カルティエと歴史的な名作:サントスやタンクのデザイン背景 | 函館山の手店
カルティエ(Cartier)は、世界的に名高い高級ジュエリーおよび時計ブランドであり、その独創的なデザインと優れたクラフトマンシップで知られています。特に、**サントス(Santos)やタンク(Tank)**は、時計の歴史においても画期的な存在とされ、現在もなお多くの人々に愛され続けています。本記事では、これらの名作のデザイン背景や誕生の経緯について詳しく解説します。
1. サントス:世界初のパイロットウォッチ
サントスの誕生背景
サントスは、1904年にカルティエの三代目である**ルイ・カルティエ(Louis Cartier)**によって生み出された、世界初のパイロットウォッチとされています。この時計は、**ブラジル人飛行士アルベルト・サントス=デュモン(Alberto Santos-Dumont)**のために特別にデザインされました。
当時の懐中時計は、飛行中に時間を確認するには不便であり、サントス=デュモンはルイ・カルティエに「飛行中でも簡単に時間を確認できる時計が欲しい」と依頼しました。これを受け、ルイ・カルティエは腕に装着できる革ベルト付きの時計を開発し、これが世界初のパイロットウォッチとして誕生したのです。
サントスのデザイン特徴
- スクエアケース:当時主流だった丸形の懐中時計とは異なり、四角いケースデザインを採用。
- ビス付きのベゼル:飛行機の機体をイメージしたビス(ネジ)が施され、耐久性とインダストリアルな美しさを両立。
- 視認性の高いダイヤル:シンプルながらも洗練されたデザインが特徴で、パイロットが一目で時間を確認できるように設計。
このデザインは、その後の時計デザインにも大きな影響を与え、現在も「サントス ドゥ カルティエ」として進化を遂げながら愛されています。
2. タンク:戦車から着想を得た革命的デザイン
タンクの誕生背景
カルティエのもう一つの歴史的な名作「タンク」は、第一次世界大戦中の1917年に誕生しました。ルイ・カルティエは、**戦場で活躍したフランス軍のルノー製戦車「ルノーFT」**のデザインにインスピレーションを受け、この時計を考案したといわれています。
戦車の平行に走るキャタピラの形状を時計のケースとラグに取り入れ、洗練されたフォルムを実現しました。これにより、従来の時計にはない前衛的なデザインが生まれ、カルティエを代表するアイコンウォッチの一つとなりました。
タンクのデザイン特徴
- 長方形のケース:一般的な丸形の時計とは一線を画し、モダンでエレガントな長方形フォルムを採用。
- 縦に伸びたラグ:ケースとストラップがシームレスに繋がるデザインで、スムーズな装着感を実現。
- ローマンインデックス:クラシックで視認性の高いローマ数字を採用し、カルティエならではの上品さを演出。
- ブルースティール針:カルティエの象徴的な青い剣型の針が特徴で、気品と実用性を兼ね備えたデザイン。
タンクは、そのシンプルながらも時代を超えたデザインによって、多くの著名人に愛されてきました。例えば、アンディ・ウォーホル、ジャクリーン・ケネディ、イヴ・サンローランなどのファッションアイコンが愛用したことでも有名です。
3. 現代におけるサントスとタンクの影響
100年以上の歴史を持つサントスとタンクは、今なおカルティエのコレクションの中心を成しており、伝統を受け継ぎながらも時代に合わせて進化を遂げています。
- サントスの進化:ステンレススチールモデルやスケルトンデザイン、クイックチェンジ式のストラップシステムなど、現代的な要素が追加。
- タンクの多様性:「タンク ルイ・カルティエ」、「タンク フランセーズ」、「タンク アメリカン」など、多様なバリエーションが登場し、ファッション性と実用性を両立。
これらの時計は、カルティエのデザイン哲学を象徴するものであり、今後もラグジュアリーウォッチのアイコンとしてその地位を確立し続けるでしょう。
まとめ
カルティエの「サントス」と「タンク」は、それぞれ異なる背景から誕生しましたが、どちらも革新的なデザインと優れた機能性を持ち合わせています。サントスはパイロットウォッチとして、タンクはモダンなスクエアデザインとして時計の歴史に名を刻んできました。
現在でも、多くの人々に愛されるこれらの名作は、単なる時計を超えたアートピースとしての価値を持ち続けています。カルティエの時計を選ぶ際には、その歴史的背景やデザインの意味を理解し、自分に合ったスタイルを見つけてみてはいかがでしょうか。
















