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エメラルドの見分けと評価、歴史

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語源に「緑の石」という意味をもつエメラルド。その神秘的で深い緑色の光は、古来から多くの人々の心を魅了し、現在まで愛され続けている宝石です。4千年以上にわたって、エメラルドの深い「緑の火」は、永遠の春と不死の象徴として大切にされてきました。

そもそもエメラルドとは

エメラルドの語源は、サンスクリット語で「緑色の石」を意味する「スマラカタ」にあり、ギリシャ語では「スマラグドス(smaragdos)」から変化。そして現在の、「エメラルド(emerald)」になったといわれています。上質のエメラルドを産出していたインカ帝国では、エメラルドは首飾りやペンダントなど、装飾に多用されていました。神殿までもがエメラルドで埋め尽くされていたといいます。

現在の「エメラルド」という名前が使われはじめたのは、スペインがインカ帝国を支配し、ヨーロッパにエメラルドを流通させるようになってからだとされています。神話と逸話に包まれた5月の誕生石は、ただの美しいジェムストーンではなく、伝説を生み出し、世界の歴史を形づくってきた富と権力の装飾品でもあったのです。エジプトや、ローマ、アステカの人びと、ヨーロッパの王族、そして今日でも世界中の宝石通に尊ばれているエメラルドは、ほかのどんなジェムストーンよりも、わたしたちの想像力に永遠の火を灯してくれます。

エメラルドの伝説的エピソード

春は成長と若返りの季節です。5月の誕生石エメラルドの濃い緑色ほど、この季節にふさわしいものはないでしょう。エメラルドは多くの文化において、人間の成長のシンボルとみなされています。かつては魂をなだめ、知恵を鋭くする力があると考えられました。エメラルドを身につけると、知恵と成長と忍耐力が得られると信じられています。どれも愛情を長続きさせるために必要なものであることから、エメラルドを贈ることが愛と献身を意味するのも、理解できます。背信行為があるとエメラルドは色を変えるとまで言う人もいます。

長い間、エメラルドには癒しの力があると考えられてきました。今日ではエメラルドがすべての医学的・心理学的な問題を解決してくれないことは分かっていますが、目を安め、健康を取り戻すためにエメラルドを使う人はまだたくさんいます。事実、緑は昔から心を落ち着かせる色とされました。劇場やテレビ局のスタジオにある「グリーン・ルーム」が、スタジオやステージのライトで緊張し眼精疲労になった出演者をリラックスさせる場所であるのも偶然でしょうか。エメラルドはまさに古代からある宝石で、すでに紀元前4000年にはバビロニアの人々がエメラルドの売買をしていたらしいということが考古学的に証明されています。

エジプトのエメラルドの歴史は4000年以上さかのぼります。エジプト東部の砂漠地帯で、古代の鉱夫たちは極度の暑さ、サソリ、蛇などに立ち向かい、「緑の火」を探し求めました。興味深いこと に、ギリシャの鉱夫もまた、アレキサンダー大王の命令でエジプトの砂漠でエメラルドを掘ったそうです。

古代エジプトの鉱床は、1818年にフランスの探検家ケローによって再発見されました。エジプト政府の協力のもとに鉱床を発見したケローは、エジプトの王や女王がこの土地を統治しなくなってからも、エメラルドは掘り続けられていたのだろうと記しています。エジプト人はエメラルドに永遠の若さを意味する葉の模様を彫り、死者とともに埋葬したことで知られます。

エメラルドはクレオパトラが愛した宝石だと言われます。エメラルドのジュエリーをたくさん身につけ、エジプトを訪れる要人には自分の似顔絵を彫った大きなエメラルドを贈りました。エジプトのエメラルドは、クレオパトラが生まれるおよそ2000年前に採掘が始まりました。在位中、クレオパトラはエメラルドの鉱床も、世界最古のペリドットの産地である霧深い無人島ザバルガット(英名セント・ジョーンズ島)も、すべて自分のものであると主張したといわれています。

ザバルガット産のペリドットは、ニッケルを多く含むため、独特のエメラルドのような色をしています。クレオパトラの「エメラルド」の多くがのちにペリドットと判明したのも、そのためかも知れません。

古代ローマ人は、エメラルドを豊穣と再生に関連づけ、愛と美の女神であるヴィーナスに捧げました。ローマの博物学者である大プリニウスはエメラルドについて「これより深い緑はなし」と述べ、ローマ皇帝ネロがエメラルドのメガネで剣闘士の戦いを観戦したと記録しています。しかし、今日の宝石学者によると、古代エジプトのエメラルドの結晶は、そのような道具を作るのに必要な大きさと透明度がなかったため、真実味は薄いということです。現代の歴史学者は、使われたのはおそらくベリルだったであろうと考えています。

16世紀はコンキスタドール(アメリカ大陸制服者)がアメリカ大陸を侵略し始めます。1519年、エルナン・コルテスはアステカ帝国に侵攻、また1526年、フランシスコ・ピサロはインカ帝国の侵略を開始しました。コルテスがアステカの地にスペインの旗を立てたとき、90メートル以上も離れたところから見えるほど巨大なピラミッド型のエメラルドを敗れた皇帝モクテスマから奪い取ったということです。

エメラルドの意味は…

エメラルドは「愛の石」とも呼ばれるように、愛の力が非常に強い石であり、恋愛成就などに有効だといわれます。エメラルドを身につければ、人間として成長することがき、知恵や忍耐力が得られると信じられています。どれも恋人や夫婦にとって、愛を育み長続きさせるために必要なものであり、エメラルドを贈ることで愛と献身を意味するといわれています。

幸せな結婚のお守りとしても、有効といえるでしょう。エメラルドの宝石言葉は、「幸運・幸福・夫婦愛・安定・希望」とされ、宝石言葉の他にも、“愛の成就”という意味を持ちます。また、浮気を防止する意味も持っているとされ、お互いの浮気封じのお守りとしても、効果的といわれています。

エメラルドの豆知識

結婚55周年の記念日は「エメラルド婚式」と呼ばれ、エメラルドが結婚記念石。「金婚式」や「銀婚式」で知られるように、結婚記念日にはそれぞれに呼び名があり、それぞれの結婚記念日に、結婚記念石があります。結婚記念石は、ご夫婦がともに歩んできた時を記す証にもなり、生涯にわたりお二人の記念として残すことができます。結婚55周年の記念日には、特別な思いを込めて、エメラルドを使ったジュエリーを贈ってみませんか。

エメラルドの産地

エメラルドは、ユーラシア大陸・アフリカ大陸・アジア大陸・オーストラリア大陸・南アメリカ大陸・北アメリカ大陸と、世界中のさまざまな場所で採掘されています。中でも人気が高いのは、コロンビア産の石やジンバブエ・サンダワナ鉱山で採掘されたエメラルドです。

エメラルドの処理方法

エメラルドを評価する時に欠かせないのが人工処理についてです。人工処理には様々な方法がありますが、エメラルドには加熱処理やオイル処理を行う石があります。もちろん人工処理を全くしない石もあるのですが、ほとんどの石は色を良くしたり、傷やヒビ割れを保護する為に処理が行われるのです。

まず、加熱処理についてですが、これは色を良くする為に行われます。加熱処理はエメラルドに限った事ではなく、実はルビーやアクアマリン、サファイアなど様々な宝石で行われています。そしてオイル処理についてですが、産出されたエメラルドのほとんどがひび割れや傷がついてしまっている為、傷を保護する為に行われているのです。

安物のエメラルドに気を付けよう

模造品

イミテーションや人工の物があります。いわゆる「模造品」と呼ばれるもので、色ガラスをエメラルドと偽ったり、合成石に天然石を張り合わせたりして作られるケースが一般的です。イミテーションの見分け方のポイントは、内部の様子と張り合わせ痕にあります。ガラス石であれば、内部に気泡が混じっている可能性も。石に張り合わせ痕があれば、イミテーションの可能性が高くなるでしょう。

予備知識があれば、イミテーションかどうか判断するのは、決して難しくはありません。ただし近年、「冷却ヒビ入りクオーツ」という、精度の高いイミテーションも出回っています。人工的に熱衝撃を加えて亀裂を生成するもので、見た目が自然で美しいという特徴もあります。エメラルドでも多く見られる手法なので、十分に注意しましょう。

人工エメラルド

アメリカの科学者、キャロル・チャザムがその技術を開発しました。数多くの壁を突破し、フラックス法という新たな手法で、人工エメラルドを生み出したのです。来上がった宝石を市場に流通させました。本物と同様にキラキラと美しく輝くエメラルドでしたが、意外な点から、すぐに偽物だと気付かれてしまいます。

その理由とは、「まったく傷が見当たらないから」というものでした。天然のエメラルドのほとんどには、採掘段階で傷が入ってしまいます。「傷がないならつくればいい」というマインドの基、不純物を人工エメラルドに混ぜ込む方法もあります。すると、素人には見分けがつかないほどの仕上がりとなります。なお、最近では傷がほとんどない天然エメラルドも市場に出回っています。

まとめ

イミテーションや人工のものがあり、分かりづらいものがありますので見分けがつきづらい物は、「買取大吉」にお持ちいただければしっかりと査定致します。エメラルドにご興味があれば、是非宜しくお願い致します。

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