金箔の作り方
金箔をつくるには、金に少量の銀と銅を加え、専用の型に流し込み高温に熱し合金し、金属を極限まで薄く引延ばします。その厚さは約10,000の1mm~3mmとも言われており、1gで畳2畳分ほどの大きさになります。これを規定のサイズに、竹製の枠を使って裁断し、間紙(あいし)と呼ばれる和紙に、一枚づつはさんで、製品となります。詳しい手順は以下のようになります。
1 .金あわせ
まず、金に微量の銀や銅を溶かします。99.99%の金はかなり柔らかく、薄く延ばしにくいため、銀と銅を加えます。金、銀、銅を高温(約1300度)に熱したるつぼに入れ、約15分ほど溶解させたあと、型に流しこみ成形します。
2 .延金
合金したものを、圧延機で帯状に延ばします。訳20回ほど繰り返し、100分の2~3mmまで薄くします。これを約6cm角に切ります。
3 .澄打ち
さらに薄くなるように紙いっぱいに打ち延ばします。12cm角まで打ち延ばしたものを「荒金と言います。荒金を4分の1の大きさに切り、約20cmの大きさまで引き延ばします。これを小重と呼びます。この小重を、4分の1の大きさに切り、さらに引き延ばしたのが大重です。これを仕上げ用の紙に挟み仕上げたものが上澄(うわずみ)です。この時点で1000分の3mmになります。
4 .引き入れ
1000分の3mmの薄さの上澄を、さらに1万分の1mm〜2mmの薄さに仕上げていきます。上澄を12枚ほどの大きさに切ります。これを小間といいます。この小間を、一枚一枚、箔打ち用の紙に挟む作業が引き入れです。
5 .打ち前
箔打ち用の紙に重ねた澄を、当皮などで固定し、箔打ち用の機械で打ちます。打ち上がったら、紙の仕込みを終えた、主紙に移し替えて、さらに1万分の1mmの薄さまで広げます。金箔作りに欠かせないものが、箔をたたく際に箔の間に挟む和紙です。この和紙の仕上がりが金箔の質を決めるというくらい重要になります。和紙を卵や柿渋・灰を燃やした汁に浸し、たたいても破れにくく仕上げます。
6 .引き入れ
打ち上がった金箔の、品質を確認しながら、それぞれ広物帳に移していきます。竹箸と、天狗爪をつかっておこないます。1万分の1mmという非常に薄い金箔を扱うので、少しの風や静電気でも破れたりするほどの繊細な作業でとなります。
7 .箔移し
最後に、広物帳に移した箔を切りそろえます。金箔には10.9cm角、12.7cm角、15.8cm角、21.2cm角の4種類のサイズがあります。竹製の枠で切りそろえます。切り終えた箔は切紙にのせて終了です。
金箔は何に使われる?
金箔は、仏壇・仏具等に使われ、工芸品や商業美術の資材として、金屏風・西陣織・漆器・陶磁器・額縁・扇子・襖絵・壁紙・水引・金看板・金文字等々に使われてきました。また上野東照宮本殿や中尊寺、金閣寺など日本を代表する建築物にも多く取り入れられており、金箔は身近なものと言えます。ちなみに金箔といって思い浮かべる金閣寺ですが、金箔を約20万枚(約20キロの金)を使用しております。
金箔って食べられるの!?
金箔と聞くと、建物や商品に使用するイメージですが、実は金箔は食べても問題ないです。金箔はソフトクリームや洋食に少量乗せるだけで、豪華な雰囲気を演出してくれるのが大きな魅力です。また、お正月や結婚式には金箔を浮かべた日本酒がよく提供されます。理由はやはり、お祝いの席に華やかな彩りを添えることができるからです。味は無味で金粉や金箔は薄くとても軽いので、食感もほぼありません。
また食用の金箔は全部金や銀でできているわけではなく、食用金箔の90%以上は「プルラン」と呼ばれるデンプンでできています。味や食感、栄養もないため食用で使われている「金」は、見た目をゴージャスにするためだけに使われているのです。食用金箔は食品添加物として厚生労働省より認可されているため、安心して使用できます。そのほかにも、化粧品やパック等にも用いられており、ここ数年、研究により金箔に肌の保湿や弾力性アップの効果が期待できることがわかってきました。また、見た目も大変に華やかで豪華なため、精神面にもよい効果があるとも言われています。
まとめ
いかがだったでしょうか。金色に輝き、見た目にも非常にゴージャスな金箔ですが、現在では様々な用途にも使われており今後も注目してみてはいかがでしょうか。