ルイ・ヴィトン エピについて
エピは、ルイ・ヴィトンを代表するモデルラインのひとつです。ルイ・ヴィトンといえば、モノグラムやダミエが人気だと思われがちですが、エピは1985年に登場し、現在まで多くの人から人気を集めてきました。およそ35年もの長い間エピラインのアイテムが発売されていることからも、ルイ・ヴィトンを代表するモデルラインのひとつであることがわかります。
「エピ」とは、フランス語で「麦の穂」という意味があります。エピという名称の由来は、線状に流れるような細かい型押しが、麦の穂が風になびいて揺れているような風景を思わせることから「エピ」と名付けられました。そのなかでも、高い実用性と大人の品格を感じさせるエピの財布のラインナップをカラーバリエーションとともにご紹介し、さらに隠された魅力にも迫ります。シンプルで高級感を感じさせるエピ。ルイ・ヴィトンが日本に初めて上陸したのが1981年とまだまだ新しい存在です。
このころ日本はバブル期でルイ・ヴィトンの出店からすぐに成功することになります。また、ヨーロッパブランドが人気であったことからセレブだけではなくサラリーマンも高級ブランドを身に着けていました。このバブル景気に一大ムーブメントを起こし、人気を得ることができたのが、まさにエピでした。これまでのルイ・ヴィトンのイメージを覆すさまざまなカラーを発表し人気を集めました。
しかし、この人気も長く続かず、斬新さが定着する前に失速、さらに、カラフルなイメージで女性に人気のヴェルニが登場。エピのカラーバリエーションの豊富さというイメージまで薄くなってしまったんですね。
ただ、エピを支える根強いファンの方々は多く、マイナーチェンジをしたアイテムもあってか、徐々に人気を取り戻していきます。今でも定番のモノグラムやダミエよりも「エピが好き」と、言う方が多くいます。現在では人気ラインのひとつとして数えられていますが、低迷時代を乗り越え多くのエピファンに支えられて今のエピがあるんですね。
エピレザーの耐久性
エピに使用されているのはエピ・レザーと名付けられた素材で、比較的厚手の牛皮をクロム塩と植物タンニンでなめし、染色してから独特の型押しをしています。エピ・レザーの特徴は、光の当たり方によって光沢や色彩が変化することで、無地でありながら、ほどよい華やかさのある風合いがあります。また、衝撃に強く、シワができても目立ちにくいというのも特徴です。
そのほか、エピには、通常のラインとは異なる素材を使用したスペシャルコレクションもあります。まずは、1999年にミレニアム限定として登場した「サイバー・エピ」。これはブラックライトを当てると、ルイ・ヴィトンのロゴが浮かび上がるものでした。その後登場した「エピプラージュ」は、半透明のビニールにエピの模様を配した、夏っぽいアイテム。そして2003年には、スクエアに裁断されたエピ・レザーをストレッチ素材でつないだ「ストレッチ」も登場しています。
ヴィトンエピの評判
光の当たりによって光沢や色彩の見え方が変化するエピは、2006年に金具をシルバー仕上げに変更し、より洗練されたイメージへと変化しました。ネヴァーファルやノアなどのバッグや長財布、名刺入れなどの小物もあり、ビジネスからフォーマルまで、幅広いシーンに対応できるアイテムが揃っています。また丈夫な素材でできているので、毎日の通勤にも気を遣わずに使用しやすいと言えます。
エピはその美しい色合いによって、1985年の発売当初からモノグラムをしのぐ人気のラインとなりました。発売当時のカラーバリエーションは、深海の溶岩をイメージしたノワール(クリール・ブラック)、サバンナの雄大な自然をイメージしたケニアブラウン、ボルネオの熱帯雨林をイメージしたボルネオ・グリーン、スペインのトレドを流れるタホ川をイメージしたトレド・ブルー、カナダの高原をイメージしたナチュラル・ウィニベクというベージュの5色でした。
エピの発売当時は、バブル景気だったこともあり大ヒットを飛ばしますが、その後の景気下降と共に売上が衰退します。しかし、豊富なカラーバリエーションを発表し、息を吹き返します。2012年には11種類、2014年には8種類と、近年は新色としてカラフルなアイテムが展開されています。
エピ その他のライン
エピには派生シリーズがいくつかあります。ここでは代表的なものを3つ紹介します。
■サイバーエピ
サイバーエピは、2000年に発表されたミレニアム限定コレクションです。見た目は通常のエピですが、ブラックライトを当てるとモノグラムが浮かび上がる仕組みです。
■エピプラージュ
エピプラージュは、2001年の春夏コレクションで発表されたシリーズです。プラージュとは浜辺いう意味で、ビニール素材にエピ独特の模様を施しています。オレンジやブルーなどビビッドなカラーが揃っており、まさに浜辺にぴったりなシリーズです。
■エピストレッチ
エピストレッチは、2002年に発表されました。ストレッチ素材の内布にスクエア型のエピ・レザーを規則正しく並べたもので、荷物を入れると見え方が変化するのが特徴です。
2021年現行カラー
■ローズバレリーヌ
2019年の新作バッグネオノエのカラーとして登場。現在もサックプラや財布などで人気。
■シトロン
2021年のアイテムにも使われているカラー。2012年に1度出ているカラー。
■カラーシアン
シトロンと同じように2012年に使用されネヴァーフルやアルマなどに使われています。2021年頃にはビリヤード台のカラーにも採用。
■カラーピモン
「ホライゾン」のカラーなどで使われています。唐辛子の意味を持つ名前。
■カラーピスタッシュ
マフラーなどにも使われている色で、オリーブのような黄緑系のカラーです。
■カラーアンディゴブルー
2013年にしようされ、今回アルマやネオノエのカラーとして再登場。財布などでも使われてるカラーです。
■カラーガレ
使い勝手の良いアースカラーとして人気のガレ。
■カラークォーツ
2021年マレルやイージーポーチのカラー。
■カラーゴールドミエル
2020年からネオノエやマレルのカラーとして使用されていました。
■カラーコクリコ
鮮やかな赤色が特徴のコクリコ。フランス語でひなげしの花という意味を持っています。
■カラージョーヌ
2000年頃から登場し今現在でも使われているカラーです。
■カラーノワール
1985年の登場時クリールブラックという名称で、エピカラーの中でも最も古いデザインのカラーです。
■カラーフューシャ
2012年〜2014年頃にアルマやネヴァーフルなどで使われていました。
■カラーブルー
1985年に1度使われなくなったトレドブルーによく似たカラーのため後継色との見方もあります。
■カラーブルーエ
2021年にはプティットサックプラやアルマなどに使われています。綺麗な青色が特徴です。
■カラーブルーセレスト
イージーポーチなどで展開されている、柔らかな水色のブルーセレスト。
■カラーブルーマリーヌ
黒に近い濃紺カラー。メンズ財布やビジネスバックに使用されています。
■カラーブロン
フランス語で白を意味していて定番のカラーです。
■カラーローズ
珍しい、鮮やかなピンク色。2021年アイテムではパピヨントランクなどで使われています。
■カラーローズペール
ノートブックなどに使われています。
■カラーローズポンディシェリ
深い赤色がバラのように可憐でゴージャス。アルマやカードケースなどで見かけます。
過去登場カラー
■カラーイヴォワール
ロックイットやパッシィなど当時人気の高かったアイテムで使用されていました。
■カラーヴィニーユ
ベージュ系の色として2000年頃に登場、ヴァニーユやヴァニラとも呼ばれています。
■カラーウィニペグベージュ
エピの最初の頃のカラー。現在は廃盤となります。
■カラーカーマイン
2013年頃のハンドバッグで使われていました。
■カラーカカオ
名前の通りカカオ豆をイメージしたブラウンカラー。
■カラーカシス
財布などに使われてたりしていて2008年に人気を呼びました。
■カラーカスティリアンレッド
1992年頃に使われて、現在では廃盤となってしまったレッドカラーです。
■カラーキャネル
2006年頃登場し、似たようなカラーの中でも黄土色に近い色です。
■カラーグルナード
朝顔のようなカラーで同じタイミングで発売されたカシスと似た色合いです。
■カラーグレ
新しいカラーがたくさん出てきた2012年のタイミングで登場したグレイッシュカラーのグレ。
■カラーケッチュ
タイガラインの渋い色が特徴的です。
■カラーケニアブラウン
1985年の初代カラーの一つ、赤茶色っぽいアフリカンな色です。
■カラーコライユ
サンゴのような淡いコーラルな色合いです。
■カラーサフィール
海底のような深い青いカラー。
■カラージパングゴールド
1992年発表のジパングゴールド。
■カラージョーヌベール
柔らかい色合いが特徴的で黄色系では人気のカラーです。
■カラータッシリイエロー
タッシリイエロー=ジョーヌともよばれています。
■カラートレドブルー
スペインの都市トレドを流れる川をイメージして作られた色だと言われています。
■カラーノワールエレクトリック
ノワールカラーをエナメルの素材を使ったカラー。
■カラーフィグ
発売当初から2014年まで独特な青紫色が人気をよびました。
■カラープルンニュエレクトリック
深みのある赤紫カラーのプルンニュエレクトリック。エナメルのように表現した特殊なカラーです。
■カラーペッパー
ヴィトンでも珍しいアースカラーでポワ-ルとも呼ばれています。
■カラーボルネオグリーン
ボルネオ島のジャングルをイメージして作られています。
■カラーマンダリン
フレッシュなマンダリンをイメージしたオレンジカラー。
■カラーミモザ
ミモザの花の色から作られたデザイン。
■カラーミルティーユ
暗めのモダン系でトレドブルーと混同されやすいので注意。
■カラーモカ
シックなカラー展開が多かった2000年に登場したカラーの一つ、使い勝手の良いブラウンで人気でした。
■カラーライラック
ライラックの花をイメージした薄紫のカラーでリラとも呼ばれます。
■カラールージュ
カスティリアンレッドに変わり作られています。
■カラールビー
深い赤色が印象的でボストンバックなどに使われています。
■カラーローズクレール
女性が好む薄ピンクのデザインです。
エピカラーの豆知識
2000年までに流通していた8色の初代カラー達はボルネオ島のジャングルをイメージした「ボルネオグリーン」やスペインの都市を流れる川をイメージした「トレドブルー」といったように、「地名」+「カラー名」(英語読み)でした。1993年頃登場したタッシリイエローが2000年超えたあたりからいつの間にかジョーヌ(黄色のフランス語)に変更されるなどネーミングルールが変わっていったなと感じました。
まとめ
ルイ・ヴィトンのエピは今でもモノグラムや、ダミエが定番とされていますが、80年代からたくさんのモデルチェンジと考えられて作られた利便性、そして、たくさんのカラーバリエーションから作られています。そんな世界的ハイブランドのルイ・ヴィトンを長年支えてきたモデルということがわかりますよね。一流の職人さんが一つ一つ丁寧に作られた製品は一つの鞄、財布ではなく、世界の人々を魅了するアート作品であるとも思えます。そんな素敵なエピの商品が今後も長い間たくさんの方に愛され使い続けられるでしょう。ここまで読んでいただいた方も是非店頭で手にして頂いきたいと思います。