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アクセサリーにおいて、金は必ずしも金色ではない
金の太陽を思わせる永遠の輝きは、古代宗教で重要な意味を持っていたり、富や権力の象徴として、歴史的に古くから重宝され、高貴な装飾品としても大切にされてきました。なので、「金って何色?」と聞かれたらほとんどの人は直感的に、「金は金色」と無意識に答えます。しかし、現在、ジュエリーには、金色ではない金製品も存在します。
ゴールドジュエリーに使われるのは純金ではなく金合金
純粋な金、つまり純金の色は、私たちが通常身に着けてるゴールドジュエリーの色よりも鮮烈な黄金色です。なぜなら、ゴールドジュエリーに使われる金は、純金と他の金属あわせた金合金だからです。純金を他の金属との混ぜるのは、純金の「展性」、つまり非常に柔らかく変形しやすいという特性によるもので、その柔らかさは装身具にするには不向きなのです。したがって、金合金を素材として使うことで耐久性が確保されます。そして、この純金と組み合わせられる金属の種類によって様々な色味が得られます。
金の純度
そして、その合金における金の含有量はカラット(Karat)で表されます。カラットは24分率あるいは1000分率によって表されます。例えばゴールドジュエリーに多いK18の場合、18/24なので75%が金ということになり1000分率に基づいている場合は750Goldなどと表記されます。カラット数が大きいほど金含有量が高いということになります。また日常使いを念頭に置かれたジュエリーにはK18よりも堅牢なK14も多く使われます。14カラットは58.5%の純金を含んでいるということになります。
様々な色のゴールド
●イエローゴールド
純金と銀、および少量の銅を含む合金です。合金中の金含有量はカラットで示されますが、含まれる他の金属の割合は基本的に表記されませんが色のトーンから予想することは可能です。銀の量が多いほど金は柔らかく穏やかなカラートーンになり、銅の量が多いほど赤みを帯びた黄色になります。
●ホワイトゴールド
金に、銀、亜鉛、ニッケル、パラジウムなどの他の銀白色金属と混合して生成されます。ホワイトゴールドは、ロジウムメッキとしてよく知られている表面加工を施す場合もあります。
●ピンクゴールド(ローズゴールド)
金と銅の合金です。ティファニーはとくにローズゴールドにフィーチャした一連のコレクションを展開しており、このカラーゴールドに注目しています。
どの色のゴールドを選ぶ?
ゴールドジュエリーの色を選択するための主要な基準は、究極的に個人的な好みに基づいています。「ゴールドジュエリーならイエローゴールドが一番!」とイエローゴールドを生涯身に着ける人もいるでしょう。しかし、もしあなたが新しいことに挑戦したいと思う人ならば、これから紹介する各金合金の特性を参考にしてみてはいかがでしょうか?
硬度
先述した3つの合金は、同じカラット数でも硬度は異なります。硬度において最も硬いのはピンクゴールドです。銅は高密度で、衝撃や圧力に対する耐性が向上します。次に硬いのはホワイトゴールドで、最後にイエローゴールドが続きます。
アレルギー特性
金はあらゆる金属のなかで最もアレルギーを起こしにくい金属ですが、完全にゼロというわけではなく、皮膚が特に敏感な人にはアレルギー反応を引き起こす可能性があります。アレルギーのリスクは、金含有量が高いイエローゴールドが最も低く、ピンクゴールドが銅を含んでいるためにアレルギーリスクが最も高くなります。ホワイトゴール ジュエリーに関しては、表面にロジウムメッキを施すことで、アレルギー反応のリスクを減らすことができます。
あなたの肌の色に合う色合い
肌の色が濃い人は、イエローゴールドが一般的に似合います。肌のトーンと黄金色のコントラストがゴージャスな印象になります。肌の色が薄い人には、ホワイトゴールドがその肌の透明感をより際立たせます。最後に、ローズゴールドに関して言えば、ニュートラルな色合いで、肌色にも近いためあらゆる肌色の美しさを引き立てます。
最近のトレンド
ホワイトゴールドの結婚指輪は今でも不動の人気があります。イエローゴールドのジュエリーも2020年頃からカムバックしており、2022年のプラダはゴールドカラーを象徴的に使ったアイテムを展開しています。国際的なシーンではあまり知られていなかったローズゴールドもティファニーやカルティエが人気のデザインに取り入れるなど人気が急上昇しています。 ちなみにピンクゴールドの歴史は19世紀にさかのぼり、ロシアで金細工師のカールファベルジェが美しい作品を作るために使用していました。
ゴールドジュエリーとファッション
小さくても品のあるアクセントとしてこの上ないゴールドジュエリーはコーディネートのアクセントとして素晴らしい働きをしてくれます。たとえば、イエローゴールドのペンダントは、パステルカラーのロマンチックなドレスやワンピースと見事に調和します。細いチェーンネックレスやチェーンブレスレットは、ボヘミアンなドレス、または白いTシャツとジーンズとのシンプルな組み合わせで特に力を発揮します。ホワイトゴールドはとても万能です。無彩色なので、あらゆる服の色と組み合わせることができます。しかし、特筆して言うならば、オールブラックの中で際立つホワイトゴールドです。この組み合わせは常に洗練され、エレガントです。
ローズゴールドのジュエリーも無限の可能性を秘めています。ローズゴールドはとても繊細でフェミニンな雰囲気をもっているので、ベージュやキャラメル、クリーム、ピンク、ライトグレーなどのニュートラルな色の服との組み合わせに最適です。また、ホワイト、ダークブルー、ブラックなどおとなしい色のコーディネートにチャーミングな華を添えます。グリーンやイエローと組み合わせてもエネルギッシュで明るい印象になります。
最後に
このようにゴールドジュエリーは合金によって様々な顔を見せてくれます。ここで紹介した3色以外にも様々な色味を帯びたゴールドが存在しますので、この記事をきっかけにより楽しいアクセサリー選びをしていただければ幸いです。