世界で最も高額な宝石たち:競売での記録とその背景 | 函館山の手店
宝石はその美しさだけでなく、希少性や歴史的背景によって高額で取引されることがあります。特に、世界的なオークションでは驚くべき価格で落札される宝石があり、その魅力と価値が再認識されています。本記事では、世界で最も高額で落札された宝石とその背景について詳しく解説します。
1. ピンク・スター(Pink Star)
落札価格:7,120万ドル(約800億円)
競売年:2017年
オークション:サザビーズ(香港)
ピンク・スターは、59.6カラットのファンシービビッドピンクダイヤモンドで、GIA(米国宝石学会)により最高評価を受けたダイヤモンドです。元々デビアスによって採掘されたこの宝石は、約2年の研磨を経て完成しました。
このダイヤモンドの特徴は、ピンク色のダイヤモンドの中でも極めて鮮やかで大粒である点にあります。希少性の高さと、その見事な発色が市場での高評価につながり、2017年の競売では記録的な価格で落札されました。
2. ウィットルスバッハ・グラフ・ダイヤモンド(Wittelsbach-Graff Diamond)
落札価格:2,360万ドル(約260億円)
競売年:2008年
オークション:クリスティーズ(ロンドン)
ウィットルスバッハ・グラフ・ダイヤモンドは、約35.56カラットのディープブルーダイヤモンドで、300年以上の歴史を持つ宝石です。17世紀にインドのゴルコンダ鉱山で採掘され、バイエルン王室が所有していました。
2008年にイギリスの宝石商ローレンス・グラフが落札し、研磨を施してより輝きを引き出しました。このダイヤモンドは、歴史的な価値と、その深いブルーの美しさによって、非常に高い評価を受けています。
3. オッペンハイマー・ブルー(Oppenheimer Blue)
落札価格:5,750万ドル(約640億円)
競売年:2016年
オークション:クリスティーズ(ジュネーブ)
オッペンハイマー・ブルーは、14.62カラットのファンシービビッドブルーダイヤモンドで、かつてデビアス社の会長フィリップ・オッペンハイマーが所有していたことで知られます。
ブルーダイヤモンドは希少性が高く、特にこのダイヤモンドのような鮮やかな青色を持つものはほとんど市場に出回りません。そのため、2016年のオークションでは歴代最高額のブルーダイヤモンドとして落札されました。
4. ホープ・ダイヤモンド(Hope Diamond)
推定価値:2億5,000万ドル(約2,800億円)
現在の所有者:スミソニアン博物館
ホープ・ダイヤモンドは、世界で最も有名なブルーダイヤモンドの一つで、45.52カラットのディープブルーの輝きを放ちます。インドのゴルコンダ鉱山で17世紀に採掘され、フランス王ルイ14世が所有していた歴史を持ちます。
このダイヤモンドには「呪われた宝石」としての逸話があり、所有者が次々と不幸に見舞われたという伝説が広まっています。現在はスミソニアン博物館に寄贈され、世界中の観光客が訪れる展示品となっています。
5. ムサイエフ・レッド・ダイヤモンド(Moussaieff Red Diamond)
推定価値:2,000万ドル以上(約220億円)
カラット数:5.11カラット
レッドダイヤモンドは最も希少なダイヤモンドの一つであり、市場に出ることが極めて少ない宝石です。その中でも、ムサイエフ・レッド・ダイヤモンドは、最も大きなレッドダイヤモンドとして知られています。
このダイヤモンドは1990年代にブラジルで採掘され、ムサイエフ・ジュエラーズによって研磨されました。鮮やかな赤色を持つダイヤモンドは極めて珍しく、その価値の高さが評価されています。
まとめ
世界の競売市場では、歴史的な逸話を持つ宝石や、自然界で極めて希少な宝石が驚くべき価格で取引されています。特に、ピンク・スターやオッペンハイマー・ブルーのような希少なカラー・ダイヤモンドは、その発色の美しさと希少性から非常に高い価値を持ちます。
宝石は単なる装飾品ではなく、歴史や文化、希少性が加わることで、唯一無二の価値を生み出す存在です。今後も世界のオークション市場では、新たな高額落札記録が生まれるかもしれません。
















