ライフステージとブランド消費:売るタイミングの見極め | 函館山の手店
ブランド品は一度手に入れると長く所有できる魅力的な資産でありながら、使わなくなったタイミングで売却することで、新たな価値を生むこともできます。
しかし、ブランド品を「売る」タイミングは人によってさまざまで、その判断には自身のライフステージが大きく関わっています。
今回は、「ブランドを持つこと」から「手放すこと」への意識の移行と、それぞれの人生の節目における売却の見極め方について考えていきます。
ライフステージの変化がブランド品の役割を変える
ブランド品は、単なるモノとしての機能以上に「思い出」や「自己表現」「社会的ステータス」など多くの意味を持っています。
しかし、就職・転職・結婚・出産・引っ越し・介護・退職といった人生の節目を迎えるたびに、これまで大切にしていたブランド品が「今の自分」に合わなくなってくることがあります。
たとえば、若い頃に愛用していた個性的なデザインのバッグが、職場環境やライフスタイルの変化によって使いづらくなったり、子育て中には華奢なアクセサリーを着ける機会が減ったり。
ブランド品は“自分らしさ”を映す鏡でもあるため、その人の生き方や価値観が変われば、自然と手放す時期が訪れるのです。
タイミングを逃すと「資産価値」が下がることも
ブランド品は経年によって価値が下がるイメージがありますが、一部の人気ブランドやモデルは、中古市場で高値を保っているケースも多くあります。
ルイ・ヴィトン、シャネル、エルメス、ロレックスなどのハイブランドは、タイミングさえ見極めれば購入時に近い価格で売却できることも。
しかし、トレンドの移り変わりやモデルの生産終了、状態の経年劣化などによって、気付かないうちに価値が下がってしまうことも少なくありません。
「まだ使うかも」と保管していたアイテムが、いざ売る時には大きく評価が落ちていたというケースも珍しくないのです。
大切なのは、「気持ちの整理がついた時」=「売却すべきタイミング」ではないということ。
ブランド品の市場価値は、“今この瞬間”の需要と供給で決まるため、感情とは別の軸で見極める視点が必要です。
ライフステージ別・売却を考えるきっかけとは?
1. 就職・転職のタイミング
学生時代に購入した個性的なブランドアイテムが、ビジネスシーンに合わなくなることも。
一方で、ブランド品の売却で得た資金をもとに、より実用的で洗練されたアイテムを購入するのも一つの選択肢です。
2. 結婚・出産・育児
ライフスタイルが大きく変わる中で、装飾性の高いジュエリーやハイヒール、クラッチバッグなどの出番が減ることがあります。
「またいつか使うかも」と思っていても、その“いつか”が来ないことも。数年使っていないものは売却の検討を。
3. 住環境の変化(引っ越し・断捨離)
荷物の見直しをする絶好の機会です。特にマンションへの住み替えや実家の片付けでは、収納スペースの都合で「今、本当に必要なもの」だけを残す判断が求められます。
4. 定年退職・相続・終活
人生の後半に向けた整理として、**「資産として持つか、次世代に価値を引き継ぐか」**という観点での見極めが重要です。
思い入れのある品でも、使われないまま価値を失うより、誰かに大切に使ってもらう選択も尊い判断といえるでしょう。
「売ること」は、前向きな選択肢
かつて「売る」ことは“手放す”や“もったいない”というネガティブなイメージで捉えられることがありました。
しかし近年では、リセールやリユースの概念が一般化し、「売る=循環する」というポジティブな行動として捉えられるようになっています。
自分の手を離れたアイテムが、別の誰かの元で再び輝く――それは、物に込めた思いや歴史が受け継がれることでもあります。
まとめ:ブランド品も「ライフステージとともに見直す」時代へ
私たちはライフステージの変化に応じて、持ち物や価値観をアップデートしながら生きています。
ブランド品もまた、その都度見直すべき「人生のパートナー」のような存在です。
「今の自分に本当に必要か?」
「今売ればどれくらいの価値があるのか?」
そんな問いを持つことで、後悔のない売却判断と、より洗練された暮らしが生まれます。
ブランド品は、“持つこと”だけでなく“手放すこと”にも価値がある――それが、今の時代の新しいブランドとの付き合い方なのです。
















