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クォーツ式腕時計とは

クォーツ式時計とは、水晶(クォーツ)振動子の働きを利用して時間を計測する時計で、その仕組みが名称の由来になっています。
水晶に電圧を加えると、1秒間に32,768回という非常に規則的な振動が発生します。この振動を電子回路が1秒ごとの電気信号へ変換し、その信号がステップモーターに伝わることで針が動きます。
動力源は電池であるため、機械式時計のようにゼンマイを巻く必要がない点も大きな特徴です。
クォーツ式腕時計の寿命

クォーツ式腕時計は、機械式時計と比べると寿命が短い傾向があります。ここでは、一般的なクォーツ式腕時計の寿命と、グランドセイコーのクォーツモデルの寿命について詳しく見ていきましょう。
一般的な寿命の目安は10年
一般的なクォーツ式腕時計の寿命は、およそ10年程度がひとつの目安とされています。ただし、保管環境や使用状況がよければ、それ以上長く動き続ける個体もあります。
パーツ交換が完全に不可能というわけではないものの、10年以上経過すると部品が生産終了しているケースが多く、入手が難しくなるのが実情です。
さらに、メーカー保証が切れると、修理は保証対象外となり、部品交換やメンテナンスに高額な費用が発生する可能性があります。
こうした点を踏まえると、状態によっては新品への買い替えを検討する方が現実的と言えるでしょう。
グランドセイコーのクォーツ式腕時計は約40年
グランドセイコーのクォーツ式腕時計には、約30〜40年にわたり良好に動作している個体も確認されています。
その長寿命を支えているのは、高い耐久性を備えたムーブメントと、優れたメンテナンス体制です。電池交換はおよそ3年ごとに行い、7〜10年周期でのオーバーホールが推奨されています。
また、日常的に丁寧に扱うことに加えて、防水性能を維持するための定期的な防水検査も欠かせません。極端な温度変化を避けるなど、普段の使い方に気を配ることで、より長く良好な状態で使い続けることができます。
高級時計にクォーツ式はもったいない?
なぜ、クォーツ式は高級時計にはもったいないと言われることがあるのでしょうか。ここでは、その理由と、クォーツ式腕時計の資産価値が下がりやすい原因について、詳しく解説します。
高級時計にクォーツ式がもったいないと言われる理由
クォーツ式が高級時計にはもったいないと言われる理由として、希少性の低さと資産価値の下がりやすさが挙げられます。
機械式時計は手作業による工程が多く、量産が難しいため希少性が高まりやすい点が特徴です。ブランドによっては供給不足が生じ、価格が高騰するケースもあります。
一方でクォーツ式は大量生産が容易で、市場供給量が多いため希少性が生まれにくく、高級ラインであっても価格の上昇幅が小さい傾向があります。
クォーツ式腕時計の資産価値が下がる理由
クォーツ式腕時計は、電池切れや液漏れ、電子回路の寿命といった要因により、保管しているだけでも壊れるリスクがあります。
そのため、定期的なメンテナンスを怠ると、資産価値が大きく下がる可能性があります。とはいえ、適切にメンテナンスを行えば、高級クォーツ時計でも一定の価値を維持することは可能です。
資産価値に過度な期待は禁物ですが、「もったいない」と決めつける必要はないかもしれません。
クォーツ式腕時計が止まる原因

クォーツ式時計は電子回路と機械部品の両方を使用しているため、内蔵されたステップモーターや電子回路、電池に不具合が起きると動作が止まることがあります。
ここでは、クォーツ式腕時計が止まってしまう5つの原因について解説します。
磁気帯び
アナログ式のクォーツ腕時計の場合、磁気帯びによって動作が止まることがあります。
スマートフォンのスピーカーやバッグのマグネットなど強い磁気に近づけると、ステップモーターが影響を受け、針が止まったり、極端に進んだり遅れたりしてしまうのです。
一方で、デジタル時計は磁気の影響をほとんど受けないとされています。
電池残量が少ない
電池残量が少なくなると、クォーツ式腕時計では秒針の動きに変化が現れることがあります。
多くのクォーツ式腕時計には、電池電圧が低下した際に秒針が2秒ごとに進むなどの挙動で知らせる 「電池残量低下警告機能」 が搭載されています。
そのため、通常とは異なる秒針の間欠運針が見られた際は、早めに電池交換や点検を行うようにしましょう。
油切れ
電池交換をしても不調が改善しない場合は、潤滑油の劣化が考えられます。
アナログ式のクォーツ腕時計であれば、内部は精密な歯車の連動によって時間を刻んでおり、機械式と同様に潤滑油が不可欠です。
しかし、この油は経年で劣化し、放置すると歯車同士の摩耗が進み、部品の損傷を招いてしまいます。そのため、クォーツ式腕時計であっても定期的なオーバーホールが必要になるのです。
内部に水気がある
浸水を放置すると、内部パーツだけでなく文字盤や針が腐食し、故障の原因となるおそれがあります。風防の内側の曇りは、水が侵入した兆候です。
たとえ曇りがすぐに消えたとしても、初期的な浸水は否定できないため、念のため修理店で点検を受けることをおすすめします。
長時間曇ったまま、または水滴が見える場合は、速やかに修理店へ持ち込みましょう。
経年劣化
リューズ部分に使われているゴムパッキンは、経年劣化によって弾力を失うと、水やホコリなどの異物が内部へ侵入する原因になります。
また、潤滑油が劣化すると歯車の摩耗を早め、パーツそのものの寿命を縮めてしまいます。
そのため、信頼できる修理店で定期的にオーバーホールを受けることが大切です。電池交換や点検のタイミングで、ゴムパッキンや摩耗したパーツの交換を提案してもらえるので安心です。
クォーツ式腕時計を長持ちさせる方法

日々のメンテナンスや扱い方によって、クォーツ式腕時計の寿命は大きく変わります。ここでは、クォーツ式腕時計をより長持ちさせるために意識したい5つのポイントについて、詳しく解説します。
日頃からお手入れを行う
クォーツ式時計を着用した日は、外した際に乾いた柔らかい布で汗や汚れを丁寧に拭き取りましょう。
時計本体やベルトを傷つけないよう、力を入れず優しく扱うことがポイントです。革ベルトの場合は、風通しのよい場所で湿気をしっかりと取り除くことも重要です。
汚れを放置すると錆やカビの原因となり、リューズが回りにくくなったり、ベルトの装着がスムーズにできなくなったりするおそれがあります。
長く快適に使うためにも、日々のお手入れを欠かさないようにしましょう。
定期的に電池交換する
クォーツ式時計は電池を動力源としているため、2~3年に一度を目安に電池交換を行いましょう。
電池切れのまま放置すると、内部でガスが発生して電池が膨張し、液漏れの原因となることがあります。その結果、時計の寿命を縮めたり、修理費が高額になったりするおそれもあるため、早めの電池交換が大切です。
定期的にオーバーホールを行う
クォーツ式時計は、一般的に7~10年に一度のオーバーホールが推奨されています。定期的に点検することで、目では確認できない内部の不具合を早期に発見でき、故障を防ぎながら長く愛用しやすくなります。
また、2年以上まったく着用していない場合は、内部で潤滑油が固着したり、部品が劣化したりする可能性があります。長期間未使用だった時計は、再び使い始める前に一度オーバーホールに出すと安心です。
磁気の近くに置かない
アナログ式のクォーツ腕時計は、磁気の影響を受けやすいため注意が必要です。
デジタル式はほとんど影響を受けませんが、アナログ式は磁気に近づけることで内部のステップモーターが磁化し、針が止まる・遅れるなどの不具合を引き起こす可能性があります。
スマホやバッグのマグネットなど、日常の磁気を発する物の近くに置くと、時計が帯磁しやすくなるので注意しましょう。目安として、10cm以上離すことが推奨されています。
水気や湿気・衝撃に注意する
クォーツ式時計は、専用ケースに入れるなどして外部からの衝撃や湿気を防ぐと、より良いコンディションを保ちやすくなります。
防水非対応モデルは、雨や日常のちょっとした水しぶきでも浸水のリスクがあります。また、防水仕様であっても、年数が経つとパッキンが劣化し、防水性能が低下している可能性があるため注意が必要です。
衝撃や振動には比較的強いとされますが、精密機器であることに変わりはありません。ぶつけたり落としたりすると、針やインデックスが外れるなどの故障につながることがあります。
クォーツ式腕時計に関するよくあるQ&A

クォーツ式腕時計について寄せられる質問の中でも、特によく挙がるのが「メリット」と「デメリット」に関する疑問です。ここでは、この2点について回答していきます。
クォーツ式腕時計のメリットは?
クォーツ式時計のメリットは主に次の4点です。
| 高精度 | 機械式は高精度モデルであっても日差数秒〜十数秒程度であるのに対し、クォーツは月差±15〜20秒と、圧倒的に高精度です。 |
| 磁気や衝撃に強い | 構造がシンプルなため、外部からの衝撃や磁気の影響にも比較的強く作られています。 |
| 価格が手頃 | 大量生産が可能で、手頃な価格帯で購入しやすいです。 |
| メンテナンス周期が長い | 3〜5年ごとに整備が必要な機械式に比べ、7〜10年に1度のメンテナンスで済みます。 |
クォーツ式腕時計のデメリットは?
クォーツ式時計のデメリットは主に次の3点です。
| 電池交換が必要 | 2〜3年ごとの電池交換が推奨されています。交換せずに放置すると、電池の液漏れによって故障の原因になることがあります。 |
| 機械式に比べ複雑機構が少ない | クォーツ式にも複雑機構を備えたモデルはあります。ただし、高級機械式のように伝統的な機構美を重視した複雑機構は比較的少ない傾向です。 |
| 資産価値が低い | 製造コストが低く、機械式に比べてコレクター需要も弱いため、資産価値は相対的に低い傾向があります。 |
まとめ
グランドセイコーのように高品質なモデルであれば、適切なメンテナンスを施すことで40年以上使用できるとも言われています。そのため、「クォーツ式だから高級時計にはもったいない」と考える必要もないでしょう。


