エルメスの歴史
エルメスの歴史は、ティエリー・エルメスが1837年、高級馬具を製作する工房をパリ9区に開いたところからスタートします。
その工房の技術は当初から高く評価され、1867年および1878年のパリ万博では、それぞれ銀賞・金賞を受賞するほどです。1880年には、現在、本店を構えるエリゼ地区のフォーブ ル・サントノーレ24番地にブティックを移転します。それと同時に顧客への直接販売を開始し、審美眼の厳しいパリ市民にも認められていくこととなります。
1892年には、サドル・バッグ(馬の鞍を収めるカバン)として「haut-à-croire オータクロア」を制作し、販売を開始します。これは馬具を収納するためのバッグですが、いま見ても美しい佇まいとなっています。このバッグを原型として、およそ100年の時を経たのち、伝説的傑作「Birkin バーキン」が生まれることとなります。
その後エルメスは、1900年、ロシアのサンクト・ペテルブルグへと赴き、ロシア皇帝ニコライ2世に馬具と鞄を売り込むことに成功します。これを機に、エルメスは世界的な馬車商へと発展していきます。それからしばらく経つと、アメリカを皮切りに自動車が市民の足として普及してゆくことになります。
交通手段が馬車から車へ移行してゆくにつれ、馬具の需要縮小を予見したエルメスは、馬具以外の製造・販売にも手を広げ、その事業を拡大させます。上質な革を入手するルートと、高度な技を持つ職人という武器を駆使し、婦人バッグや財布などの皮革製品を開発、1920年には社内にハンドバッグ部門を新設、さらに腕時計や洋服・アクセサリー・香水などの分野にも手を広げ、世界のファッションをリードしていきます。エルメスの伝統と歴史の上で、バーキンと並んで欠かせない存在といえるのが「ボリード」です。
1920年ごろ誕生したこのモデルは、自動車で移動する際に使用するという想定でデザインされました。当時の道路は現在のように舗装されてませんでした。そのため、振動でバッグの中身が飛び出すことも多くありました。それを防ぎながらベルトの開閉の手間も省くため、世界で初めてバッグに「ファスナー」を取り付けました。
エルメスと聞いて多くの人が思い浮かべるのは、鮮やかで深みを感じさせるオレンジとそこに描かれた馬車と従者ではないでしょうか。「デュックとタイガー(=四輪馬車と従者)」と呼ばれているこのモチーフに、エルメスの哲学が隠されていることはあまり知られていません。
不思議な点にお気づきでしょうか?馬車と馬、そして従者が描かれているものの、肝心の主人がそこにいません。エルメスが創業当初から持ち続けているのが、「主役はあくまでもユーザーにある」という考え方です。それを顕著に示しているのがこのブランドロゴなのです。
このロゴマークでは、「従者=職人」、「馬=ブランド」、「馬車=ブランドアイテム」をそれぞれ表しており、「エルメスというブランドの下で職人が作り上げた、最高品質のアイテムをお客様に提供する」という構図を表しているのです。
そう、そのアイテムを使う「ユーザー=お客様」こそが、ロゴに描かれていない「主人」なのです。エルメスができることは、最高品質のアイテムを提供するのみ、そこに最終的な価値を見出し、享受するのは他でもないお客様自身である、という首尾一貫した姿勢です。そんな哲学が、さりげなくこのロゴマークには示されているのです。
そしてエルメスのシンボルカラーである、深みのあるオレンジ色は、ブランドに欠かせないアイコンの一つですが、初期のエルメスの包装紙には、薄いベージュが使われていました。
オレンジへと変わったきっかけは、第二次世界大戦でした。大戦中の物資の欠乏によりベージュの包装紙を手に入れることが叶わず、偶然残っていたオレンジ色の紙を包装紙でした。このオレンジの色が顧客の評判を呼び、のちにエルメスのシンボルカラーとして正式採用されることとなったのだと伝えられています。
冒頭でも述べたように、エルメスのバッグの中でも群を抜いて希少性の高いアイテムが「Birkin バーキン」です。このバッグが誕生したのは1984年のことです。それは、当時のエルメス社長であったジャン=ルイ・デュ マが、飛行機の席でひとりの美しい女性と隣合わせたことがきっかけでした。
彼女は、通路を通る際よろめいてしまい、愛用のかごバッグからその中身を落としてしまいました。それを見たジャンが「ポケットがついているバッグがいいですよ」とアドバイスすると、なんと彼女はジャンの存在を知ってか知らずか「エルメスがそんなバッグを作ってくれたらいいんですけど」と答えました。ジャンはその身分を明かすと、機内のエチケット袋に前述の「オータクロア」をベースにしながら、彼女の理想とするバッグのデザインスケッチを描きました。そして後日彼女のためにそのバッグを制作し、贈りました。
そのシンガーの名前は、ジェーン・バーキン、そう、セルジュ・ゲンズブールやジャック・ド ワイヨンといった世界を代表する洒落者を虜にするとともに、永遠のファッションアイコンとして知られる世界的女優にしてシンガーです。そんな彼女の愛用品として、そのデザインは「バーキン」と呼ばれることとなり、世の女性たちの憧れの的となったのです。
エルメスの製品は、安くはありません。もちろんそれは、厳選された高品質の素材を使い、熟練した職人の手により、一切の妥協なく製造されることを考えれば、極めて妥当な価格とも思えます。そして、それと同時に徹底したアフターケアまで含め、エルメスの製品は永く使い続けられる、言葉通りの「一生モノ」であるという自信のあらわれと言えるのではないでしょうか。
バーキンは、高額ですが、その希少性から、ただお金を積めば手に入るという類のアイテムではなく、万人が手にできるものでもありません。それでも世の女性たちがバーキンに恋い焦がれるのは、やはりそれが人生において、誰もが一度は手に入れたいと思える一生モノだからではないでしょうか。
高い技術を持つ職人が作り上げたアイテムがお客様の手へと届けられ、お客様自身の要望に応じていつでも同じ職人が補修を行うという、製品を通したユーザーとブランドとの密な繋がり方は、世のラグジュアリーブランドの中でもエルメス特有のものといえるでしょう。そしてそれゆえ、エルメスは圧倒的に格上のブランドとして認知されているのではないでしょうか。
エルメスの小物類を紹介します
「ブランド物は好きだけど、バッグや財布を持ち歩いて見せびらかすようにしたくない」といった人や「エルメスが大好きだから、色々なアイテムを揃えたい」という人にオススメな小物類を紹介します。あまりメジャーではありませんが、エルメスの小物類は豊富なラインナップがあり、小物入れから灰皿、折りたたみ傘に至るまで、生活の中で使えるものが多く揃っています。
エルメスの作り出す小物は、普段使用していても壊れにくく、満足する作りであることが特徴です。また、何気ないアイテムでも味のあるデザインとカラーリングはブランド商品だからと浮くこともなく、長く使い続けることができます。
女性に人気があるのは、スカーフや小物入れなどのアイテムです。スカーフは自分につけるのもよし、バッグに巻いてもよし、多様性を持っています。また、同時に小物入れもバッグと合わせて使うことで魅力が増します。男性に人気が高いのは、ハンカチや傘、ペンケースなどの日用品です。シンプルでスタイリッシュなデザインはサラリーマンの持ち物としてもぴったりです。また、女性から男性へプレゼントするためのアイテムとしても人気が高くなっています。このように贈り物で頂いたエルメスですが、高級品のため
・普段使いしにくい
・ボロボロになったものを使っていても恥ずかしい
・そもそもブランドに興味がない
などの理由で小物を貰っても使用せずに棚の中にしまいっぱなしの方も多いのではないでしょうか?革製品、布製品の小物が多いエルメスですが、使わず放置していると高級品といえど劣化します。ですので自宅で眠っているなーと頭に浮かんだなら是非どのような状態でも一度「買取大吉」へお持ち込みの上ご相談下さい。一点一点しっかりと査定させて頂きます。