天然ダイヤモンドであれば蛍光性は必ずある?
ダイヤモンドの鑑定は世界中の宝石商や専門家から随一の証明書と見なされている宝石研究の、GIA(米国宝石学会)による評価方法の4Cで決まることは世界中で知られています。希少性の高いダイヤモンドは、たいていGIAが検査しています。ですがGIAから発行された鑑定書を見ると、4Cやサイズ表記のほかに「蛍光性(FLUORESCENCE)」という項目があります。「蛍光性」はダイヤモンドのランクとは直接関係はないのですが「ある条件」に該当した場合は残念ながら、買取に直結するマイナス評価の要因となる可能性があります。
ここでお伝えしている「蛍光性」とは、特殊な光をあてると見える「発光色、蛍光」のことです。紫外線やX線などですが、ピンとこない場合はブラックライトを想像してもらえればと思います。これらの特殊な光線を当てた際、青空のような青色や海のような水色、もしくは黄色に変化し、ダイヤモンドの中に何か色が現れる状態を指します。この色が強い(変色すればするほど)と「質の良いダイヤモンドではない」と判断され、査定評価が下がり最終的に買取価格が大きく下がることがあります。
しかし、この「蛍光性」があるからこそ天然のダイヤモンドの証であり、キュービックジルコニアなどの人工ダイヤモンドには「蛍光性」という現象はありません。天然石と人口石を見極めるポイントとしては、とても有効で判断がはっきりする現象なのですが、質の良い天然ダイヤモンドですと「蛍光性」が全くないものもありますので、最終的には鑑定書の記載をご確認していただくか、専門家に見てもらうことが重要となります。またGIA以外の古い鑑定書には「蛍光性」の項目が無い場合や、漢字で青色などと書かれているものもありますので注意が必要となります。
「蛍光性」の強弱でダイヤモンドの価値が変わるのは本当?
ダイヤモンドの評価項目である4C(カラーやクラリティー)と同じように「蛍光性」にもランクがあり主に5段階となります。
【None】蛍光性が全く無い
【Faint】蛍光性が弱い
【Medium】蛍光性が中程度
【Strong】蛍光性が鮮やか、光が濃い
【Very Strong】蛍光性がとても鮮やか、光がとても濃い
蛍光性のランクは上記の5段階ですが【None】と【Faint】は一般的に買取価格に影響を及ぼすことは無いのですが【Medium】からは査定に影響します。つまり金額が下がると言われております。ただし、アメリカでは「蛍光性」をあまり気にしない傾向で、逆にヨーロッパの一部では強い「蛍光性」は好まれないと言われております。つまり売却を予定されている業者がどの販売ルートを持っているのかが重要となるのかもしれません。皆様の鑑定書に書かれている「蛍光性」が【Medium】【Strong】【Very Strong】このどれかですと業者によっては買取価格に大きな差がでるかもしれません。特に最も蛍光性が強い【Very Strong】の中には白く濁ったようなダイヤモンドもあり、それはオイリーと呼ばれ本来の美しさを損なうため低評価になる可能性が高くなります。
また、蛍光性には主に7種類の色味があると言われております。Blue(青)BluishWhite(青みがかった白)Green(緑)Yellowishgreen(黄緑)Yellow(黄色)Orange(オレンジ)Pink(ピンク)この中で最も多いとされていますのがBlue(青)になります。
ダイヤモンドは専門家にみてもらいましょう!
本当の価値を知るためにはプロの宝石鑑定士に見てもらうことが一番です。このプロとはGIAがプロとして認めた【GIA.GG】と呼ばれる鑑定士になります。鑑定書に【None】もしくは【Faint】と記載があれば問題がないのですが【Strong】などとあった場合は鑑定士によっては金額が大きく下がる可能性があります。ただし、プロの鑑定士ですと例え蛍光性が【Strong】と書かれていても、ダイヤモンドの輝き自体に影響が無いと判断することもあります。これはGIA自体は蛍光性とは本来ダイヤモンドのグレードに影響を与えないと言っていることからも判断ができます。結局は鑑定士の判断によってダイヤモンドの買取額が変わります。
かりに【Very Strong】と書いてあっても鑑定士が4Cに影響が出ていないと判断すれば買取額は下がりません。そのため鑑定書の「蛍光性」は信用のおけるプロの鑑定士に見てもらう限りはあまり気にしなくてもいいかもしれません。大事なことはどこの誰に査定をしてもらうのかという事です。結論としてダイヤモンドで一番大事なことは、どれだけ優れた4Cであるのかになります。また近年では強い「蛍光性」を持つダイヤモンドへの注目が高まってきています。これは特別な環境下のもとで不思議な色を放つ神秘さに惹かれ始めている証拠かもしれません。何しろGIAが鑑定したダイヤモンドの約70%には蛍光性がなかったそうで「蛍光性」があるダイヤモンドのほうが少ないのです。つまり「蛍光性」のあるダイヤモンドのほうが希少であると言えるのではないでしょうか。
まとめ
一般的に天然ダイヤモンドの30%に蛍光性があると言われており、皆様の鑑定書にも【Medium】などの記載があるのかもしれませんが、過度に気にする必要はなく天然石の証ぐらいの認識でいいのではないでしょうか。何処の誰に鑑定をしてもらうのかの一点が最も重要なだけです。大切なダイヤモンドを正当に評価してくれる業者を見つければ「蛍光性」があっても大丈夫です。