3,106カラットのダイヤモンド
ダイヤモンドは1カラットが0.2グラムと言われており、3,106カラットのカリナンはおよそ621グラム。野球ボールより大きくずっしりとした存在感を放ちます。3,106カラットのカリナンの金額的価値は想像を絶するものがあり、現在の金額に換算すると2000億円以上との説があります。
カリナンはどこで見つかったのか?
カリナンは現南アフリカ共和国のトランスヴァールで見つかりました。トーマス・カリナンが所有していたカリナン鉱山で見つかったことにちなみ「カリナン」と名付けられています。その後英国の植民地であったトランスヴァール政府はカリナンを買い取り、当時の英国王エドワード7世に誕生日の記念として献上します。
ダイヤモンド原石『カリナン』のゆくえ
エドワード7世はカリナンを原石のまま保存するべきか、カットをするべきか、それまで世界最大とされていた955カラットのダイヤモンド原石「エクセルシオー」のカットを成功させた、天才ダイヤモンドカッター師「ジョセフ・アッシャー」に相談しました。ジョセフ・アッシャーはエドワード7世に「ダイヤモンドは、輝いてこそダイヤモンド」と進言したことで、カリナンのカットを依頼されます。莫大な保険金もかけられていたカリナンのカットには相当な時間を有したものの、見事にジョセフ・アッシャーの手によって9つの大きな石と96個の小さな石に美しくカットされました。ちなみに、ジョセフ・アッシャーが在籍するオランダの「アッシャー」社はこのような数々の功績から、オランダで一業種一社にのみ許された‟ロイヤル”の称号を授けられ「ロイヤル・アッシャー」となりました。その後も、英国王室御用達のブランドとして数々のダイヤモンドジュエリーを手掛けています。
まとめ
今から100年以上前に見つかったカリナンは、今やダイヤモンドの歴史を語る上で切っても切れない存在です。現在でもロンドン塔のジュエルハウスには、カリナンを見るために多くの人々が集まります。ダイヤモンドの永遠の輝きを象徴するカリナンから、その輝きの価値を改めて教えてもらえます。宝石品質の原石ダイヤモンドとして、最も大きな10個のうち7個は20世紀に発見されましたが、カリナンの3分の1にも満たないものばかりです。しかし、大きな原石が存在しないというわけではないため、明日唐突に大きな原石がみつかるかもしれませんね。