度を活用すれば、サブマリーナーやGMTマスターⅡは日本より数十万円から100万円以上安く購入できる場合があります。
一方で、デイトナに関しては、日本とほぼ同程度の価格になるケースが多く見られます。
韓国

| モデル/型番 | 国内参考価格 | 韓国参考価格 | 差額(最小~最大) |
|---|---|---|---|
| デイトナ/Ref.126500LN | 410万~440万円 | 420万~440万円 | -30万~+20万円 |
| サブマリーナー/Ref.124060 | 190万~210万円 | 140万~155万円 | +35万~+70万円 |
| GMTマスターⅡ/Ref.126710GRNR | 280万~320万円 | 150万~165万円 | +115万~+170万円 |
※価格はすべて2025年9月時点の中古市場における参考価格です。新品の定価とは異なり、為替レート、在庫状況、商品の状態により価格は変動します。
韓国のVATは10%で、外国人旅行者向けの還付制度もあります。ただし、還付方法や申請条件、対応店舗の範囲が異なるため、事前に詳細を確認しておくことをおすすめします。
価格差の大部分は現地の中古市場の需給状況によるもので、サブマリーナーやGMTマスターⅡは還付後に日本より数十万円から100万円以上も安くなるケースがあります。
一方で、デイトナに関しては、日本とほぼ同水準と考えてもよいでしょう。
日本

諸外国と比較すると、日本のロレックス市場相場は全般的に高い傾向にあることがわかりました。円安にもかかわらず価格が高騰している理由として、以下の4点が考えられます。
・並行輸入の難易度が高く、プレミア価格がつきやすい
・税制の影響で価格が上がっている
・円安が続くことで輸入コストが増加し、国内価格も上がる
・時計投資家やコレクターの存在により、市場価格が押し上げられている
とはいえ、ロレックスを購入するために海外へ渡航する際には、さまざまなデメリットやリスクが伴います。
そのため、海外旅行に慣れていない方や、現地での購入に不安がある方は、日本国内で希望のモデルを探し出すことが安心です。
ロレックスを海外で買うメリット

ロレックスを海外で購入するメリットとしては以下の3つが挙げられます。
・日本で買えない商品が買える
・為替の影響で安く買える
・免税価格で安く買える
ここでは、これら3つのメリットについて詳しく解説していきます。
日本で買えない商品が買える
海外では、その国の限定モデルなど、日本では手に入らないロレックスを購入できるかもしれません。
また、日本国内で取り扱いがあっても、人気が高く入手困難なモデルが、海外では比較的スムーズに手に入るケースもあります。
このように、海外旅行中にロレックスを探すことで、日本ではめったに出会えない“掘り出しモデル”に巡り合える可能性もあるのです。
為替の影響で安く買える
円高の時期には、海外で商品をより安く購入できる可能性があります。
例えば、1ドル=150円のときに1万ドルのロレックスを購入すれば、支払額は150万円です。しかし、為替が1ドル=120円になれば、同じ商品を120万円で購入できる計算になります。
これは、極端な例ですが、為替レートにより差額が生じることもあるのです。ただし、為替は日々変動するため、購入タイミングの見極めがポイントになります。
また、現地での支払い方法やクレジットカード手数料、為替手数料なども購入金額に影響するため、事前にしっかり確認しておくと安心です。
免税価格で安く買える
先述した諸外国のように、免税制度を活用すれば、日本国内よりもロレックスを安く購入できることもあります。
日本では購入時に10%の消費税が加算されますが、国によっては税金が免除される、あるいは税率自体が日本より低いケースもあるのです。
そのため、税率の低い国や免税制度が整った国で購入すれば、同じモデルをよりお得に入手できる可能性があります。
ロレックスを海外で買うデメリット

ロレックスを海外で購入するデメリットとしては以下の4つが挙げられます。
・偽物を買ってしまうリスクがある
・為替の影響で価格が高くなる
・関税や消費税がかかる
・言語や文化の壁がある
ここでは、これら4つのデメリットについて詳しく解説していきます。
偽物を買ってしまうリスクがある
海外でロレックスを購入する際に注意すべき点のひとつは、偽物を買ってしまうリスクがあるということです。
海外には精巧に作られたスーパーコピー品が多く出回っており、プロでなければ見分けがつかないほど精密に作られているものもあります。
こうしたリスクを避けるためには、購入を検討している店舗が信頼できるかどうかを事前に十分に調査する必要があるのです。
ただし、海外は言語の壁があるため、販売店の評判や信頼性を調べるのが難しい場合もあります。そのため、可能であればロレックスの正規販売店や信頼できる免税店での購入をおすすめします。
正規販売店以外での購入を検討する際は、偽物をつかまされるリスクを十分に理解したうえで慎重に判断しましょう。
為替の影響で価格が高くなる
海外でロレックスを購入する際は、為替レートの影響を受けるため、必ずしも日本国内より安くなるとは限りません。
例えば、円安・ドル高が進行すると、海外の定価が日本国内の定価を上回るケースがあります。
さらに、クレジットカードの海外決済手数料や、現地で発生する税金などを加味すると、最終的な支払額が日本国内より高くなることもあります。
ただし、これはあくまで正規店での定価を基準にした話であり、並行輸入品や中古品といった市場価格においては、必ずしもこの限りではありません。
地方税や消費税がかかる
たとえ海外の安い免税店でロレックスを購入しても、日本に帰国した際には税金がかかる可能性があります。
日本の免税制度では、海外で購入した品物の合計額が20万円までなら免税対象です。しかし、これを超える場合は、購入価格の60%に対して約10%の税金がかかります。
この課税には、地方税、消費税が含まれますが、腕時計は関税の対象外です。したがって、海外で購入したロレックスには、帰国時に消費税と地方税の合計約10%が課されます。
具体的には、購入額の60%に対して約10%の税金がかかるため、国内で購入するより多少安くなることもありますが、全額免税とはならない点に注意が必要です。
言語や文化の壁がある
海外でロレックスを購入する際は、言葉や文化の違いによるトラブルにも注意が必要です。
大都市には日本語対応のスタッフがいる店舗もありますが、基本的には英語や現地語でのやり取りが求められます。
十分なコミュニケーションが取れないと、希望するモデルを正確に伝えられず、在庫があっても購入に至らないこともあるのです。
そのため、あらかじめ希望モデルや質問事項を整理し、必要な情報を伝えられるよう準備しておきましょう。
また、言語や文化の違いにより、アフターサービスや保証内容を正しく理解できず、購入後にトラブルが生じるケースも見受けられます。こうしたリスクを踏まえたうえで、海外での購入を選ぶかどうか、慎重に検討することが大切です。
日本の正規ロレックスの免税店はもうない

日本国内で最後に残っていたロレックスの正規免税店は、羽田空港にある1店舗のみでしたが、2023年9月30日をもって営業を終了しました。
現在、成田空港や関西空港などの主要空港にも、ロレックスの正規免税店はありません。そのため、免税でロレックスを購入したい場合は、海外の免税店を利用するしかないのが現状です。
一方で、日本国内でロレックスを購入する際には、全国に展開する正規販売店を利用しましょう。品質や保証、アフターサービスの面でも安心して購入することができます。
まとめ
今回は、ロレックスの各国における価格の違いや、海外で購入する際のメリット・デメリットについて解説しました。
ロレックスは国による価格差が極端にならないよう調整されていますが、それでもある程度の差は生じます。そのため、国によっては日本より安く購入できることもあります。
ただし、20万円を超える品物を日本へ持ち帰る場合、課税対象となるため、結果的にお得とは言えないケースもあるのです。
とはいえ、日本では入手困難なモデルを海外で見つけられる可能性もあるため、どうしても欲しいモデルや型番があるなら、現地での購入を検討してみるのもよいかもしれません。


