ボーイ シャネルとは
「ボーイ シャネル」はカール・ラガーフェルドにより2012年クルーズコレクションのランウェイに初登場しました。発売は2011年で、そのクールでエッジの効いたメンズライクなデザインはそれまでのエレガントなシャネルバッグを一新するものでした。
「ボーイ シャネル」はそれまでのシャネルバッグと違って、マニッシュな印象の全く新しいデザインのバッグでした。カール・ラガーフェルドはココ・シャネルに敬意を評してこのバッグに、彼女の生涯最愛の人「アーサー・エドワード・ボーイ・カペル」にちなんで、「ボーイ シャネル」と名付けました。最初の愛人であった資産家のエティエンヌ・バルサンを解してココ・シャネルは裕福な英国人実業家のアーサー・カペルと出会い、二人は惹かれあい恋人同士になりました。
アーサー・カペルは1910年にパリのカンボン通りにオープンした帽子専門店「シャネル・モード」に出資し、1913年にリゾート地であるドーヴィルに2号店をオープンさせる際にも資金の援助を行いました。彼は、経済的な援助だけでなくココ・シャネルに教養をつけさせるために詩や哲学を教えました。白のカメリアの花を会うたびにココ・シャネルに贈っていたのもアーサー・カペルです。カメリアの花を大切にした彼女はファッションに取り入れるようになり、カメリアは後にブランドを象徴するアイコニックなモチーフとなります。
アーサー・カペルは上流階級の娘と結婚しますが、ココ・シャネルとの関係は続きます。カペルは、恋人兼支援者であり、ココ・シャネルの一番の理解者でありましたが1919年12月22日、クリスマス休暇を彼女と過ごすために向かっていた道中、自動車事故で亡くなってしまいます。悲恋で幕を閉じた二人の関係でしたが、カペルがココ・シャネルに与えたファッション哲学への影響は強く、男性ものを取り入れる自由で斬新な数々のアイテムを生み出す原動力となりました。
インスピレーション源
名前の由来はココ・シャネルの最愛の恋人アーサー・カペルですがデザインは全く別のもからインスピレーションを得ています。「ボーイ シャネル」はハンターが持つ弾丸爆薬用のバッグから着想を得てデザインされています。エレガントで女性らしいブランドイメージの強いシャネルから弾丸爆薬用のバッグから着想を得たメンズライクなバッグが登場したことは、当時のシャネルファンを驚かせました。
しかし、ココ・シャネルは男性のショルダーバッグから着想を得て世界初の女性用ショルダーバッグを生み出したり、男性の下着の素材であったジャージーを用いてドレスを作り出したりしたことから、男性物を取り入れることに抵抗がない斬新で革新的な考えの持ち主だったことがわかります。カール・ラガーフェルドはココ・シャネルの男性的な一面を取り入れて、弾丸爆薬用のバッグから着想を得たことも納得できます。
ボーイ シャネルの仕様
ボディをおおう長方形のフラップには、オーバーステッチが縁取るように施されていて、中央にはアンティーク調のココマークがあります。従来のシャネルバッグの金具はシルバーかゴールドが主流でしたが、「ボーイ シャネル」にはつや消しのガンメタを採用するなどして、細部にもメンズライクなこだわりを感じさせます。「ボーイ シャネル」のショルダーチェーンは、マトラッセよりも太いガンメタカラーのチェーンが採用されていて、ボディと共素材のショルダーハンドルに接続されています。ショルダーチェーン一つをとってもメンズライクな仕様を感じさせます。弾丸爆薬用のバッグから着想を得ているだけあって、クラシックチェーンバッグと比べるとバッグのマチが広めです。
・「クラシック チェーンバッグ」のサイズ→横幅25㎝×高さ5㎝×マチ6.5㎝
・「ボーイ シャネルハンドバッグ」のサイズ→横幅25㎝×高さ15㎝×マチ9㎝
ほぼ同じサイズ同士で比較すると、「ボーイ シャネル」の方が「クラシック チェーンバッグ」よりも2.5㎝もマチが広めであることがわかります。
サイズ展開
定番モデルの「ボーイ シャネル」は3サイズの展開です。もっとも人気があるのは、長財布がすっぽり入るだけの収納力があり、ボリューム感のあるミディアムサイズです。
・スモール:横幅20㎝×高さ12㎝×マチ7㎝
・ミディアム:横幅25㎝×高さ5㎝×マチ8㎝
・ラージ:横幅28㎝×高さ5㎝×マチ7.5㎝
ボーイシャネルの種類
「ボーイ シャネル」は定番のハンドバッグだけではありません。バリエーション豊富に展開しているのでご紹介します。
●ボーイシャネルハンドバッグ
・品番:A67086 B00317 N9309
・素材:グレインドカーフスキン
・価格:610,500円(税込)
・サイズ:横幅25㎝×高さ15㎝×マチ9㎝
「ボーイ シャネル」のラインナップの中でもっとも定番のモデルです。チェーンストラップがスライドするので、ショルダーバッグとしてもクロスボディバッグとしても楽しめます。チェーンストラップをバッグのボディに絡み付けてクラッチバッグのように持つ持ち方もこなれ感がありおすすめです。
●ボーイ シャネルトップハンドルフラップ
・品番:AS2117 B03939 N7381
・素材:カーフスキン
・価格:642,400円(税込)
・サイズ:横幅20㎝×高さ12㎝×マチ7㎝
ボディ本体にハンドルがついたモデルで、チェーンストラップを取り外すとワンハンドルのバッグに様変わりする画期的なデザインです。ハンドルにはCHANELロゴが施されていて、ポップであそび心があるデザインと、「ボーイ シャネル」らしい直線的でマニッシュな雰囲気が融合された外観が魅力です。ハンドバッグとして、ショルダーバッグとして、クロスボディバッグとして3通り楽しむことが出来ます。
●ボーイ シャネルスモールバケットバッグ
・品番:AS2091 B03939 94305
・素材:カーフスキン
・価格:545,600円(税込)
・サイズ:横幅5㎝×高さ16㎝×マチ12㎝
2021年クルーズコレクションで発表された新作です。トレンド感の強いバケット型のフォルムが特徴のバッグです。留め具がロックテイストで直線的なフォルムが印象的で、女性らしいイメージのバケット型のバッグもマニッシュな雰囲気に様変わりします。
●ボーイシャネルロングジップウォレット
・品番:A80815 Y07659 94305
・素材:ラムスキン
・価格:146,300円(税込)
・サイズ:横幅5㎝×高さ10.5㎝×マチ2㎝
長財布の中でも一般的な大きさのロングジップウォレットは、1万円札がすっぽり入るサイズで、カードのスロットが8枚あり収納に優れています。マチが2㎝あるのでたくさん入れても膨れ上がらない優秀なアイテムです。
●ボーイ シャネルチェーンウォレット
・品番:AP1117 B03404 94305
・素材:エイジドカーフスキン
・価格:310,200円(税込)
・サイズ:横幅3㎝×高さ19.2㎝×マチ3.5㎝
ジップウォレットよりもひとまわり大きいサイズで、お札や小銭、カードが収納できる他、スマートフォンやリップなどの必需品を入れて持ち歩くことが可能です。ハンドバッグタイプよりも価格がリーズナブルで、一回り小ぶりで可愛らしいサイズ感が人気です。チェーンストラップを外してクラッチバッグとして持つことも可能なのでパーティーシーンに持つのも最適です。
●ボーイシャネル ロングフラップウォレット
・品番:A80286 Y07659 N9317
・素材:ラムスキン
・価格:139,700円(税込)
・サイズ:横幅4㎝×高さ10.5㎝×マチ3㎝
フラップで開閉するタイプの長財布でロングウォレットよりもマチがあり収納にも優れています。カードのスロットが12枚あるので、カード、現金ともに多く持ち歩く方におすすめです。
まとめ
100年続くシャネルの長い歴史の中で、メンズライクなデザインのバッグは初であり、異色の存在であるが故に一際輝きを放つ「ボーイ シャネル」、従来のシャネルバッグとは一線を画すメンズライクな格好良さも大変魅力ですね。ファッションの最近のトレンドであるユニセックス、メンズライクを取り入れた新しいシャネルの定番モデルである「ボーイ シャネル」、今後の新作がどのように展開するのかますます目が離せません。「ボーイ シャネル」を持って、メンズライクな流行のコーディネートを楽しんでみてはいかがでしょうか。