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世界に数多あるブランドのなかでも一目置かれる存在、エルメスの歴史とは?
1837年のパリ、マドレーヌ寺院の近く、後に世界的ブランドとなるエルメスは馬具工房としてティエリ・エルメスにより創業されました。当時はまだ移動の手段に馬車が用いられていた時代です。エルメスの作る馬具は一級品として、瞬く間にパリの人々からの支持を得ました。しかし、その後、自動車の発展により、馬車は衰退していくことになります。そのことを事前に予見していたエルメスはカバンや財布などの皮革製品に事業を転換していきます。
この先見の明と事業転換がなければ、今のエルメスは存在し得なかったかもしれず、エルメスの歴史のなかでもとても大事な瞬間であったと言えるでしょう。エルメスのコンセプトは「職人技の伝承」と「移動・旅行のよろこび」とされています。またエルメスのロゴは馬具工房からスタートした名残で四輪の馬車と従者が描かれています。しかしそこには主人(馬車に乗る人)おらず、不思議に思う方もいると思います。
エルメスを語る上で非常に有名なエピソードではありますが、これはエルメスの信念を表しており、「エルメスは最高の品質の馬車を用意しますが、それをどのように使うかはお客様次第です」ということなのです。道具は大切に使っていただけるお客様がいてこそ、輝けるものであり、完成されるものだが、そのための最高の道具を用意しますというエルメスの品質に対する絶対的なポリシーを表しているのです。180年以上続く、偉大なブランド、エルメスの歴史は、エルメスで働くすべての誇り高き職人たち、クリエイターたちの信念に支えられているのです。
アリゲーターはとても希少価値の高い素材
アリゲーターは、アメリカのミシシッピ川に住むミシシッピワニから作られる素材です。
この素材はワニの生息地がごく一部の地域に限られるため、非常に希少価値の高い素材と言えます。革の特徴としては、ワニ革としては唯一、穿孔と呼ばれる点状の模様がない、またポロサスやニロティカスなどエルメスの他のワニ革と比べて班目が大きめになっています。エルメスではめのうで斑を磨く『リセ加工』という加工が施されています。また同じ革にウールのフェルトを用いて機械的に斑を研磨してマット加工を施した『アリゲーターマット』という素材もあります。艶のあるリセ加工のアリゲーターは艶やかな美しさと魅力的な輝き、マット加工のアリゲーターは、最高級の質感、清廉された大人の魅力を表現してくれるでしょう。
エルメスでアリゲーターが使われるアイテムは?
アリゲーターはエルメスの中でも、文句なしのハイグレード素材です。そんなエルメス好きなら誰もが一度は憧れるアリゲーターはどんなアイテムに使われているのでしょうか。
~エルメスの永遠の定番『バーキン』~
バーキンは、まさにエルメスの顔であり、ブランドにあまり詳しくない方も名前だけは聞いたことがあるほど名高いバッグです。思わず見とれてしまう程、完成されたデザイン、エルメスの醍醐味を存分に味わえる存在が女性たちの永遠の憧れ、それが『バーキン』です。バーキンは1980年代のある日、エルメスの社長が飛行機に搭乗した際、偶然、歌手であるジェーン・バーキンのとなりの席に座ったことがきっかけで生まれました。ジェーン・バーキンは荷物がバッグからあふれそうになっており、それを見たエルメスの社長は荷物がたっぷり入るバッグを彼女にプレゼントすることを約束しました。その約束から生まれたバッグが、いまや世界で一番有名なバッグと言っても過言ではないバーキンです。ジェーン・バーキンも自身がきっかけとして作られたバッグがここまで大きな存在になるとは思ってもいなかったことでしょう。世界で最初のバーキンをプレゼントされた彼女は最高に幸せ者だと言えます。そんな定番バーキンでもアリゲーター革が使用されています。アリゲーターのバーキンをもって街を歩けば、きっと多くの人から憧れと羨望の眼差しを向けられることでしょう。
~エルメスの財布といえばやっぱりコレ、『ベアンスフレ』~
こちらもエルメスの大定番です。形自体はとてもシンプルで、エルメスのコレクションであることを示す「H」をかたどったバックルがついているのが特徴です。
ベアンスフレは一目でエルメスとわかるデザインながら、いやらしさは全くなく、精悍な印象を与える、実用性も備えた、スマートな財布です。また上質でありながらシンプルかつユニセックスなデザインなので、老若男女関わらず使える大人気のアイテムとなっております。こちらのベアンスフレにもアリゲーター革は使用されており、シンプルなベアンスフレのデザインに大人の魅力を感じさせてくれることでしょう。毎回お会計の度に、お財布を出すのが楽しみになりそうです。
アリゲーターの人気カラーは?それぞれの魅力を見てみましょう
アリゲーターの柄の美しさや魅力を最大限引き出してくれるカラーはブラックと言っても過言ではありません。黒いアリゲーターの艶や質感は、多くの人が想像するワニ革の高貴なイメージに近いと思います。フォーマルでありながら、妖艶であり、スタイリッシュでもある、まさに大人のカラーといえます。
女性らしい可愛らしさや美しさを求めるのであれば、ローズシェヘラザードがおすすめです。可愛らしい色でありながら、気品のあるピンク系のカラーはアリゲーターと合わせることで、洗練された大人の女性を演出してくれることでしょう。アリゲーター革をさりげなく主張したい方にはホワイト系のカラーであるべトンがおすすめです。ホワイト系のカラーはどんなファッションにも合わせやすく、高級感がありながら、誠実な印象を与えてくれることでしょう。
まとめ
最上級の革しか使用しない、一流ブランド、エルメスの中でもさらにワンランク上の上質を味わえるアリゲーターです。アリゲーターはバーキンやベアンスフレなど、大定番のアイテムで素材として使用され、カラーも豊富なバリエーションがあります。ラグジュアリーで艶やかな大人の魅力を演出したいのであれば、最良の選択肢となることでしょう。