ブランド品を売却したら、税金はかかるの?
ブランド品を売却しても、基本的に税金はかかりません。まずは以下3つのキーワードについて目を通してください。
① 所得税=何かを売却して得た利益(所得)に対してかかる税金
② 譲渡所得=自分が所有する資産を売却して得た所得
③ 生活用動産=生活をするうえで利用する物(所得税の対象外)
自分が所有していた資産を売却して得た利益(所得)は「譲渡所得」になり、「所得税」の対象となりますが、バッグや時計は生活をするうえで利用する「生活用動産」とみなされますので、所得税はかかってきません。税金を気にしていつまでもクローゼットに眠らせていると損する可能性も?
税金がかかる場合は?
上はあくまで「基本的に税金はかからない」という話です。以下に該当するケースでは所得税の課税対象となります。
① 一回の売却額が30万円を超えた場合
しかし、貴金属や宝石、書画、骨董品などで、1個又は1組の価額が30万円を超えるものの譲渡による所得は課税されます。
出典:No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法(国税庁HP)
※「価額」とは売却額です。「貴金属や宝石、書画、骨董品など」の中にはバッグや衣類も含まれます。つまり、一回の売却金額が30万円を超えると「所得税」の課税対象になる、ということですね。
② 事業とみなされた場合
定期的・継続的にブランド品を売却していると、「事業所得」とみなされることがあります。この場合は個人利用の範疇とは認められず、課税対象となります。ブランドバッグや時計を売却して30万円を超える金額になっても、年間50万円まで特別控除を受けられます。
※以下、国税庁HPに記載されている「譲渡所得の計算式」を引用します。
譲渡所得の計算
総合課税の譲渡所得の金額は次のように計算し、短期譲渡所得の金額は全額が総合課税の対象になりますが、長期譲渡所得の金額はその2分の1が総合課税の対象になります。
譲渡所得の金額=譲渡価額-(取得費(注1)+譲渡費用(注2))-50万円(注3)
(注)
1、取得費とは、一般に購入代金のことです。このほか、購入手数料や設備費、改良費なども含まれます。ただし、使用したり、期間が経過することによって減価する資産にあっては、減価償却費相当額を控除した金額となります。
2、譲渡費用とは、売るために直接かかった費用のことです。
3、譲渡所得の特別控除の額は、その年の長期の譲渡益と短期の譲渡益の合計額に対して50万円です。その年に短期と長期の譲渡益があるときは、先に短期の譲渡益から特別控除の50万円を差し引きます。なお、譲渡益の合計額が50万円以下のときは、その金額までしか控除できません。
出典:No.3152 譲渡所得の計算のしかた(総合課税)(国税庁HP)
時計は課税対象外
高級時計を買取してもらうときには、1つ当たり数十万円と、非常に高価な値段が付けられるケースも少なくありません。これらの時計は、もともとの定価も高いものですから、リサイクル市場においても数十万円で取引されています。通常、個人が所有している資産を売りに出した場合、もうけに対して所得税が課せられます。資産を売却して得られたもうけは譲渡所得となり、課税対象となっているためです。
ただし、日常生活の中で一般的に使用するものについては、「生活用動産」として判断されます。売却して利益を得ても、それは課税対象には含まれません。高級ブランド時計であっても、時計は時計です。日常的に自分自身が使用してきたアイテムを売却する場合、「生活用動産」とみなされる可能性が高いです。たとえ買取金額が高額であったとしても、「税金を支払わなければいけないのでは?」と不安を抱く必要はありません。確定申告なども不要ですから、売却の際に何か特別な準備をする必要もないでしょう。
一部注意が必要なモデルも
さて、先ほど「時計は生活用動産であるため、課税対象にはならない」というお話をしました。しかしここには例外もあります。実は「生活用動産の譲渡課税」は、「1個または1組の価格が30万円を超えるもの」は、通常の生活に必要ではない「ぜいたく品」として捉え、譲渡課税の対象となる、というルールが存在しています。課税対象となる品目については、例として以下のようなものが挙げられています。
・骨董品
・書画
・宝石
・貴金属
高級ブランドの時計であっても、それは「骨董品」ではなく、「宝石」でもありません。だからこそ、30万円を超えるものでも「ぜいたく品」とは判断されません。しかし高級ブランド時計の中には、以下のようなアイテムが存在するのも事実です。
・時計としてよりも、骨董品として価値が高いアンティークウォッチ
・金無垢(むく)など、貴金属をふんだんに使ったジュエリーウォッチ
・宝石をちりばめて作られた、ゴージャスな時計
こうしたモデルであっても、もちろん「時計」は「時計」です。しかしその価値を検討してみますと、「骨董品」や「宝石」、「貴金属」として扱われてしまう可能性もあります。この場合は、当然譲渡課税の対象となってしまいますので、注意が必要です。「金の売却」は50万円以下なら控除内で免除。それ以上は課税対象に。金はいわゆる「ぜいたく品」となりますから、利益が50万円以下であれば、控除内で免除となります。インゴットなどの資産運用をしていて、50万円以上の利益が出た場合などは税金がかかる可能性が高くなるでしょう。購入から5年の期間、平均して50万円以上の利益が出ていた場合は、総売却価格の5〜10%が税金になります。
「高級時計を購入時の金額より高く、30万円以上で売却した」は申告の必要なし
時計というものは、貴金属や書画ではないし、骨董とも一般的には言えません。たとえ、30万円以上の売却利益を得ても、生活用動産にあたると見なされる可能性が高く、処分をしても申告する必要はないと言えるでしょう。購入時の金額よりも高く売却できたとしても、それに課税される可能性は低いと言えます。逆に、買ったときより安く処分することになったとしても、税金が安くなることはありません。このように、「生活用動産」と判断されたものを処分した場合は、税制上その取り引きは無かったものとして取り扱われているのです。