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金の「比重と密度」とは？
比重とは、ある物質の密度を基準となる物質の密度で割った値を指します。一方、密度は単位体積あたりの質量を示す数値です。両者は似ていますが、厳密には異なる概念となります。
金の比重と密度の意味
金の比重は、金の密度を「水の密度（1g/cm³）」で割った値で、無次元の数値です。金の比重は約19.32で、非常に重い金属であることを示しています。
そして、密度は単位体積あたりの質量を指し、単位は「g/cm³（グラム毎立方センチメートル）」です。金の密度は約19.32 g/cm³で、重さが非常に大きいことを意味します。
| 比重 = 物質の密度 ÷ 水の密度（1g/cm³） |
【純度別】金の比重一覧
あらゆる金属の中でも、金は比重が最も高く、その数値は純度によって変化します。この特性を利用し、金の品質や純度を判別することが可能です。
純度とは、金属中に含まれる金の割合を示す指標です。純金（24金）は99.99%以上が金で構成され、比重は約19.3になります。22金は91.7%、18金は75%の金を含み、それに伴い比重も低下します。
| 金の純度（24分率） | 比重 |
|---|---|
| 純金（24金） | 19.13〜19.51 |
| 22金 | 17.45〜18.24 |
| 18金 | 14.84〜16.12 |
| 14金 | 12.91〜14.44 |
| 10金 | 11.42～13.09 |
他の金属との比較
金は非常に高い密度を持ち、他の代表的な金属と比べるとその重さが際立っています。それぞれの密度を比較すると、これらの違いが明確にわかります。
金の密度は鉄や銅の約2.5倍、銀よりも約2倍高いため、重い金属であることがわかります。このため、少量でも価値が高くなりやすいという特性があります。
| 金属 | 密度 （g/cm³） |
|---|---|
| 金 （Au） | 19.32 |
| 銀 （Ag） | 10.49 |
| 銅 （Cu） | 8.96 |
| 鉄 （Fe） | 7.87 |
| アルミニウム （Al） | 2.70 |
金の比重に関する逸話
金の比重に関連する逸話で広く知られているのが、古代ギリシャの科学者アルキメデスの話です。
アルキメデスと金の王冠
紀元前3世紀、シチリア島のヒエロン王は、金細工職人に純金で王冠を作らせましたが、後に職人が金を盗んで銀を混ぜたのではないかという疑惑が生まれました。
王はアルキメデスに、王冠を壊すことなくその真偽を調べるよう命じます。アルキメデスは風呂に入った際、浴槽の水が溢れる現象を目にし、物体の体積を測定する方法を閃きました。
金の比重測定法を発見
こうして、浮力の法則が明らかになり、金の比重を測定する方法が生まれました。アルキメデスはこの成果に興奮し、街中を裸で走り回りながら「エウレカ！（分かった！）」と叫んだといわれています。
この発見は「アルキメデスの原理」として名高く、現在でも比重測定の基本的な理論として広く認識されています。
金の比重と密度の測定方法
金の比重や密度を測定する方法には、比重計を用いる方法と、水に沈めて計算する方法があります。どちらも金の純度を知る手がかりとなるため、特徴を理解しておくと役立ちます。では、それぞれの手順を見ていきましょう。
比重計を利用して測定する
金の比重を測定する方法の一つに、比重計を使用する方法があります。比重計は金やプラチナなどの貴金属の鑑定に用いられる機器で、精密な数値を測定できます。
多くの貴金属買取店に設置されており、売却を検討している場合は鑑定を依頼するのも選択肢の一つです。
ただし、中が空洞のものや複数の金属を組み合わせた製品、水に弱い宝石などは、測定できないことがあります。
水に沈めて測定する
比重計を使用せずに比重を調べるなら、水に沈めて測定する方法があります。簡易的な方法ですが、特別な機器を必要とせず、自宅でも試せるでしょう。
方法としては、まず金の重さを測ってください。その後、水に沈めた際の体積を測定し、重さを体積で割ることで比重を求めます。
この方法も、中が空洞だったり宝石が付いたものは正確に測れない場合があります。
【自宅でできる】水を使った比重と密度の測定方法
では、自宅で簡単にできる水を使った測定方法の具体的な手順をご紹介します。手軽に実践できる方法なので、金製品の比重を調べたい方はぜひ試してみてください。
①必要なものを準備する
自宅で金製品の比重を測定するためには、いくつかの準備が必要です。まず、金製品がしっかり入る容器を用意しましょう。容器は形状にこだわらず、金製品が底につかない程度の余裕を持たせると良いです。
次に、水を金製品が完全に浸かる程度に入れます。はかりと、テグスや釣り糸などの糸も準備してください。
| 準備するもの | 金製品を入れる容器・水・はかり・糸 |
②金製品の重量を量る
最初に、はかりに金製品を乗せ、金製品の重さを正確に量りましょう。忘れないように、その重さを書き留めてください。
もしも空洞があったり、宝石が付いているものは、比重の正確な数値を量れないことを覚えておきましょう。
また、水に弱い宝石の場合は、この方法での測定を避けることをおすすめします。特に、真珠や珊瑚などは控えた方が良いでしょう。
③水を入れた容器を測りにのせる
容器に水を入れたら、それをはかりに乗せます。水は少し多めに注ぎ、容器がしっかりと安定するようにしましょう。
続いて、はかりの目盛りを「0g」に調整します。これにより、容器の重さを差し引いた正確な測定が可能になります。調整は慎重に行い、確実にゼロに合わせてください。
④金製品を糸で吊るし水の中へ入れる
次に、金製品を糸で吊るして水に浸します。この際、金製品が容器の底に触れないように糸の長さを調整してください。製品が水中に完全に沈んだら、目盛りに変化が現れます。
目盛りが示す数値を書き留めておきましょう。水の密度は1立方センチメートルあたり1グラムなので、たとえば15グラムと表示されれば、その金製品の体積は「15cm³」となります。
⑤金製品の重量を体積で割る
金製品の重さが分かり、その体積も計測できたら、比重を求めるためにその値を使います。計算式は「金製品の重さ÷金製品の体積」となり、金製品の重さを体積で割る方法です。
たとえば、200グラムの金製品が15立方センチメートルの体積を持つ場合、重さを体積で割ると、比重は約13.4となります。この比重を元すると、純度は「14金（K14）」だと判別できます。
比重と密度の測定時の注意点
比重と密度の測定では、温度を一定に保ち、器具を清潔に保つことが重要です。また、物質が均一であることを確認し、適切な方法や溶液を選んで測定器具の範囲内で行うようにしましょう。
ただし、比重検査は万能ではありません。空洞のある物体や宝石があしらわれたものは正確な測定が難しく、金に似た比重を持つタングステンの区別もつけにくいので注意が必要です。
比重測定以外で金の真贋を判定する方法
金製品の真贋を判断する方法は、比重測定だけに限りません。金の特性を利用した手軽に確認できる方法がいくつかあります。これにより、本物かどうかを簡単に確かめられるでしょう。
①刻印を確認する
金製品には、純度や製造者を示す刻印が施されていることが一般的です。これにより金の種類が確認できるため、まずは刻印をチェックしてください。
ただし、近年では偽物にも似た刻印が模倣されることが増えています。本物かどうかを刻印だけで判断するのは不十分です。金の重量感や、磁石による反応を利用した方法など、他の方法も併せて試しましょう。
| 刻印 | 純度（%） |
|---|---|
| K24（24K） | 99.99 |
| K22（22K） | 91.7 |
| K18（18K） | 75 |
| K14（14K） | 58.5 |
| K10（10K） | 41.7 |
| K18GP（K18 Gold Plate） | 金メッキ |
| K18GF（K18 Gold Field） | 金張り |
②磁石を近づける
金は磁性を持たないため、金製品に磁石を近づけることで真贋を確かめることができます。もし製品が磁石に引き寄せられる場合、鉄やニッケルを含む可能性があり、純金ではないと考えられます。
しかし、この方法だけでは確実に判断できません。金メッキが施された偽物や、合金の一部も反応しないことがあります。そのため、他の方法を組み合わせて確認したほうが確実です。
③色と光沢で判断する
金製品の色合いや光沢を観察することで、真贋を確認できます。純金は鮮やかな黄色を持ち、その色は非常に濃いのが特徴です。しかし、合金が含まれるK18やK14では、色がやや薄くなり、輝きが異なります。
製品全体の色が均一であるかを確認し、部分的に色の違いがあれば、偽物の可能性を疑うべきです。また、金は高い光沢を持ち、光の下でその反射を観察すると、均一で持続的な輝きが見て取れるでしょう。
④音で判断する
金製品を叩いたときに発する音も、真贋を見分ける手がかりになります。純金は独特の高音で「ピン」と響く音を出すのに対し、他の金属や金メッキ製品は鈍く、途切れるような音を発します。
この音の違いをしっかりと聞き取るためには、静かな場所でテストを行いましょう。ただし、音だけで判断するのは難しいため、他の方法と併せて総合的に判断してください。
⑤匂いで判断する
金自体はほとんど匂いを発しないため、これをチェックする方法も有効です。また、他の金属と異なり、皮脂や汚れが分解されることによって金属臭が生じることはありません。
そのため、金属臭がないことが、純金である証拠となります。もしも試すなら、手についた匂いが残らないように洗い、清潔にした状態で行いましょう。匂いだけでなく、いくつかの確認方法と併せて判断しましょう。
比重測定できない場合は買取業者への依頼がおすすめ
宝石があしらわれたジュエリーや合金製品など、正確な比重測定が難しいアイテムもあります。その場合、専門的な知識を持つ買取業者に依頼することで、より確実な判断が得られるでしょう。
鑑定料や手数料が無料
金製品の真贋は、専門の買取業者に依頼することで確認できます。信頼できる業者であれば、鑑定料など手数料が無料で、金の価値を把握することが可能です。
また、査定後に売却することもできるため、気軽に利用できる点が大きな魅力です。余分な費用がかからない業者を選ぶことで、安心してサービスを利用できます。
買取実績が豊富
信頼できる買取業者を選ぶには、実績が豊富で査定方法に精通した業者を見極めることが重要です。実績が豊富なら、適正な価格での買取を行っています。
信頼性の高い業者は、事例として買取実績やお客様の声を公開しており、その透明性が評価の指標となります。実際の取引結果が確認できる業者を選びましょう。
査定方法が豊富
買取業者では、さまざまな査定方法が提供されています。店頭で直接査定を受ける「店頭買取」、査定員が自宅まで訪問する「出張買取」、品物を送る「宅配買取」など、便利な選択肢が揃っています。
さらに、ショッピングモールやスーパーで行われる「催事買取」などもあり、利用者のライフスタイルに合わせて選べます。気になる場合は、業者に相談することをおすすめします。
まとめ
手元にある金製品の比重を把握しておくことは、価値を正しく理解するために役立ちます。金の特性をしっかりと認識することで、より有利な取引が可能となり、金製品の価値を最大限に引き出すことができるでしょう。
