エルメスのアイコンアイテムとリセール価値の関係 ｜ 函館山の手店

―なぜ“高く売れる”のか、その理由を探る―

エルメス（Hermès）は、世界的に知られるフランスのラグジュアリーブランドです。1837年に高級馬具工房として創業して以来、「職人技」と「上質な素材」にこだわり続け、時計、ジュエリー、アパレル、フレグランスに至るまで多岐にわたる製品を展開しています。

中でも特に注目されているのが、「バーキン」や「ケリー」といったアイコンバッグ。新品価格も非常に高額ですが、それ以上に注目すべきは“リセール（再販）価値”の高さです。エルメスは、なぜここまで高値で取引されるのか。そして、どのようなアイテムが「高く売れる」のか。本記事ではその背景を探っていきます。

アイコンアイテムの代表格：「バーキン」「ケリー」「コンスタンス」

まず、エルメスの「アイコンアイテム」として真っ先に挙がるのが、バーキン（Birkin）とケリー（Kelly）です。バーキンは女優ジェーン・バーキンの名前に由来し、1984年に誕生したバッグ。一方のケリーは、モナコ公妃グレース・ケリーが愛用したことにちなみ、1956年以降「ケリーバッグ」として知られるようになりました。

どちらもクラシカルかつ洗練されたデザインでありながら、使い勝手も非常に良く、耐久性も抜群。市場での供給数が限られていることから、定価よりも高値で取引されることもしばしばです。

もうひとつの人気モデル「コンスタンス（Constance）」は、H型のバックルが象徴的なショルダーバッグで、若年層からの支持も厚いアイテムです。

なぜエルメスはリセール価値が高いのか？

1. 希少性と流通制限

エルメスは「誰でも買えるブランド」ではありません。特にバーキンやケリーのような人気モデルは、正規店でも在庫がなく、予約や取り置きができないことで知られています。顧客の購入履歴や信頼関係があってはじめて、担当スタッフから案内される「招待制」に近い販売スタイルがとられているのです。

この販売戦略が結果的に希少性を高め、「今すぐ欲しい」という顧客心理を刺激し、二次市場での高額取引につながっています。

2. 高い品質と職人技

エルメス製品は、すべて熟練した職人によって手作業で作られています。素材も最高級のレザー（トゴ、エプソン、クロコダイルなど）が使われ、長年使っても型崩れしにくい構造が特徴です。この「資産としての耐久性」もまた、中古市場での価値維持に大きく影響しています。

3. 世界的なブランド力と需要の安定性

エルメスは、世界的に見ても「ラグジュアリーの頂点」とされる存在であり、景気変動にも比較的強いブランドです。特にアジア諸国では、資産価値のあるバッグとして認識されており、富裕層を中心に安定した需要があります。

どんな条件で“高く売れる”のか？

エルメスのアイテムは基本的にリセール価値が高いですが、その中でも買取価格に影響を与える要素がいくつかあります。

状態の良さ（Aランク以上）

やはり未使用または使用感の少ない美品は、高額査定の対象になります。特にレザーの状態や金具のくすみ・傷、角スレなどは査定に大きく影響します。

付属品の有無

保存袋・箱・レシート・カデナ（鍵）など、付属品が揃っているかどうかもポイントです。正規品であることの証明にもなり、買取店側も再販しやすくなるため、査定額が上がる傾向にあります。

人気のカラーとサイズ

黒やエトゥープ、ゴールドなど定番カラーは安定した人気があり、限定色や季節限定カラーも場合によってはプレミアが付きます。また、サイズも30～35あたりのミディアムサイズが最も人気で、高価買取が期待できます。

エルメスのリセール市場は“投資”にもなりうる？

一部の富裕層やコレクターの間では、エルメスのバッグは単なるファッションアイテムではなく「投資対象」として認識されています。特にレアカラーや素材のバーキン・ケリーは、数年後に価格が上昇していることも珍しくありません。

2020年代以降、金や株式と並ぶ“資産の多様化”の一環として、高級ブランド品をポートフォリオに組み込む動きも見られます。これにより、エルメスのリセール市場は今後さらに活性化すると見られています。

まとめ：エルメスは“使って良し、売って良し”の稀有なブランド

エルメスのアイコンアイテムは、圧倒的なクラフトマンシップとブランディング戦略によって、常に市場で高い価値を維持しています。高価買取を狙うなら、状態の良いうちに売却するのがベストタイミング。自分にとって必要なくなったとき、エルメスは“使った後に価値が残る”という点でも非常に優秀なブランドです。

購入も売却も、“選ばれし一品”としての価値を知ってこそ、真のエルメス体験が始まるのです。