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フリマアプリの次は「査定アプリ」? 業界変革の兆し | 函館山の手店

2025年12月11日

フリマアプリの次は「査定アプリ」? 業界変革の兆し

──個人売買から“資産管理”へと進む新たなステージ

フリマアプリの普及によって、誰もが手軽に物を売り買いできる時代が到来しました。特にブランド品や貴金属などの高価アイテムは、一般のユーザーでも出品しやすくなり、国内リユース市場の拡大を大きく後押ししています。

しかし近年、その次のステージとして注目されているのが “査定アプリ” の存在です。スマホで写真を撮るだけで査定額がわかる、複数の買取店の見積もりをまとめて比較できる、といった仕組みが増え、ユーザーの「売る」という行動を大きく変えようとしています。

本記事では、フリマアプリに続く新潮流として広がりつつある査定アプリの特徴と、リユース業界にもたらす変革について考察します。


■ 査定アプリとは何か

査定アプリとは、ユーザーがスマートフォンで撮影した画像や情報を基に、
・AIによる画像解析
・複数店舗の相見積もり依頼
・市場相場データの自動分析
などを行うサービスの総称です。

フリマアプリが「自分で売る」ためのプラットフォームであるのに対し、
査定アプリは「どこが一番高く買ってくれるか」を可視化するプラットフォームと言えます。


■ なぜ査定アプリの需要が急拡大しているのか

査定アプリが急速に普及し始めている背景には、いくつかの社会的要因が存在します。


① フリマアプリの“手間”を避けたいユーザーが増えた

フリマアプリは手軽である一方、
・写真撮影
・商品説明
・価格交渉
・発送作業
など、実はユーザーの負担が大きいのが実情です。

ブランド品の場合は
「すり替えリスク」「真贋トラブル」などの不安も加わり、
売りたいけれどフリマは怖い、という声も少なくありません。

この「売りたいけど面倒」「安全に売りたい」という層を取り込んだのが査定アプリです。


② 買取市場の競争が激化し、価格比較のニーズが高まった

買取店が増え、ユーザーは
「どこが一番高く買ってくれるのか」を知りたいというニーズを強めています。

従来は複数店舗を実際に回る必要がありましたが、
査定アプリならスマホだけで一括比較が可能。
透明性が大幅に向上したことで、ユーザーはより合理的な売却判断ができるようになりました。


③ AI技術の進化が“簡易査定”を可能にした

写真を1枚アップロードするだけで、
・商品名の特定
・状態の推定
・相場価格の提示
などをAIが自動で行える時代になりました。

以前は専門知識が必要だった査定作業が、
一般ユーザーでも気軽に体験できるようになったことが普及の大きな要因です。


■ 査定アプリはブランド品市場をどう変えるのか

査定アプリは、ブランド品買取の現場にも大きな影響を与え始めています。


① 査定の透明性が高まり、ユーザーが主体的に選べるようになる

これまで買取価格は「店によって違う」という曖昧さがありました。
査定アプリが相場の可視化を促すことで、
ユーザーは価格の根拠を理解しやすくなり、
“納得して売れる環境”が整いつつあります。


② 買取店側にも技術導入の圧力がかかる

査定アプリに参加する業者が増えることで、
・AI査定の導入
・リモート査定の強化
・デジタル証明書との連携
など、買取店側にもテクノロジー導入の圧力が強まっています。

従来型の店舗営業だけでは競争力が維持しづらい状況になりつつあります。


③ 査定の効率化によって、鑑定士の役割が変化する

AIが一次査定を行うことで、
鑑定士はより高度な部分に集中できるようになります。

例えば、
・経年変化の分析
・偽物の新トレンドの把握
・希少モデルの相場判断
など、専門的な領域での価値が高まり、
“人でなければできない鑑定作業”がより重要になっていくでしょう。


■ 査定アプリの課題:すべてをAIで完結できるわけではない

便利な査定アプリですが、課題も存在します。

・写真では判断しにくい劣化
・内部構造の傷み
・重さや質感の違和感
・すり替えリスクへの対応
・付属品の正確な照合

など、実物を見なければ判断できない領域がまだ多くあります。

完全にAIだけで査定が完結する世界には、もう少し時間がかかるでしょう。


■ フリマから査定へ──「資産管理」の時代に

フリマアプリの普及で「売ること」が一般化しました。
次に広がるのは、ブランド品を資産として管理し、最適な売り時を判断するという考え方です。

査定アプリは、
・所有しているブランド品の価値
・相場の変動
・売却の最適タイミング
を可視化する役割を担い、
ユーザーの行動を「売る」から「資産管理」へと進化させています。

これは今後、ブランド品市場全体を大きく変える可能性があります。


■ まとめ

フリマアプリが“物を売る文化”を広げたのに対し、
査定アプリは“価値を管理する文化”を広げようとしています。

スマホだけで査定・比較が完結する時代になり、
ユーザーはこれまで以上に賢く、効率的にブランド品と向き合えるようになりました。

AI査定、相見積もり、自動相場分析など、
テクノロジーの進化によってリユース業界は今後も大きく変化していくでしょう。

査定アプリは、その最前線にある存在と言えます。

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